リクルートは、サイバーセキュリティ関連の求人状況を分析したレポートを公表している。
同レポートによると、2014年を1とした際、2023年には24.3倍と大きく増加しているとのことで、サイバー攻撃への懸念の高まりから求人数は右肩上がりで推移していることを示している。
特に2018年から2019年にかけてと、2020年以降で求人の伸びが顕著であることが確認できるという。
2018年から2019年にかけての求人数の増加には、2020年に開催予定だった東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会による重要インフラを狙ったサイバーテロへの懸念が影響したとみられている。
また、2020年以降の求人数の伸びは、新型コロナウイルス感染症の流行に伴うテレワークの増加が背景にあるという。
こうした状況下でVPNを経由した社内システムへのアクセスが増加することになり、攻撃者はこの状況に目を付けた。
VPN機器の脆弱性を突いたサイバー攻撃が増加したことから、企業のサイバーセキュリティ強化のニーズが高まったとされている。
一方、転職者数の伸びは2014年比で3.62倍となっているが、求人数の急激な増加に比べると小さいため、企業のサイバーセキュリティ関連人材へのニーズに対し転職者数が追いつかない状況が指摘されている。
企業側が求めるサイバーセキュリティスキルを身につけた人材は、高い市場価値を持つ状況となっていることから、即戦力の人材には相応の年収を提示する必要があるとされている。
企業は、サイバーセキュリティを強化するためには実務経験のない人材も育成し活躍させる覚悟が求められており、従来の採用戦略の見直しや求人の魅力を高める取り組みが必要とされている。
【参考記事】
サイバーセキュリティー関連求人、2014年比で24.3倍に増加 生成AIを悪用するサイバー攻撃への対応でさらに加速 即戦力人材の採用は「レッドオーシャン」。転職時の年収は上昇傾向
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/c-work/