サイバー攻撃で損害が出たら?賠償から保険まで解説

近年、企業を狙ったサイバー攻撃が巧妙化・悪質化し、個人情報の漏えいや業務停止によって多額の損害が発生するケースが増えています。被害発生時には、復旧や損害賠償に加え、原因調査、法的対応、保険による補償など、冷静かつ迅速な対応が求められます。

本記事では、サイバー攻撃によって損害が発生した場合に必要となる対応や損害賠償の考え方、保険の活用法まで解説します。

被害に遭った際には、専門知識を持つフォレンジック調査会社への相談しましょう。

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サイバー攻撃による損害賠償の基本概要

サイバー攻撃を受けた企業や個人が被る損害は、システムの停止やデータの漏えいにとどまらず、業務の中断、顧客や取引先への対応費用、風評被害など多岐にわたります。これらの損害に対する賠償請求や補償の仕組みは複雑であり、誰に・何を・どこまで請求できるのかは、被害の内容や関係者の契約関係によって大きく異なります。

サイバー攻撃による主な損害は以下の3つに大別されます。 

  1. 費用に関わる損害
  2. 賠償金に関わる損害
  3. 利益の減少による損害

費用に関わる損害

サイバー攻撃に見舞われた際には、直接的な被害額に加え、対応に必要なさまざまな費用が企業に重くのしかかります。代表的な費用項目としては以下のようなものがあります。

  • セキュリティ会社やフォレンジック調査業者への外注コスト
  • 被害者や取引先への通知文・謝罪文の作成および送付にかかる費用
  • 社内対応に関わった従業員の時間外労働手当や移動・宿泊費など
  • 攻撃によって損なわれたシステムの復旧や再構築に要するコスト
  • 問い合わせ対応用コールセンターの設置・運営に関する費用
  • 記者会見やメディア対応を行うための広報活動費
  • 弁護士への相談料や損害賠償に向けた法的手続き関連の費用

これらの費用は一つひとつが高額となることも多く、企業経営に大きな影響を与えるため、平時からの予防措置が非常に重要です。

賠償金に関わる損害

サイバー攻撃によって発生し得る賠償関連の損害には、以下のような項目が含まれます。

  • 顧客や取引先の個人情報が漏えいしたことによる慰謝料を含む損害賠償請求
  • 業務委託先やパートナー企業の機密情報が流出したことに起因する契約違反による損害賠償責任
  • サービス停止や納品遅延が原因で発生する違約金や納入遅延に対する損害賠償金

これらの賠償リスクは、単なる金銭的損失にとどまらず、企業の信用低下や取引関係の悪化を引き起こす深刻な影響を及ぼします。

利益の減少による損害

サイバー攻撃によって企業が被る利益減少の損害には、以下のようなケースが想定されます。

  • システム障害やサービス停止により、販売機会を逸失し一時的に収益が落ち込む
  • 攻撃をきっかけに既存取引先から契約を打ち切られ、継続的な収入が途絶える
  • 風評被害や信用低下によって新規の商談・契約獲得が困難になり、将来的な収益機会が縮小する

このように、サイバー攻撃は短期的な売上減少だけでなく、中長期的な利益構造にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。

損害賠償請求の現状と実態

現在、多くの企業がサイバー攻撃に伴う損害賠償請求の増加に直面しており、実際に支払われる金額や訴訟件数は年々拡大しています。

以下では、代表的な3つの損害賠償請求パターンについて説明します。

  1. 攻撃者に対する請求
  2. 外部事業者に対する請求
  3. 第三者からの損害賠償請求

攻撃者に対する請求

攻撃者に対する損害賠償請求は、加害者が特定できれば法的には可能ですが、実際にはVPNや中継サーバーを経由した攻撃が多く、加害者の特定は非常に難しいのが現実です。仮に特定できたとしても、相手に資産がなかったり、海外にいることで回収が困難な場合も少なくありません。

