パソコンを使用していると「Windowsを準備しています」と表示され続けることがあります。このエラーメッセージが表示された場合、Windowsに不具合が発生している可能性が高いです。
自力で対処できることもありますが、致命的な障害が発生していることも多く、取り返しのつかない事態に発展することもあります。
この記事で正しい復旧方法・データ復元方法を知ることで、データを適切に取り戻しましょう。
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「Windowsを準備しています」が終わらないときの原因
「Windowsを準備しています」が終わらない原因は次のとおりです。
- 周辺機器の干渉
- Windows Updateによる不具合
- 内蔵ストレージ(HDD/SSD)の論理障害
- 内蔵ストレージ(HDD/SSD)の物理障害
周辺機器の干渉
外部機器の影響を受けていると「Windowsを準備しています」と表示されることがあります。この場合、その機器のドライバが、使用しているPCに対応していないか、外部機器自体が故障している可能性があります。
Windows Updateによる不具合
古いOSを使っている際、Windows Updateを行うと互換性の問題から、このエラーに陥ってしまうことがあります。また、Windowsの更新プログラムのインストールは、夜間などに行われることも多く、心当たりがないまま、このエラーに遭遇することがあります。
内蔵ストレージ(HDD/SSD)の物理障害
物理障害とは、ストレージ(HDD/SSDなど)そのものに破損が生じている状態です。主な原因は、「物理的衝撃」のほか、「HDD/SDDの経年劣化」などがあげられます。
物理障害は通電を行うだけでも、状態が悪化し、機器そのものが使えなくなる恐れがあります。そのため、この後紹介する下記対処法を行うことでも、機器の悪化につながる恐れがあります。
物理障害の症状の方、物理障害を引き起こす原因に心当たりがある方は、個人での対処ではなく、専門業者に相談・依頼するようにしましょう。
内蔵ストレージ(HDD/SSD)の論理障害
論理障害とは、ストレージ自体に問題ないものの、その中に保存されているデータやファイルが破損している状態です。主に人為的な原因で起こり、原因としては次のものがあります。
- ストレージ容量が不足している
- 強制終了によるファイル破損
- 誤ってデータを消してしまう
ただし論理障害でも物理障害でも同様に「Windowsを準備しています」と表示されることがあります。身に覚えのない状態で、原因を特定するのが困難である、ないし重要なデータ・書類が入っている場合は、症状から自己判断せずに、専門業者に相談・依頼することをおすすめします。
「Windowsを準備しています」が終わらないときの注意点
電源のオンオフを繰り返さない
HDDにとって最も負荷が高い作業が電源のオンオフです。故障状態でオンオフを繰り返すと、必要なデータが上書きされたり、あるいは機器が物理的に破損してしまう可能性があります。HDDが故障している、もしくはそれが疑われる状態では、電源を何度もオンオフしないようにしましょう。
安易に強制終了や再起動、電源のON/OFFを行ってしまうと、さらなる障害の悪化(論理障害)を生み出してしまい、PCの使用やデータ復旧が二度とできなくなってしまう恐れがあります。
障害を自己判断しない
論理障害と物理障害は原因が異なるため、障害が発生した際の対処も異なります。しかし、どちらの障害にもブルースクリーンになる可能性はあり、また、2つの障害は症状が似通っていることがあるため、自己判断をしてしまうと、却って状態を悪化させる可能性があります。
大切なデータを安全に復旧するためには、速やかに電源をOFFにし、データ復旧ソフトの使用は控えて、専門業者に相談しましょう。
「Windowsを準備しています」が終わらないときの対処法
「Windowsを準備しています」が終わらないときの対処法は次のとおりです。
- しばらく放置する
- 周辺機器を取り外す
- BIOSの設定をデフォルトに戻す
- トラブルシューティングを使用する
- 専門業者に依頼する
しばらく放置する
まずはPCをしばらく放置しましょう。単にPCのスペック不足の場合もあります。アクセスランプが点灯している場合には、Windowsの処理は進行しています。
周辺機器を取り外す
PCに接続されているドライバ(マウスや外付け機器など)が原因で、ブルースクリーンが発生している場合、周辺機器を外すことで解決する可能性があります。
下記の入力機器がPCに接続されていたら、取り外すようにしましょう。
- マウス
- キーボード
- 外付けHDD・USBメモリ・SDカード
- プリンター
- ディスプレイ
周辺機器が原因だった場合、接続していたデバイスのドライバーに問題が起きていることが考えられます。ドライバーのアップデートやBIOSの設定を確認しましょう。
BIOSの設定をデフォルトに戻す
BIOSとは、パソコンのデバイスをコントロールする、最も基本的なプログラムです。パソコンは起動すると、最初にBIOSを読み込みます。そのため、ここに異常があるとwindowsは正常に起動しません。
BIOSの異常が原因で、パソコンが起動しない場合は、ここをデフォルトに戻すことで、OSは正常に起動するようになります。
BIOSの設定のデフォルトに戻す手順は、基本的に以下の通りです。
