企業のWebサイトや業務システムの中核を担う「サーバー」は、今やサイバー攻撃の格好の標的です。中でも「不正アクセス」は、外部からの侵入によってデータが改ざん・漏洩・削除される重大なインシデントにつながる危険性をはらんでいます。
攻撃者は、脆弱なサーバー設定や古いソフトウェア、使い回しのパスワードなどを突いて侵入し、被害が表面化した頃にはすでに情報が抜き取られていることも珍しくありません。
本記事では、サーバーが不正アクセスを受ける主な原因や、被害時の適切な対処法、そして再発防止に役立つ実践的な対策までを、わかりやすく解説していきます。企業担当者や技術者の方は、日々の運用にぜひお役立てください。
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サーバーが不正アクセスの標的として狙われる理由
サーバーは、Webサイトやデータベース、社内システムなどのあらゆる情報の集約地点であり、攻撃者にとって非常に魅力的な標的です。特に、公開されたWebサーバーはインターネットから常時アクセス可能なため、外部からの侵入が試みられやすい環境にあります。
さらに、OSやソフトウェアの脆弱性、初期設定のまま放置されたパーミッション、不用意に開放されたポートなどが「攻撃の入口」となります。その他にもID・パスワードの使い回しや、アカウント管理の甘さもリスク要因です。
サーバーを乗っ取られると、情報の窃取やWebサイトの改ざん、スパムの踏み台利用など、さまざまな悪用が可能になります。だからこそ、サーバー管理者は常に“狙われている”意識を持つ必要があります。
サーバーが不正アクセスを受けた場合の対処法
サーバーが不正アクセスを受けた可能性がある場合、迅速な初動対応が被害拡大を防ぐ鍵になります。以下では、具体的な対応手順を段階ごとに解説します。
- ログイン情報の速やかな変更
- ログの保存
- サーバー・サイトの一時停止
- 専門家に相談する
ログイン情報の速やかな変更
不正アクセスが疑われた場合は、まず該当サーバーや関連システムの管理アカウント・FTP・データベース・CMSなどのログイン情報を直ちに変更しましょう。同じ認証情報を他のサービスで使用していた場合は、すべて見直す必要があります。
管理者権限を乗っ取られていた場合、攻撃者がバックドア(裏口)を設置している可能性もあるため、ただ変更するだけでなく、アクセスログを確認し、不審な操作がないかも併せて調査しましょう。
ログの保存
証拠保全の観点から、サーバーのアクセスログ・エラーログ・FTPログなどを保存・保護することが重要です。攻撃の手口や侵入経路を特定するには、ログ解析が不可欠です。
一部のサーバーでは一定期間でログが自動削除される設定になっている場合があるため、不正アクセスの疑いがある時点で、該当ログのコピーを確保しておきましょう。フォレンジック調査を依頼する場合も、これらのログが決定的な証拠になります。
サーバー・サイトの一時停止
被害の拡大を防ぐために、必要に応じてWebサイトやサーバーの一時停止を判断することも重要です。とくに、改ざんされたページが公開され続けていたり、スパムやウイルスの拡散元になっているような場合は、早急にサービスを停止し、被害範囲を封じ込めましょう。
一時停止による影響はありますが、被害を最小限に食い止め、信頼を守るための有効な手段です。停止と同時に、復旧までの目安や状況報告をユーザーに適切に伝える対応も求められます。
専門家に相談する
被害状況が深刻な場合や、原因が特定できない場合は、サイバーセキュリティの専門家やフォレンジック調査会社への相談を検討しましょう。専門業者は、不正アクセスの経路やマルウェアの有無、情報漏洩の有無などを技術的に解析し、再発防止に向けたアドバイスや復旧支援も行ってくれます。
社内だけで対応しようとすると、判断の遅れや対応ミスにより被害が拡大する恐れがあります。初動段階から専門家と連携することで、被害範囲を明確にし、スムーズな復旧と信頼回復が可能になります。
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サーバーの不正アクセス対策の基本とポイント
不正アクセスの被害を防ぐには、被害後の対応だけでなく日頃からの予防対策が欠かせません。以下では、サーバーを守るために実践すべき基本的なセキュリティ対策を具体的に解説します。
- ソフトウェア・OSの最新化とパッチ適用
- パーミッション設定と使わないアカウントの削除
- アクセス権限の厳格な管理
- 強力なパスワードと二段階認証の導入
- ファイアウォール・IDS/IPS・WAFの導入
- ログの保存・監視と不審アクセスの早期発見
- 社内セキュリティ教育の徹底
ソフトウェア・OSの最新化とパッチ適用
