【CVE-2025-40364】Linuxにある脆弱性

【CVE-2025-40364】脆弱性はLinuxカーネルのio_uringサブシステムのバッファ取込み処理に関するバグで、メモリリークが起こる可能性のある脆弱性です。

主にLinuxカーネル(kernel)で確認されており、脆弱性へサイバー攻撃をされた場合は適切な対応を行うために専門業者に相談することがおすすめです。

本記事では、【CVE-2025-40364】脆弱性の深刻度・影響を受けるシステムとベンダー情報・想定される被害と対策まで解説します。

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【CVE-2025-40364】脆弱性の概要

【CVE-2025-40364】脆弱性は、2025年4月18日に NVD に公表された Linux カーネルの脆弱性です。

Linuxカーネルとは、Linuxオペレーティングシステム(OS)の中核をなすソフトウェアであり、コンピューターのハードウェア(CPU、メモリ、ディスクなど)とアプリケーションソフトの間のインターフェースとして機能します。攻撃者の影響を受けるのは io_uring サブシステムの io_req_prep_async() 関数です。

現在、Linux カーネルには修正版が提供されており、最新の更新を適用することでこの問題は解消されます。しかし、修正版を適用していなかった場合、攻撃者にバッファをインポートされ、後に処理を正しく保持せず、再度バッファをインポートしてしまう不具合が発生する可能性があります。

出典:NVD

【CVE-2025-40364】CVSS による深刻度「低」

【CVE-2025-40364】CVSS による深刻度は以下の通りです。

CVSS 3.1 評価指標

提供元Base Score深刻度Vector
Amazon Linux3.3LOW(低)CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:L

Vector Breakdown(各要素の意味)

項目意味
AV(Attack Vector)L(Local)ローカル環境でしか攻撃できない(物理 or ログイン済)
AC(Attack Complexity)L(Low)攻撃は簡単
PR(Privileges Required)L(Low)一部の権限(非rootなど)は必要
UI(User Interaction)N(None)ユーザー操作は不要
S(Scope)U(Unchanged)権限スコープ内で完結
C(Confidentiality)N(None)機密情報の影響なし
I(Integrity)N(None)改ざんの影響なし
A(Availability)L(Low)軽度なサービス停止の可能性あり(DoSなど)

出典:Amazon Linux security senter

【CVE-2025-40364】脆弱性に影響を受ける製品とベンダー情報

【CVE-2025-40364】脆弱性に影響を受ける製品とベンダー情報は以下の通りです。

ベンダー(Vendor)製品(Product)バージョン(Version)
Linux Kernel (kernel.org)Linux Kernel5.19
Red HatRHEL (Red Hat Enterprise Linux)RHEL 9・10
AmazonAmazon Linux 2023

【CVE-2025-40364】脆弱性で想定される被害

【CVE-2025-40364】脆弱性で想定される被害は以下の通りです。

Webサイトのシステムを制御される

攻撃者が【CVE-2025-40364】脆弱性を悪用すると、ローカル権限からカーネル権限への昇格(特権昇格)が起こる可能性があります。

結果、サーバー上で動作するWebサイトのシステム全体が制御され、コードの実行、ファイル操作、サービスの停止、バックドアの設置など、あらゆる操作を行われる恐れがあります。

Webサーバーが【CVE-2025-40364】脆弱性が残っているカーネル上で動作している場合、深刻な場合は、攻撃者によって完全に乗っ取られるリスクがあります。

システムリソースを圧迫される

攻撃者が【CVE-2025-40364】脆弱性を悪用すると、大量のリクエストを投げることで、CPUやメモリなどのリソースを圧迫し、I/O遅延やプロセスの停止、最悪カーネルパニックに至る可能性があります。

深刻な場合は、DoS攻撃につながれるリスクが高く、カーネルアップデートと監視強化が推奨されます。

ログに含まれる認証情報・機密情報の漏洩

攻撃が成立した場合、盗まれたログを通じて、通信の内容や構成情報、接続履歴など、攻撃者に重要な情報が不正に取得される可能性があります。

特に認証情報や個人データ、設定ファイル内の機密パラメータなどの個人情報が漏洩した際には、組織の信用や事業継続性に多大な影響を及ぼす恐れがあります。

個人情報漏洩への対処法については以下の記事で解説します。

>>個人情報漏洩対策とは?2024年の法改正を踏まえて紹介

他サイバー攻撃への踏み台

侵害された機器やサーバーは、他組織や他国へのサイバー攻撃の中継点として悪用される可能性があります。踏み台にされたことによって、組織が攻撃の発信源と誤認され、被害や調査対応に追われる事態へ発展する恐れもあります。

上記のように脆弱性を突くサイバー攻撃を受けると深刻な被害につながる恐れがあります。自力では不十分な対応になる可能性が高いため、脆弱性を突くサイバー攻撃を受けた場合は専門業者に相談してください。

【CVE-2025-40364】脆弱性への対策

【CVE-2025-40364】脆弱性への有効な対策は以下の通りです。

  • 脆弱性の修正が含まれる最新版カーネル(例:6.10以降)に速やかにアップデートする。
  • 不要であれば io_uring 機能を無効化するか、制限付きでのみ使用できるよう構成する。
  • ローカルユーザーのアクセス権限を最小化し、不要なユーザーアカウントを削除する。
  • WAFやHIDSなどのセキュリティ製品で異常なシステムコールやI/O挙動を検知する設定を強化する。
  • プロセスごとのCPU・メモリ・I/O使用量を監視し、不自然なリソース消費をアラートで検出する。
  • 脆弱性スキャンツール(例:OpenVAS、Lynis)を用いて影響範囲を定期的にチェックする。
  • CVE対応状況をベンダー(Red Hat、Amazon、SUSE など)のセキュリティ通知で継続的に確認する。

サイバー攻撃の恐れがある場合は専門業者に相談する。

脆弱性にサイバー攻撃をされた場合は、自己対応に限界があるため、どのような情報が漏えいしたかを正確に把握する必要がある場合には、フォレンジック調査によるデータ収集と分析が不可欠です。

フォレンジック調査でできることは以下になります。

  • 不審なリモートアクセスのログやマルウェア実行履歴の復元
  • 削除・隠蔽されたファイルの復元
  • 通信履歴・IPアドレスの追跡による攻撃元の特定
  • 漏えいした可能性のあるデータやその範囲の明確化

フォレンジック調査では、パソコンやネットワークの使用履歴、アクセスログ、不審なファイルの痕跡などを専用ツールで解析し、情報漏えいの有無や被害の全容を明らかにします。調査結果は、企業内の対応指針や法的手続きにおいても非常に重要な役割を果たします。

適切な対応で、被害を最小限に抑えるためには専門のフォレンジック調査会社に相談しましょう。

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