- 起動後、「F2キー」を押し、BIOSを呼び出す。
- BIOS セットアップ ユーティリティを起動する。
- [ファイル] → [デフォルト値に設定して終了] を選択し、「Enterキー」を押す。
- [デフォルト値に設定して終了]が表示されるので、「F10 キー」(はい)を押す。
Windowsのトラブルシューティングを使用する
Windowsには、トラブルシューティングという対処法があります。トラブルシューティングは、論理障害や再起動を繰り返す(ブルースクリーンの)の場合の対処法として有効です。
下記を実行することによって、以前の正常な状態に戻すことが出来る可能性があります。
- スタートアップ修復
- セーフモード起動
- システムの復元
- 初期状態に戻す
トラブルシューティングの開き方は以下の通りです。
- Windows回復環境を起動させる。
- オプションの選択画面から、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」を開く。
スタートアップ修復
スタートアップ修復とは、Windowsが正常に起動できない際に、自動で修復を行う機能で、パソコン(PC)が2回続けて正常に起動しなかった時に表示されます。
また、スタートアップ修復で対応できるものは「MBR(マスターブートレコード)」や「起動時に必要なシステムファイル」などのソフトウェアに起因するトラブルのうち軽度症状のみです。ハードウェアのトラブルに対応することはできません。
システム復元
「システムの復元」とは、PCのシステムを以前保存した復元ポイントにまで戻す仕組みです。ただし「システムの復元」を実行すると、復元ポイント(バックアップを作成した時点)以降に保存したデータは、すべて削除される恐れがあります。
- Windows回復環境を起動させる。
- オプションの選択画面から、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「システムの復元」の順に選択する。
ただし、システム復元では、データを復元することは出来ません。あくまでもシステムを復元し、変更された設定などを差し戻すための機能です。
セーフモード
「セーフモード」では、必要最低限のシステム環境を確保することで、通常モードでは起動できない場合でも起動することが出来ます。
ただし、セーフモードは、スタートアップ復旧が失敗してしまったときの臨時的な手法であり、たとえセーフモードで起動できたとしても、パソコンに問題があることは変わりません。もしパソコンを安全に使うには、新しくパソコンを買い替える必要があります。
セーフモードの開き方を解説します。
- 「詳細オプション」内の「スタートアップ設定」を選択しましょう。
- 「スタートアップ設定」内の「4)セーフモードを有効にする」または「5)セーフモードとネットワークを有効にする」を選択しましょう。
セーフモードで開けなかった場合
起動に時間が異常にかかったり、正常に起動しない場合は、Windowsそのものに問題があると考えられます。
この場合、内蔵HDD/SSDに異常をきたしている恐れがあります。原因が深刻な場合、修復・データ復旧ともに個人での対処は困難です。もし「機器を元通りに使用する」または「データ復旧」を行いたい場合は、専門業者まで対応を依頼することをおすすめします。
初期状態に戻す
上記の3つの対処をしても修復できない場合、最後の自身で行える手段として「初期化」があります。ただし、パソコンを初期化した場合、まっさらな状態に戻すので中にあるデータは全て消えてしまいます。
バックアップをすでに取っており、「データは不要で、パソコンが使えるようになれば問題ない」という方は初期化を試してみてもよいでしょう。
専門業者に依頼する
不確定な方法でデータの救出や修復作業を行おうとすると、復旧の難易度を上げてしまったり、最悪の場合、復旧不可能になる場合があります。適切な復旧・修復を行うには専門の業者に相談しましょう。
(1) データ不要な場合
データ不要で、パソコンを使用できる状態に戻したい方は、パソコンメーカーの修理サービスへ依頼しましょう。保証期間内であれば無料もしくは格安で部品交換を行うことが出来ます。
ただし、修理を行う際に新しい部品やHDDに交換されるため、保存データの初期化や削除が行われる場合があります。保存データを取り戻したい場合は、メーカーや修理業者に依頼することは避けましょう。
(2) データが必要な場合
故障したパソコンのデータ内に、大切なフォルダがあったり重要な書類などがある場合は、データ復旧サービスを利用するのが、最も安全かつ効果的な手段です。
確実にデータ復旧する方法としては、故障原因を正確に診断でき、復旧率が高く、実績を持っているデータ復旧の専門業者に相談することがおすすめです。
専門業者であれば機器を診断して、症状に応じた適切な対処が可能です。
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まとめ
この記事では、「Windowsを準備しています」が終わらない原因や対処法について紹介しました。
「Windowsを準備しています」が終わらない場合、むやみに強制終了や再起動を何度も行ってしまうと、さらなる障害の悪化を招くことがあります。今回の対処法を行っても解決しなかった場合には、データの要不要に応じて、なるべく早めに専門業者へ相談するようにしましょう。