そのため、損害賠償の請求が実際に行われるのは、内部不正や犯行を自ら認めたような、ごく限られたケースにとどまります。

外部事業者に対する請求

外部事業者に対する請求を行うためには、以下の各点を立証する必要があります。

  • 当該事業者との間に有効な契約が存在していること
  • 契約条項または業務上の義務に違反した事実があること
  • その違反に起因して損害が発生したこと
  • 損害と違反行為との間に因果関係が認められること

これらは契約書・業務記録・通信履歴・エラーログ等の客観的かつ具体的な証拠に基づいて立証する必要があります。

第三者からの損害賠償請求

情報漏えいにより氏名や住所、連絡先などの個人情報が流出した場合、被害を受けた顧客や取引先から損害賠償請求を受けることがあり、一般的には1人あたり1,000円から5,000円程度の賠償が認められるケースが多いものの、流出した情報が悪用されて詐欺被害やなりすましなどの二次被害が発生した場合には、1人あたり3万円を超える損害賠償が認められた判例もあります。

損害額の実例

ショッピングサイトにおいて、顧客の氏名・住所・連絡先・購入履歴などの個人情報が漏えいし、一定期間にわたってサイトを閉鎖した場合、企業には極めて大きな損害が発生する恐れがあります。

内訳は以下のとおりです。

  • 損害賠償金・訴訟費用
    顧客や取引先への損害賠償、訴訟対応などにかかる費用。
  • 逸失利益(サイト停止による機会損失)
    サイト閉鎖中の売上機会の喪失や取引停止による経済的損失。
  • 事故原因の調査費用
    漏えいの原因を特定し、再発防止策を検討するための技術的・専門的な調査費用。
  • 顧客対応費用(コールセンター設置・通知対応等)
    謝罪通知の送付、問い合わせ対応窓口の設置、FAQ対応など、顧客への対応に伴う費用。
  • システム再構築費用
    セキュリティ強化やシステムの修正・改修にかかる費用。
  • 法律相談費用
    法的対応や方針決定に必要な弁護士等専門家への相談費用。

このように、個人情報の漏えいが発生した場合、損害は多岐にわたり、企業にとって極めて大きな経済的負担となります。単に一部の費用にとどまらず、賠償金、業務停止、調査・復旧など、複数の分野にわたって広範な影響が及ぶのが実態です。

損害賠償リスクへの備え

個人情報の漏えいやシステム障害など、サイバー攻撃によって損害賠償請求を受けるリスクは、企業にとって非常に大きな負担となります。リスクに備える手段として有効なのが、サイバーリスク保険の活用です。

サイバーリスク保険では、以下のような費用が補償の対象となる場合があります。

  • 損害賠償金(慰謝料や和解金など)
  • 訴訟対応にかかる費用(弁護士費用や裁判費用など)
  • 営業損失(売上機会の逸失による損害など)
  • セキュリティ会社やフォレンジック調査会社など、外部専門業者への対応委託費
  • コールセンターの設置・運営にかかる費用
  • 記者会見や広報対応に伴う費用
  • 再発防止策の立案および実施にかかる費用

上記のように、サイバーリスク保険を活用することで、万が一被害が発生した際の経済的負担を大きく軽減することができます。企業にとって、平時からの備えとして検討すべき重要な対策のひとつです。

まとめ

サイバー攻撃による損害賠償は、復旧費用や第三者への賠償金、逸失利益など多岐にわたり、被害額が数千万円から数億円に及ぶこともあります。攻撃者への請求が困難なため、外部事業者への責任追及やサイバー保険による補償が現実的な回復手段となり、特に原因の特定や責任の明確化、訴訟や保険請求の裏付けなどは、フォレンジック調査会社の活用がおすすめです。

企業はリスク管理の一環として、調査体制の整備と損害発生時の対応計画、保険加入の検討を欠かせません。

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