なりすましメールで取引先に金銭的な被害も ~ 小田原エンジニアリング従業員のメールアカウントに不正アクセス

株式会社小田原エンジニアリングは、子会社であるOdawara Automation Deutschland GmbHに出向していた同社従業員のメールアカウントへの不正アクセスを確認した。第三者が同社従業員になりすまして取引先に入金を指示するメールを送信し、一部の取引先で金銭的な被害が生じた。

事案の詳細

同社は2026年8月31日、当該従業員のメールアカウントについて、第三者による不正アクセスの痕跡を確認した。

調査の結果、第三者は2026年3月27日から8月31日までの間、当該アカウントに継続的にアクセスし、メールを閲覧していたことが判明した。

第三者は、閲覧した正規のやり取りを利用したとみられ、同社従業員になりすまして取引先宛てに入金を指示するメールを送信していた。これにより、一部の取引先で金銭的な被害が発生している。被害を受けた取引先の具体的な件数や被害額、第三者の侵入経路については、現時点で詳細は不明。

影響と背景

本事案では、メールアカウントへの継続的な不正アクセスによって正規の取引内容が閲覧され、それを踏まえたなりすましメールが取引先に送信された。入金指示を含むメールが正規の業務連絡を装って送られたことで、一部の取引先に金銭的な被害が生じた。

同社は2026年9月15日、Odawara Automation Deutschland GmbHに出向していた従業員のメールアカウントに関する不正アクセスについて公表した。なお、影響範囲の詳細については、監査ログの取得・解析を通じて調査が進められている。

対策・今後の展望

  • メールアカウントの封じ込め:同社は当該メールアカウントのパスワードを変更し、全セッションを強制的にログアウトさせた。
  • 多要素認証の必須化:拠点外からのアクセス時に多要素認証を必須化した。
  • 不正利用されたドメインの遮断:不正に用いられたドメインについて、メールの送受信をブロックする設定を実施した。
  • 影響範囲の調査:監査ログを取得・解析し、不正アクセスによる影響範囲を調査している。
  • 取引先への確認:入金指示など金銭に関わるメールを受信した場合は、メールへの返信だけで処理せず、既知の電話番号など別の経路で送信元に確認することが望ましい。

CSRIからの現場アドバイス

【現場で何が起きているか】メールアカウントが不正利用されると、攻撃者は過去のやり取りを確認したうえで、実際の取引内容に沿ったなりすましメールを送信できる。今回も、第三者が正規のメールを閲覧し、従業員になりすまして取引先に入金を指示していたとみられる。

【平易な解説】会社のメールを盗み見られると、攻撃者は誰とどのような取引をしているかを把握し、本物らしい文面で支払先や入金手続きを変更するよう求められる。見た目だけでは正規の連絡と区別しにくいため、金銭に関わる依頼は別の手段で確認する必要がある。

【今週中にできること】振込や支払いに関する依頼はメールだけで承認せず、既知の連絡先への電話など別経路で確認する。併せて、メールアカウントのログイン履歴、監査ログ、転送設定を点検し、不審なアクセスが確認された場合はパスワード変更、全セッションのログアウト、多要素認証の有効化、関係先への注意喚起を速やかに実施する。

参照: なりすましメールで取引先に金銭的な被害も ~ 小田原エンジニアリング従業員のメールアカウントに不正アクセス

なりすましメールで取引先に金銭的な被害も ~ 小田原エンジニアリング従業員のメールアカウントに不正アクセス
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