ブランド品の偽造レシートを生成するジェネレーターで詐欺横行か―Group-IBレポート

 有名なファッションブランドへのサイバー攻撃が今月、ニュースになりましたが、脅威インテリジェンスGroup-IBの最近のレポートによると有名ブランドのレシートを偽造する生成ツールを使った詐欺が横行しているようです。

サブスクリプションベース、SNS使って宣伝

 Group-IBによると、有名ブランドの偽造領収書を生成するサブスクリプションベースのジェネレーターがあり、界隈ではよく知られている犯罪ツールになっているようです。このサービスを利用すると21を越える有名ブランドのアメリカ、イギリス、EU向けの領収書を偽造することができ、カスタマイズも可能でローカライズされているということです。このサービスはYouTubeやTikTok、X、Instagramなどのソーシャルネットワークのアカウントで公然とPRされてきて、偽造された領収書は盗難品や偽造品を真正な商品と見せかけて販売する詐欺で使われているということです。

 Group-IBによると、この詐欺は特にTikTokで頻繁に行われているということです。TikTokは「プラットフォーム上での偽造品の販売・取引・勧誘を許可していません」としていて、偽造品を販売または宣伝するコンテンツは削除され、アカウントに対して強制措置が取られる可能性があるとしています。TikTokは動画を共有するプラットフォームにとどまらず、ブランドとクリエーターをつなぐプラットフォームやTikTok内で商品の宣伝から販売まで行えるショッププラットフォームなど複数のプラットフォームを備えたSNSで、こうしたプラットフォーム上での偽造品の販売・取引・勧誘は禁止されているものの詐欺師たちはTikTokの機能を悪用して偽造品や盗難品を真正なブランド品に見せかけてPRして販売しているようです。そして、被害者に真正なブランド品と思い込ませるツールとしてレシートジェネレーターがあるということです。

商標法や不正競争防止法違反にも問われる

 Group-IBは、再販業者や非公式プラットフォームを通じてブランド品を購入する場合は注意するように呼びかけています。また、領収書にフォーマットエラー、文法上の間違い、ブランドとして一貫性があるかなどについて確認することやショップの連絡先の詳細を公式ソースと照合して確認することなどを推奨しています。現状、このレシートジェネレーターはアメリカ、ヨーロッパ向けの偽造レシートを生成しているようですが、類似のサービスがネット上で他にも確認されているということですから偽造レシートが拡大している可能性もあります。さらにTikTokのショッププラットフォームは今年6月30日から日本でもサービスが開始されたようですから、日本向けのレシートジェネレーターが登場する可能性も否定できません。

 レシートジェネレーターは人気のSNSで公然とPRされていて、容易に使用することができDiscordを通じてサポートも行われているということですから、偽造されたレシートを使うことへの不正意識を低下させるツールにもなっていたようです。しかし、このようなツールを使ってブランド品の偽物を販売した場合、日本では詐欺罪だけでなく商標法違反や不正競争防止法違反に問われることになり重大な犯罪行為に手を染めることになります。

■出典・参考

https://keijibengo-line.com/post-8008/

https://newsroom.tiktok.com/ja-jp/tiktok-shop-launch-japan

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