ランサムウェアに感染した直後、担当者は「正しい行動」を取ろうとする一方で、無意識のうちに「やってはいけない対応」をしてしまい、結果的に被害を拡大させてしまうケースは後を絶ちません。特に、再起動の実行やネットワークの遮断忘れ、さらには攻撃者との直接交渉といった初動における些細な判断ミスが、後々深刻な影響を及ぼすこともあります。
本記事では、ランサムウェア感染直後に特に避けるべき7つの対応を整理し、リスクや注意点について、わかりやすく解説します。
>>ランサムウェア感染時のおすすめ調査会社と選び方のポイントを解説
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ランサムウェア感染時に絶対にやってはいけないこと7選
ランサムウェアに感染した直後、焦りからつい取ってしまいがちな行動が、かえって被害を拡大させてしまうケースは少なくありません。
実際、誤った初動対応によって暗号化が進行したり、調査に不可欠な証拠が失われたり、ネットワークを通じて他端末に感染が拡大するなどの事例が多数報告されています。
>>【実例あり】ランサムウェア被害事例を徹底解説|感染対策とおすすめ調査会社も紹介
以下には、特に避けるべき7つのNG対応を解説します。
- 身代金を支払う
- ネットワークに接続し続ける
- 安易に再起動・シャットダウンする
- バックアップ用HDDやUSBを接続する
- 独自判断で復号ツールや怪しいソフトを使う
- 犯罪者と独自にやりとり・交渉する
- 感染の事実を隠蔽・報告を遅らせる
1. 身代金を支払う
犯人に金銭を支払っても、必ずしもデータが戻るとは限りません。実際には復号キーが届かない、届いても使えないといった事例が多く報告されています。
また一度でも支払うと、別の攻撃グループに「支払う企業」として情報が流出し、繰り返し標的にされる恐れがあります。こうしたリスクから、各国のセキュリティ機関や警察も一貫して支払いを推奨していません。
2. ネットワークから切り離さない
感染端末がLANやWi-Fiに接続されたままだと、ランサムウェアはネットワーク経由で他のPCやサーバーへ感染を広げます。これにより、被害範囲が爆発的に拡大し、最悪の場合は企業全体の業務が停止に陥ることもあります。感染が疑われた時点で物理的にネットワークから切り離すことが、被害の拡大を防ぐ鍵となります。
3. 安易に再起動・シャットダウンする
一見すると正しい行動に思える再起動やシャットダウンも、ランサムウェア感染時には非常に危険です。暗号化のトリガーが再起動に設定されているケースや、証拠となるメモリ情報・ログが消去されることがあり、調査や復旧に支障をきたすことになります。
感染を確認したら電源はそのまま保持し、ネットワークだけ切断して、対応を待つべきです。
4. バックアップ用HDDやUSBを接続する
感染した端末に外付けHDDやUSBメモリなどの外部ストレージを接続することで、ランサムウェアがそれらのデバイスにも感染・暗号化を拡大する可能性があります。バックアップファイルが暗号化されると、安全な復旧手段が失われ、被害の範囲が大きくなります。
復旧準備のつもりでストレージを接続することもありますが、感染の可能性がある状態では、いかなる周辺機器の接続も控えるべきです。
5. 独自判断で復号ツールや怪しいソフトを使う
インターネット上には「無料で復号できる」とうたうツールやスクリプトが流通していますが、それらの多くは信頼性がなく、場合によっては別のマルウェアを仕込む罠となっていることもあります。
また、暗号化されたファイルの名前を変更したり、不用意な操作を行ったことで、復旧可能だったデータが破損する例も確認されています。被害を深刻化させるため、復旧作業は専門家に一任するのが安全です。
6. 犯罪者と独自にやりとり・交渉する
「交渉すれば安く済む」「自社でやりとりすれば事態が収まるかも」と考えて、攻撃者に直接連絡を取るのは極めて危険です。送った内容から、企業の規模や対応力の弱さなどを把握され、要求金額の吊り上げや、さらなる脅迫に発展するリスクがあります。
