J:COMのインターネット接続サービスで、2026年9月23日午前8時55分ごろから午後6時ごろまで障害が発生した。J:COMは9月24日、外部から大量のアクセスがあり、DNSサーバーに高負荷が発生したことが原因と公表した。最大で約408万世帯のJ:COMサービス加入者に影響が及んだという。
事案の詳細
J:COMによると、2026年9月23日午前8時55分ごろから午後6時ごろまで、北海道と九州を除く「J:COM NET」の提供エリア、およびJ:COMがインターネット接続サービスを提供するケーブルテレビ事業者の一部エリアで障害が発生した。原因は、外部から大量のアクセスがあり、DNSサーバーに高負荷が発生したためとしている。
障害の対象は、「J:COM NET」のインターネット接続(「J:COM NET 光 on auひかり」は除く)のほか、「J:COM TV」のネット動画配信サービス、「J:COM MOBILE」のインターネット接続、パーソナルIDでのログインが必要な一部サービスなど。インターネット接続時に必要な処理が正常に行われず、一部の利用者がサービスを利用できない、または利用しづらい状態になった。
DNS(Domain Name System)は、ドメイン名をIPアドレスに変換し、Webサイトや各種オンラインサービスへの接続を支える仕組みだ。DNSサーバーに高い負荷がかかると、回線自体が確保されていても名前解決が正常に行われず、Webサイトやアプリに接続できない場合がある。
J:COMは、障害の原因を「外部からの大量アクセス」と説明している。一方、サイバー攻撃に該当するかどうかや、アクセスの送信元、具体的な手法などの詳細は現時点で不明としている。
影響と背景
影響は最大約408万世帯に及んだ。対象にはJ:COMのインターネット接続だけでなく、ネット動画配信や携帯電話サービスのデータ通信、パーソナルIDを利用する一部サービスも含まれた。
障害は北海道と九州を除く広い地域で発生し、インターネット接続時に必要な処理が正常に行われなかった。DNSは多くのオンラインサービスへの接続の前段に位置するため、個別のWebサイトやアプリに障害が起きたように見えても、実際には名前解決の段階で接続が止まっている場合がある。
J:COMは、障害が発生した設備への対処・措置を完了し、復旧を発表している。利用しづらい場合は、J:COM機器の再起動を試すよう案内している。
対策・今後の展望
今回のように外部から大量のアクセスが発生した場合に備え、事業者にはDNSなど基盤機能の負荷監視、冗長化、異常時のアクセス制御、障害影響を局所化する運用が求められる。J:COMが公表したアクセスの送信元や具体的な攻撃手法、再発防止策の詳細については現時点で不明だ。
利用者側では、障害発生時に端末や家庭内ルーターの故障と直ちに判断せず、まずJ:COMの障害情報や復旧状況を確認することが重要になる。復旧後も接続できない場合は、案内に従ってJ:COM機器を再起動し、改善しない場合はサポート窓口に問い合わせる。
- 事業者側:DNSなど基盤機能の負荷監視と冗長化を強化し、大量アクセスの検知、遮断、迂回によって影響を局所化できる運用を整える。障害の発生状況、対象サービス、復旧状況も速やかに案内する。
- 利用者側:障害時は端末側の個別トラブルと決めつけず、回線事業者の障害情報を確認する。復旧後も接続できない場合は、事業者の案内に従って機器を再起動する。
- 組織・家庭共通:業務や生活の重要な通信がインターネットに依存している場合、スマートフォンのモバイル通信、別回線、電話やメール以外の連絡手段など、最低限の代替策を事前に決めておく。
CSRIからの現場アドバイス
【観点①:現場で何が起きているか】外部から大量のアクセスが発生した場合、DNSなどの基盤サービスでは問い合わせ数やエラー、応答遅延の増加として兆候が現れる。ただし、今回のアクセスの送信元や具体的な手法、攻撃目的については、現時点で公表情報だけでは確認できない。自社の環境では、DNSの可用性や応答時間、異常な問い合わせ量を監視し、通常時との違いを把握できるようにしておく必要がある。
【観点②:平易な解説】DNSは「住所録」のようなものだ。外部から問い合わせが殺到して住所録を管理する仕組みの処理が追いつかなくなると、接続先の住所を確認できず、Webサイトやオンラインサービスへの通信が進まなくなる。今回公表された内容は、外部から大量のアクセスが発生し、DNSサーバーの高負荷によってインターネット接続時に必要な処理へ影響が出た、というものだ。
【観点③:今週中にできること】まず、自社や家庭でネットワーク障害が発生した際に、回線事業者の障害情報を確認する手順を共有する。次に、業務で利用する重要サービスについて、スマートフォンのモバイル通信、別回線、別の連絡手段などの代替策を確認し、利用条件と担当者を決めておく。なお、DNS設定の変更は環境によって影響が異なるため、事業者の案内や管理者の指示なしに変更せず、復旧後は設定を確認する。