外付けHDDやUSBメモリなどを接続した際、「存在しないデバイスを指定しました」というエラーが表示され、正常に認識されないことがあります。このエラーは、単なる接続不良から物理故障、システムやドライバの問題までさまざまな原因が考えられます。この記事では、主な原因とその対処法を順を追ってわかりやすく解説します。
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「存在しないデバイスを指定しました」エラーの主な原因
このエラーは、接続されたデバイスがシステム上で適切に認識されていない状態を示します。トラブルの根本原因を見極めることが、適切な対応の第一歩です。
物理的な接続不良・断線・端子劣化
USBケーブルやSATAケーブルの緩みや断線、USBポートの接点不良など、物理的な問題が原因でデバイスが検出されないことがあります。USBハブを経由した場合にも通信不良が起きることがあります。
ドライバ・OSの不具合・未インストール
デバイスドライバの破損、未インストール、またはWindowsアップデートによる不具合などが原因で、認識エラーが発生することもあります。
ファイルシステム／論理障害、ドライブレター競合
ファイルシステムがRAW化していたり、ドライブレターが他のデバイスと競合していると、エクスプローラーでの表示やアクセスができなくなります。
アクセス権限の不足
管理者権限で実行されていない場合や、セキュリティ設定によってアクセスが制限されていると、認識できても使用できないケースがあります。
マザーボード・コントローラの故障/設定不備
稀にマザーボードのUSBコントローラやSATAポート側に不具合があることで、デバイスが正常に動作しないこともあります。
デバイス本体の物理故障／電力供給不足
外付けHDDやSSDの本体が落下によって損傷していたり、長期間の使用による劣化で故障している場合、正常に認識されなくなることがあります。また、バスパワー方式（USBポートから電力を供給する仕組み）の外部機器では、電力不足が原因で起動できないケースもあります。
このようなトラブルを放置すると、データへのアクセスが不安定になるだけでなく、完全に読み取れなくなる恐れがあります。大切なデータを守るためには、早めの確認と適切な対応が重要です。
自力で修復する場合のリスク
自力で破損を修復しようとすると、誤った操作により状態が悪化し、復旧が困難になるリスクがあります。データ構造は非常に複雑で、知識がないまま操作すると、ファイルシステムがさらに破損したり、必要なデータが上書きされてしまうこともあります。適切な手順を踏まずに復元ソフトなどを使用すると、取り返しのつかないデータ損失につながる可能性もあるため、慎重な対応が求められます。
▶ 誤った操作でファイル構造を壊してしまう
▶ 不適切な復元処理でデータが上書きされてしまう
▶ 専門知識がないまま対応し状態を悪化させてしまう
ストレージデバイスの自力での修復は非常に難しく、誤った方法で作業を進めると、データが完全に失われるリスクがあります。安全にデータを復旧させたい場合、データ復旧業者に依頼することが確実です。編集部が厳選したおすすめ業者は下記のボタンからご参照ください。
「存在しないデバイスを指定しました」エラーの対処法
原因を切り分けながら、以下の方法を段階的に試すことで、多くのケースで問題を解決できます。
接続状況・ケーブル・ポートの確認／再接続
最初に行うべきは、物理的な接続の見直しです。単純な抜けや緩み、ケーブル劣化でエラーが発生することもあります。
接続状態を確認する手順
- USBケーブルやSATAケーブルを一度抜き、しっかり差し直す
- 他のUSBポートまたはPCに接続してみる
- USBハブではなくPC本体に直接接続する
電力供給の強化／ACアダプタ・セルフパワーハブ利用
バスパワー方式の外付けHDDやSSDの場合、電力不足が原因で認識されないことがあります。セルフパワー型のUSBハブやACアダプターを使用することで改善することがあります。
電力供給を安定させる手順
- 不要なUSB機器をすべて外す
- セルフパワー型USBハブや外部電源付きのアダプタを使用
- 電源安定後にデバイスを再接続して確認
ドライバ更新・再インストール／デバイスマネージャー確認
ドライバの不具合や互換性エラーは、デバイスマネージャーからの更新・再インストールで対応できます。
ドライバを更新・再インストールする手順
- スタートメニューで「デバイスマネージャー」を開く
- 対象デバイスを右クリック→「ドライバーの更新」
- または「デバイスのアンインストール」を選択し、PCを再起動
- 再接続してデバイスが正しく認識されるか確認
ファイルシステム・ドライブレターの修正／管理者権限実行
ディスクの管理画面から、ドライブレターの変更や、RAW状態の確認・修復を行います。データが必要な場合は復旧ソフトや専門業者の活用も視野に入れましょう。
ディスクの管理で設定を確認する手順
- 「diskmgmt.msc」を実行してディスクの管理を開く
- 該当のデバイスが「RAW」や「未割り当て」になっていないか確認
- ドライブレターが他と重複していれば別の文字に変更
- アクセスエラーが続く場合は、管理者権限でコマンド等を実行
PCの再起動・一時ファイルのクリア
Windowsの一時的な不具合やキャッシュにより発生するエラーは、PCを再起動するだけで解消されることもあります。
再起動で確認する手順
- すべてのアプリケーションを終了し、PCを再起動
- 再起動後、デバイスを再接続
- エラーが出るか再確認
専門業者に相談する
ここまでの対処法を試しても改善できなかった場合、機器に重大なエラーや物理的な故障が生じている可能性が高いです。この場合、続けて使用すると損傷がひどくなり、復旧できなくなる可能性があります。さらに、自力で分解したり復旧作業を行うのも状態が悪化するケースが多いです。少しでもデータを失いたくない方は速やかに専門業者に相談することをおすすめします。
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まとめ
ストレージ機器に物理障害が発生している状態で、むやみに通電や再起動、フリーソフトの使用、分解などを行うと、状況が悪化し、復旧の難易度が大きく上がることがあります。特にHDDやSSDは精密機器であり、ちょっとした刺激や誤操作でも内部パーツが傷ついたり、データが上書きされたりして、最終的に復旧不可能になるリスクもあります。誤った対処で大切なデータを失ってしまう前に、まずは専門業者への相談をおすすめします。