サーバーに導入されているOSやCMS、ミドルウェア、プラグインなどのソフトウェアには、日々新たな脆弱性が発見されます。古いバージョンのまま放置していると、既知の脆弱性を悪用されて不正アクセスされるリスクが高まります。
とくにWordPressやPHPなどのバージョンが古い場合、攻撃者に自動的に狙われることもあります。セキュリティアップデートやパッチが公開されたら速やかに適用し、「最新版を維持する」ことが基本です。また、使っていないソフトは削除し、攻撃対象を減らすことも効果的です。
パーミッション設定と使わないアカウントの削除
サーバー内のファイルやフォルダには、誰がどのようにアクセスできるかを制御する「パーミッション(権限)」があります。これが適切でないと、攻撃者が管理画面に侵入したり、悪意のあるファイルを設置することが可能になります。
特に「777」などのフルアクセス状態は危険です。最低限必要な権限のみを与え、公開ディレクトリの書き込み制限を行いましょう。
また、開発時に作ったテスト用アカウントや、退職者の管理アカウントなど、使用されていないアカウントを放置することも重大なリスクです。定期的なアカウントの棚卸しと削除を徹底しましょう。
アクセス権限の厳格な管理
全員がすべてのサーバー領域や設定にアクセスできる状態は非常に危険です。アクセス権限は「最小権限の原則」に基づき、担当業務に応じた最小限の操作だけができるように設定することが鉄則です。
たとえば、外部の制作会社に一時的なアクセス権を与えたまま放置する、複数人で同じ管理者IDを共有するといった運用は避けるべきです。誰が・いつ・どこにアクセスしたかを可視化し、不要な権限をすぐに解除できる管理体制を整えることが、不正アクセス防止につながります。
強力なパスワードと二段階認証の導入
単純なパスワードは、パスワードリスト攻撃や総当たり攻撃(ブルートフォース)の格好の標的です。「英数字・記号を組み合わせた12桁以上の強力なパスワード」を設定し、定期的に変更することが基本です。
さらに、不正アクセスの大きな抑止力となるのが「二段階認証(2FA)」です。IDとパスワードに加えて、スマホアプリやメールによるワンタイム認証を組み合わせることで、たとえパスワードが漏洩しても突破を防ぐことができます。
特に、サーバーの管理画面やCMSのログイン画面には、必ず二段階認証を導入しましょう。
ファイアウォール・IDS/IPS・WAFの導入
サーバーを不正アクセスから守るには、ネットワークレベルでの防御体制を整えることが重要です。ファイアウォールは、不要な通信や特定のIPアドレスからの接続を遮断し、外部からの侵入を防ぎます。IDS(侵入検知システム)は、サーバーへの異常なアクセスや攻撃の兆候を検出し、管理者に警告します。
さらに、IPS(侵入防御システム)はその検知に基づいてリアルタイムで攻撃を遮断します。WAF(Webアプリケーションファイアウォール)は、Webサイトを狙ったSQLインジェクションやXSSといった攻撃を防ぐ専用の防御手段です。これらの仕組みを組み合わせて多層的な対策を講じることで、サーバーの安全性を大きく高めることができます。
ログの保存・監視と不審アクセスの早期発見
不正アクセスの兆候は、アクセスログやエラーログに現れます。定期的にログを確認し、普段と異なるIPアドレスや深夜のログイン試行、短時間での連続アクセスなど、不審な挙動を早期に察知できる体制を整えましょう。
また、監視ツールや通知設定を活用すれば、リアルタイムで異常に気づくことができます。ログは一定期間保管し、万が一の調査や証拠保全にも備えましょう。攻撃は予兆から始まることが多いため、「見える化」と「即時対応」が防御の要です。
社内セキュリティ教育の徹底
サーバー管理の強化と並行して、社内のセキュリティ意識向上も不可欠です。たとえ技術的な対策を整えていても、パスワードの使い回しや不審なメールの開封など、人的ミスから侵入されるケースは後を絶ちません。
職員や関係者に対し、「パスワード管理」「フィッシング対策」「情報持ち出しの禁止」など基本的なセキュリティ教育を継続的に実施しましょう。
また、セキュリティポリシーや緊急対応マニュアルを明文化し、全社員が同じ基準で動ける体制を整えることが、サーバーを守る土台となります。
まとめ
不正アクセスは、サーバーの情報資産や企業の信頼を脅かす重大なリスクです。攻撃者は脆弱性や設定ミスを狙い、巧妙な手口で侵入を図ります。被害の対策には、OSやソフトの最新化、アクセス権限の適切な管理、ログ監視など基本対策の徹底が不可欠です。
万が一サーバーが不正アクセスを受けた場合は、専門家による調査を受けることで、不正アクセスの経路やマルウェアの有無、情報漏洩の有無などを明らかにし、報告書として法的活用やセキュリティ対策に役立つ形でまとめてもらえることがあります。