攻撃者と「対等な条件」に立つASM運用、日本ハッカー協会の杉浦隆幸氏が提示

日本ハッカー協会の杉浦隆幸氏は、攻撃者と「対等な条件」に立つためのASM(Attack Surface Management、アタックサーフェスマネジメント)運用をテーマに、外部から観測可能な資産を把握し、継続的に管理する考え方と運用上の要点を示した。

事案の詳細

元記事は「攻撃者と『対等な条件』に立つASM運用」を掲げ、日本ハッカー協会の杉浦隆幸氏を取り上げている。記事の主題は特定のサイバー攻撃や情報漏えい事案ではなく、ASMの考え方と運用である。

ASMは、組織が保有・利用するWebサイト、ドメイン、サブドメイン、クラウドサービス、公開サーバーなど、インターネットから到達・観測できる資産を把握し、脆弱性や設定不備などのリスクを継続的に確認・是正する取り組みを指す。攻撃者が外部から観測できる情報を手掛かりに攻撃対象を探すことを前提に、防御側も自組織の外部公開範囲を攻撃者と同じ外部視点で確認する必要性が示されている。

記事タイトルおよび確認できる概要からは、特定の被害企業、被害件数、侵入経路、マルウェア名、脆弱性番号、攻撃者グループなどは確認できない。個別のインシデントや攻撃手法の詳細は、現時点で不明である。

影響と背景

クラウドサービス、リモートアクセス環境、外部委託先、Webアプリケーションなどの利用拡大により、組織の外部公開資産は増加・変動しやすくなっている。資産の追加や設定変更が台帳に反映されない場合、管理者が把握していない公開サービスや不要な通信経路が残り、攻撃者に発見される可能性がある。

こうした状況では、社内の資産台帳だけに依存せず、外部から実際に確認できるドメイン、サービス、証明書、ポート、技術情報などを継続的に確認することが重要になる。ASMは一度限りの棚卸しではなく、資産の変化を検知し、リスクの評価と是正までつなげる継続的な運用として位置付けられる。

対策・今後の展望

  • 外部から見える資産を継続的に把握する:ドメイン、サブドメイン、Webサイト、クラウドサービス、公開サーバーなどを定期的に確認し、未把握・不要な資産を特定する。
  • 攻撃者視点で公開範囲を確認する:内部台帳との照合に加え、外部から観測できるサービスや技術情報、設定状態を確認する。
  • 発見したリスクを是正につなげる:不要な公開サービスの停止、アクセス制御の見直し、脆弱性修正、設定変更などについて、担当者と期限を明確にする。
  • 変更管理と連携する:新しいシステムやクラウドサービスの導入、委託先の変更、設定変更をASMの監視対象に反映し、資産の変化を追跡できる体制を整える。

CSRIからの現場アドバイス

【観点①:現場で何が起きているか】CSRIが支援する中小企業の診断現場では、外部公開資産の棚卸しが最新化されず、担当者の交代やシステム追加の後に、組織が把握していない公開点が残るケースがある。MDR運用においても、想定外の公開範囲が確認された場合は、その資産の所有者、公開理由、設定状態を追加調査する必要がある。

【観点②:セキュリティ専門家でない人への平易な解説】会社の建物にある「外から見える入口や窓」を、侵入者が探していると考えると分かりやすい。ASMは、自社の入口が外部からどのように見えているかを確認し、不要な入口を閉じ、必要な入口には適切な鍵をかけるための継続的な運用である。

【観点③:中小企業が今週中にできること】まず、外部公開しているサービス、Webサイト、ドメイン、リモートアクセス環境の一覧が最新版か確認する。次に、新しく導入したクラウドサービスや委託先について、公開設定、管理責任者、変更履歴を確認する。最後に、把握した公開資産ごとに担当者と対応期限を割り当て、不要な公開の停止やアクセス制御の見直しを進める。

参照: 攻撃者と「対等な条件」に立つ ASM 運用 ~ 日本ハッカー協会 杉浦隆幸氏

攻撃者と「対等な条件」に立つASM運用、日本ハッカー協会の杉浦隆幸氏が提示
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