交渉が必要な場合は、まずは警察のサイバー犯罪対策窓口や、必要に応じて弁護士・保険会社に相談するのが正しい手順です。社内で判断せず、適切な機関と連携して対応してください。
7. 感染の事実を隠蔽・報告を遅らせる
「自力で何とかしたい」という思いから、感染の事実を伏せたり報告を遅らせると、裏で感染が広がり、調査・復旧・関係者対応がすべて後手に回る恐れがあります。
また法人の場合、監督官庁や取引先、顧客への報告義務が発生することもあり、隠蔽が発覚した際の信用毀損や法的責任は非常に大きなリスクとなります。感染が判明したら、すぐに社内の担当部署や上層部と情報を共有し、適切な初動対応を開始することが重要です。
被害を最小限に抑えられるかどうかは、初動での冷静な判断と、NG行動を避けられるかにかかっています。少しでも迷う点がある場合は、早期に専門家へ相談してください。
>>ランサムウェア調査とは何か?感染経路・被害範囲・証拠保全の必要性を解説
ランサムウェアに感染した場合の対処法
ランサムウェアに感染した場合、感染を広げないための隔離対応と、証拠を残すための保全措置が最優先となります。特に法人においては、被害の全容解明や法的報告義務も発生するため、段階的かつ正確な初動対応が求められます。
以下は、感染時に取るべき代表的な対応手順です。
- ネットワークからの切断: 感染端末を社内ネットワークから隔離し、被害の拡大を防ぐ
- ログなどのデータを収集: 感染日時、ユーザー操作、通信履歴などを記録し保全
- 警察・関係機関への相談: 所轄のサイバー犯罪窓口やIPA等へ被害報告
- バックアップからのデータ復旧: 安全なバックアップを使用し、システムを初期化・復旧
- 専門調査会社への相談: 感染範囲・原因・証拠保全・報告書作成などを依頼
情報漏洩と個人情報保護法への対応
ランサムウェアは、近年「ファイル暗号化」に加え、情報窃取・リークサイトでの公開など、二重脅迫型の傾向も見られます。これにより、個人情報が外部に流出した可能性が高まります。
法人においては、2022年施行の改正個人情報保護法により、「漏えい等が発生した場合の報告義務・本人通知義務」が規定されています。感染時は速やかに、被害調査を実施し、報告対象か否かを判断する必要があります。詳細は以下の記事に参考ください。
被害調査とフォレンジック調査の重要性
ランサムウェア被害の対応では、単なる復旧(ファイル復元)だけでなく、なぜ侵入されたのか、どこまで被害が広がったのかを調査・説明する責任があります。これは社内説明、顧客・監督官庁への報告、訴訟対応のすべてに影響します。
そのため、デジタルフォレンジック調査によって「感染経路」「被害範囲」「漏洩の有無」「操作証拠」「内部不正の可能性」などを客観的に把握することが極めて重要です。また、調査会社は必要に応じて、法執行機関との連携・報告書の作成・再発防止策の策定支援などにも対応しており、内部リソースではカバーしきれない範囲を担ってくれます。
>>【解説】フォレンジック調査とは?調査の流れや専門会社を紹介
このような高度なサイバー攻撃には、社内リソースだけでは限界があります。 被害を最小限に抑えるためにも、信頼できる外部フォレンジック調査会社との連携を進めましょう。
>>フォレンジック調査会社の選び方|費用・期間・おすすめ企業を解説
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まとめ
ランサムウェア感染時の初動対応を誤ると、被害が大きく拡大してしまう恐れがあります。特に、再起動やネットワーク遮断の遅れ、攻撃者との接触などは典型的なNG行動です。
焦らず冷静に、まずはネットワークを遮断し、証拠を保持したうえで、早めに専門家へ相談しましょう。社内対応に限界を感じたら、フォレンジック調査会社などの支援を活用することが、被害を最小限に抑える一つの方法です。