狙われるFortigate機器の脆弱性とは?ランサムウェア攻撃の手口と対処法

Fortigateは企業や自治体で広く利用されるネットワーク機器ですが、近年は脆弱性を突かれた不正アクセス事例が報告されています。特にVPNや管理画面の設定不備・パッチ未適用が狙われ、内部侵入からランサムウェア攻撃に発展するリスクがあります。

この記事では、Fortigateが狙われる具体的な理由、過去のCVE(脆弱性)情報、ランサムウェア感染の手口、そして感染を防ぐための初動対応までを、専門家の視点からわかりやすく解説します。

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Fortigateを狙うランサムウェア攻撃の特徴

Fortigate(フォーティゲート)は、企業や自治体で広く利用されるUTM(統合脅威管理)製品であり、ファイアウォールやVPNなど複数のセキュリティ機能を備えています。

一方で、過去に深刻な脆弱性が複数見つかっており、攻撃者にとっては「VPNや管理機能を突破すれば内部ネットワークに侵入できる高価値ターゲット」と見なされています。

近年では、FortiOS/Fortigateの脆弱性を初期アクセスに利用し、最終的にランサムウェアを展開する攻撃事例が世界的に報告されています。国内でもLockBitやQilinなど著名なランサムウェアグループが関与したケースが確認されており、注意が必要です。

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Fortigate製品の脆弱性とは

Fortigateが狙われる大きな理由は、VPN機能やWeb管理インターフェースに関連する脆弱性が度々発見されていることです。代表的なCVEには次のようなものがあります。

  • CVE-2024-21762:SSL-VPNにおける不具合により、認証不要で特定のリクエストを処理させ、リモートコード実行に至る可能性がある深刻な欠陥。
  • CVE-2024-55591:一部バージョンのFortiOSに存在する認証回避の脆弱性。条件次第で管理者権限が取得される可能性がある。
  • CVE-2024-23113:「fgfmd」プロセスに起因する脆弱性で、細工されたリクエストにより任意コード実行を許す可能性がある。
  • CVE-2018-13379:SSL-VPN機能のパストラバーサル脆弱性。保存された認証情報を含むファイルを不正に読み取られる恐れがある。

これらの脆弱性は、影響を受けるバージョンが限定されていますが、いずれも攻撃に利用された実例が確認されています。米国CISAの「既知悪用脆弱性カタログ」にも複数が登録されており、速やかなパッチ適用が強く推奨されています。

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Fortigate脆弱性を狙う攻撃の手口

報告されている攻撃手法は段階的に進行することが多く、典型的な流れは次の通りです。

VPNやWeb管理画面の脆弱性を突いた侵入

CVE-2024-21762やCVE-2018-13379など既知の脆弱性を利用し、SSL-VPN経由やWeb管理画面から認証を回避して侵入されるケースが確認されています。

管理者権限の奪取とネットワーク横断

初期侵入に成功した攻撃者は、Fortigateの管理権限を乗っ取り、Active Directoryやファイルサーバに横展開することで被害範囲を広げます。これにより、組織全体の業務に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

ランサムウェアやバックドアの設置と恒久化

権限を掌握した攻撃者は、LockBitやQilinなどのランサムウェアを展開してファイルを暗号化するほか、恒久的なアクセス維持を目的に不正設定やバックドアを仕掛けることがあります。

ランサムウェア攻撃による主な被害

Fortigate製品の脆弱性が悪用されると、単なる端末1台の被害では済まず、ネットワーク全体に深刻な被害が及ぶケースが少なくありません。ここでは、実際に起こり得る被害の内容を6つの観点から整理します。

業務停止による経済的損失

ランサムウェアの暗号化によってファイルサーバや基幹システムが停止すると、受発注・出荷・請求・顧客対応などが完全に止まり、売上機会を逸するだけでなく契約違反や違約金発生のリスクもあります。

顧客情報や内部データの流出

攻撃者がVPN認証情報やファイル共有を通じて顧客データや業務文書を窃取するケースが報告されています。これにより、情報漏洩・個人情報保護法違反などの問題に発展する可能性があります。

