XiNランサムウェアは、拡張子「.XiN」を付加してファイルを暗号化し、企業活動やシステム運用に深刻な影響を与える新たな脅威です。2025年に入り複数の被害報告が確認されており、身代金は950米ドル相当のビットコインで要求されることが多いとされています。
本記事では、XiNランサムウェアの特徴、Xorist系マルウェアとの関係性までわかりやすく解説します。
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XiN(.XiN)ランサムウェアとは
XiNランサムウェアは、Xoristファミリーに属する暗号化型マルウェアで、感染するとPC内のファイルを暗号化し、ファイル名に「.XiN」拡張子を追加します。被害者のデスクトップには「HOW TO DECRYPT FILES.txt」とポップアップメッセージが表示され、950ドル分のビットコインを要求されます。
XiN(.XiN)ランサムウェアの特徴
XiN(.XiN)ランサムウェアの特徴は以下になります。
- 暗号化されたファイルに.XiN拡張子が付加される(例:1.jpg → 1.jpg.XiN)
- 「HOW TO DECRYPT FILES.txt」とポップアップで身代金要求が表示
- 復号キーの入手には950ドルのビットコイン支払いが必要とされる
- 支払先アドレス:
bc1quvt7psemyfpqqq2aacrjght84x393e40xlaewu
- 連絡先メール:xinoz@cock.li

「実際に暗号化されたファイル」画像出典:PCrisk

「XiNランサムウェアの身代金要求メモ」画像出典:PCrisk
攻撃者は、「支払い後に復号ツールとキーを提供する」と主張しますが、実際には復号できないケースも多く、金銭を送ってもファイルが戻らないリスクが高いため、支払いは推奨されていません。
さらに、XiNは暗号化と同時に、他のマルウェアやパスワード窃取型トロイの木馬を追加インストールするケースも報告されています。感染後に不適切な操作を行うと、証拠ログや解析用データが破損・消失する可能性があり、被害調査や復旧の難易度が上がってしまいます。
もしXiNによる感染が疑われる場合は、復号よりも先に、感染経路の特定や証拠保全を行うことが重要です。個人判断での復旧はリスクが高く、まずは専門家に相談することを強くおすすめします。
出典:PCrisk
XiNランサムウェアはXoristの派生型
Xorist(別名:EnCiPhErEd)は2016年に登場したランサムウェアで、誰でも暗号化設定や身代金メッセージを変更できる「Encoder Builder」というツールで生成されます。この柔軟性により、多数の派生型が生まれており、XiNもそのひとつです。
共通点として、Xorist系はファイルにランダムな拡張子(例:.EnCiPhErEd、.brb、.fileiscryptedhardなど)を付加し、「How to Decrypt Files.txt」などの復号メモを作成。XORやTEAなどの軽量暗号を使用してデータをロックします。
また、Xoristは初期のRaaSとされ、知識がなくても簡単に攻撃用マルウェアを作成できたことが、大量の派生を生んだ背景です。XiNもこの系列に該当し、構造や動作も酷似しています。
なお、Xorist系の多くには復号ツール(Fabian Wosar/EmsisoftやKaspersky提供)が存在しますが、XiNのような改変版は対象外となる場合もあるため、事前の調査と判定が重要です。
出典:PCrisk
XiN(.XiN)ランサムウェアに感染した場合の対処法
ランサムウェアに感染した場合、感染を広げないための隔離対応と、証拠を残すための保全措置が最優先となります。特に法人においては、被害の全容解明や法的報告義務も発生するため、段階的かつ正確な初動対応が求められます。
以下は、感染時に取るべき代表的な対応手順です。
- ネットワークからの切断: 感染端末を社内ネットワークから隔離し、被害の拡大を防ぐ
- ログなどのデータを収集: 感染日時、ユーザー操作、通信履歴などを記録し保全
- 警察・関係機関への相談: 所轄のサイバー犯罪窓口やIPA等へ被害報告
- バックアップからのデータ復旧: 安全なバックアップを使用し、システムを初期化・復旧
- 専門調査会社への相談: 感染範囲・原因・証拠保全・報告書作成などを依頼
情報漏洩と個人情報保護法への対応
ランサムウェアは、近年「ファイル暗号化」に加え、情報窃取・リークサイトでの公開など、二重脅迫型の傾向も見られます。これにより、個人情報が外部に流出した可能性が高まります。
法人においては、2022年施行の改正個人情報保護法により、「漏えい等が発生した場合の報告義務・本人通知義務」が規定されています。感染時は速やかに、被害調査を実施し、報告対象か否かを判断する必要があります。詳細は以下の記事に参考ください。
被害調査とフォレンジック調査の重要性
ランサムウェア被害の対応では、単なる復旧(ファイル復元)だけでなく、なぜ侵入されたのか、どこまで被害が広がったのかを調査・説明する責任があります。これは社内説明、顧客・監督官庁への報告、訴訟対応のすべてに影響します。
そのため、デジタルフォレンジック調査によって「感染経路」「被害範囲」「漏洩の有無」「操作証拠」「内部不正の可能性」などを客観的に把握することが極めて重要です。また、調査会社は必要に応じて、法執行機関との連携・報告書の作成・再発防止策の策定支援などにも対応しており、内部リソースではカバーしきれない範囲を担ってくれます。
>>【解説】フォレンジック調査とは?調査の流れや専門会社を紹介
このような高度なサイバー攻撃には、社内リソースだけでは限界があります。 被害を最小限に抑えるためにも、信頼できる外部フォレンジック調査会社との連携を進めましょう。
>>フォレンジック調査会社の選び方|費用・期間・おすすめ企業を解説
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