大阪公立大学は10月2日、同日未明に発生した情報基盤システムの大規模障害を受け、10月8日まで授業を休講にすると発表した。総合型選抜などの出願期間中でもあり、募集要項の閲覧や一部の出願書類の入手に影響が出ている。
事案の詳細
障害は10月2日午前0時半ごろまでに発生したとみられ、学生や教職員が利用するポータルサイト、学内メール、履修登録・教材閲覧システム、公式アプリなど、複数の情報基盤システムが順次利用できなくなった。大阪公立大学は当初、2日の授業を終日休講としたが、その後、休講期間を10月8日まで延長した。
10月9日以降は対面授業を再開する予定だが、オンライン授業の再開時期はシステムの復旧状況を踏まえて判断する。医学部付属病院は学内システムとは別のシステムを利用しているため、今回の障害による影響はないとされている。
障害発生時点で、外部からの不正アクセスの可能性を含めて原因の特定が進められていたが、攻撃の有無や具体的な攻撃手法、障害の原因は現時点で確定していない。
入試では、Web出願サイトと入学手続きサイトが学外のサーバで稼働しているため、出願登録自体は可能だった。一方、大学のホームページにアクセスできないことで、募集要項の閲覧や一部の出願書類の入手が困難になった。総合型選抜などの出願締め切りは10月8日で、大学は復旧状況を見ながら、障害によって出願できない事態を避けるため対応するとしている。
影響と背景
授業は10月2日から8日まで、約1週間にわたり休講となった。履修登録の修正受付と、2日に予定されていた総合教養科目の2次抽選の先着申請も延期された。授業や履修手続き、教材閲覧、学内連絡が同時に制限されたことで、学生の学修計画や教職員の業務に影響が及んだ。
出願期間中の障害は、受験生が募集要項や出願書類を確認・入手する機会にも影響する。ただし、Web出願サイトと入学手続きサイトは学外サーバで稼働しており、出願登録は可能だった。障害が入試日程全体や出願受付の可否にどこまで影響したか、また大学が今後どのような救済措置を講じるかの詳細は現時点で不明である。
教育機関では、授業、履修登録、試験、出願など期限を伴う業務が複数の情報システムに依存している。そのため、ポータルサイトや学内メールなど基盤システムの障害が、教育活動だけでなく入試や学内業務にも連鎖する可能性がある。
対策・今後の展望
大阪公立大学はシステムの復旧を進め、対面授業については10月9日以降の再開を予定している。オンライン授業の再開時期や、履修登録・入試関連手続きの具体的な対応は、復旧状況を踏まえて判断するとしている。
教育機関のシステム障害では、外部からの不正アクセスを含む原因調査、影響範囲の把握、バックアップからの復旧、代替手続きの案内を並行して進める必要がある。学生や受験生に対しては、出願期限、利用可能なサイト、募集要項や書類の代替入手方法、問い合わせ先を明確に周知することが重要になる。
CSRIからの現場アドバイス
【観点①:現場で何が起きているか】CSRIが支援する中小企業のMDR運用では、「基幹システムが止まって業務が止まる」事象が最も深刻に扱われます。重要サーバーの監視やバックアップ確認が担当者任せで、停止時の連絡・代替手順が未整備のまま放置されている例は少なくありません。今回の大阪公立大学の事案でも、複数の学内システムが利用できなくなり、授業、履修手続き、学内連絡、入試関連業務に影響が広がりました。
【観点②:セキュリティ専門家でない人への平易な解説】例えるなら、会社の受付や金庫の鍵が同時に壊れて、出入りも支払いもできなくなるようなものです。システム障害は、パソコン1台の不具合ではなく、授業や出願のような「締切のある手続き」を止めてしまう点が危険です。今回、出願登録は外部サーバで継続できましたが、募集要項や一部書類の入手には支障が出ました。
【観点③:中小企業が今週中にできること】まず、業務を止められないシステムと担当者・連絡先を1枚に整理し、停止時に誰が判断するかを決めてください。次に、バックアップの保存場所と復元手順を担当者に口頭で説明させ、説明できない箇所を洗い出します。最後に、障害時の社内周知文面をテンプレート化し、代替サイトや問い合わせ先を含めてすぐ配信できる状態にします。