>>個人情報漏洩の対策とは?2024年の法改正を踏まえて紹介

身代金支払いの強要と二重脅迫

LockBitやQilinなどのランサムウェアグループは、「暗号化+漏洩公開」の二重脅迫型攻撃を用います。データ復号のための身代金に加え、「漏らされたくなければさらに支払え」といった追撃要求も行われます。

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他システムへの攻撃拡大

Fortigate経由で侵入した攻撃者は、AD(Active Directory)やファイルサーバを乗っ取り、ラテラルムーブメント(横展開)を実行します。社内ネットワーク全体が踏み台にされ、他拠点や取引先まで波及する恐れもあります。

法的責任や公的機関への報告義務

個人情報や機密情報が漏洩した場合、個人情報保護法や各業界ガイドラインに基づき、監督官庁や被害者への報告義務が発生します。内容によっては行政処分・訴訟・賠償請求の対象にもなります。

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企業の信用・評判の毀損

ランサム被害の事実がメディアやSNSで拡散されることで、企業のブランドイメージが著しく傷つきます。顧客・取引先からの信頼を失い、取引停止・株価下落・人材流出などの二次被害が起きるケースもあります。

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ランサムウェアに感染した場合の対処法

ランサムウェアに感染した場合、感染を広げないための隔離対応と、証拠を残すための保全措置が最優先となります。特に法人においては、被害の全容解明や法的報告義務も発生するため、段階的かつ正確な初動対応が求められます。

>>ランサムウェア感染時の対処方法とは?一連の流れを解説

以下は、感染時に取るべき代表的な対応手順です。

  • ネットワークからの切断: 感染端末を社内ネットワークから隔離し、被害の拡大を防ぐ
  • ログなどのデータを収集: 感染日時、ユーザー操作、通信履歴などを記録し保全
  • 警察・関係機関への相談: 所轄のサイバー犯罪窓口やIPA等へ被害報告
  • バックアップからのデータ復旧: 安全なバックアップを使用し、システムを初期化・復旧
  • 専門調査会社への相談: 感染範囲・原因・証拠保全・報告書作成などを依頼

情報漏洩と個人情報保護法への対応

ランサムウェアは、近年「ファイル暗号化」に加え、情報窃取・リークサイトでの公開など、二重脅迫型の傾向も見られます。これにより、個人情報が外部に流出した可能性が高まります。

法人においては、2022年施行の改正個人情報保護法により、「漏えい等が発生した場合の報告義務・本人通知義務」が規定されています。感染時は速やかに、被害調査を実施し、報告対象か否かを判断する必要があります。詳細は以下の記事に参考ください。

>>個人情報保護法の概要と最新改正点の解説

被害調査とフォレンジック調査の重要性

ランサムウェア被害の対応では、単なる復旧(ファイル復元)だけでなく、なぜ侵入されたのか、どこまで被害が広がったのかを調査・説明する責任があります。これは社内説明、顧客・監督官庁への報告、訴訟対応のすべてに影響します。

そのため、デジタルフォレンジック調査によって「感染経路」「被害範囲」「漏洩の有無」「操作証拠」「内部不正の可能性」などを客観的に把握することが極めて重要です。また、調査会社は必要に応じて、法執行機関との連携・報告書の作成・再発防止策の策定支援などにも対応しており、内部リソースではカバーしきれない範囲を担ってくれます。

>>【解説】フォレンジック調査とは?調査の流れや専門会社を紹介

このような高度なサイバー攻撃には、社内リソースだけでは限界があります。 被害を最小限に抑えるためにも、信頼できる外部フォレンジック調査会社との連携を進めましょう。

>>フォレンジック調査会社の選び方|費用・期間・おすすめ企業を解説

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まとめ

FortigateのVPNや管理インターフェースに潜む脆弱性は、想定以上の速さで攻撃に悪用されることがあります。気づかないうちにランサムウェアが広がる「ステルス型攻撃」もあり、社内対応だけでは限界があるのが現実です。

フォレンジック専門会社であれば、Fortigateが侵入経路となったかどうかの調査から、操作ログや認証記録の解析、被害範囲の特定、再発防止策の立案まで一貫して対応できます。

脆弱性を放置すると証拠が消失する恐れがあるため、不安を感じた段階で外部の専門家に相談することが被害拡大防止につながります。

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