Sinobiランサムウェアは、アメリカを中心に被害が拡大している新型のランサムウェアです。本記事では、最新の脅威動向と被害事例を解説しつつ、発生時の適切な初動対応と再発防止策について詳細に解説します。フォレンジック対応を前提とした証拠保全のポイントや、社内外への対応方法も網羅的にご紹介します。
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Sinobi(.SINOBI)ランサムウェアとは
Sinobiランサムウェアは2025年7月に確認されたランサムウェアです。

出典:PC Risk
端末が感染すると、ファイルに「.SINOBI」といった拡張子が追加されてファイルが暗号化されます。そして、「README.txt」という犯人グループと連絡を取るための脅迫文(ランサムノート)が送付されます。
ランサムノートには、犯人グループとTorブラウザを通じて連絡をとり、身代金支払いの交渉をするよう指示する内容が書かれています。
Sinobiランサムウェアの感染の動向
Sinobiランサムウェアのデータを収集する、Ransomware Liveでは、2025年11月時点でアメリカ、イギリス、スペイン、フランス、中国の企業にSinobiランサムウェアの感染が報告されており、アメリカを筆頭に以下の業界で感染被害が確認されています。感染が報告された業界と想定される被害は以下の通りです。
- ヘルスケア業界…電子カルテの暗号化による診療停止
- 製造業…生産ラインの停止や設計図データの流出
- 金融機関…金融情報の漏えい、不正送金など二次被害の恐れ
- 教育機関…オンライン授業の妨害、研究データの喪失
現在、Sinobiランサムウェアの感染はアメリカが中心と見られますが、日本国内の企業も攻撃される恐れがあります。万が一Sinobiランサムウェアに限らず、端末が不正アクセスやランサムウェアに感染したと思われる場合は、すぐにフォレンジック調査会社に相談しましょう。
Sinobi(.SINOBI) ランサムウェアに感染した場合の対処法
Sinobi(.SINOBI)などのランサムウェアに感染した場合、感染を広げないための隔離対応と、証拠を残すための保全措置が最優先となります。特に法人においては、被害の全容解明や法的報告義務も発生するため、段階的かつ正確な初動対応が求められます。
以下は、感染時に取るべき代表的な対応手順です。
- ネットワークからの切断: 感染端末を社内ネットワークから隔離し、被害の拡大を防ぐ
- ログなどのデータを収集: 感染日時、ユーザー操作、通信履歴などを記録し保全
- 警察・関係機関への相談: 所轄のサイバー犯罪窓口やIPA等へ被害報告
- バックアップからのデータ復旧: 安全なバックアップを使用し、システムを初期化・復旧
- 専門調査会社への相談: 感染範囲・原因・証拠保全・報告書作成などを依頼
情報漏洩と個人情報保護法への対応
ランサムウェアは、近年「ファイル暗号化」に加え、情報窃取・リークサイトでの公開など、二重脅迫型の傾向も見られます。これにより、個人情報が外部に流出した可能性が高まります。
法人においては、2022年施行の改正個人情報保護法により、「漏えい等が発生した場合の報告義務・本人通知義務」が規定されています。感染時は速やかに、被害調査を実施し、報告対象か否かを判断する必要があります。詳細は以下の記事に参考ください。
被害調査とフォレンジック調査の重要性
ランサムウェア被害の対応では、単なる復旧(ファイル復元)だけでなく、なぜ侵入されたのか、どこまで被害が広がったのかを調査・説明する責任があります。これは社内説明、顧客・監督官庁への報告、訴訟対応のすべてに影響します。
そのため、デジタルフォレンジック調査によって「感染経路」「被害範囲」「漏洩の有無」「操作証拠」「内部不正の可能性」などを客観的に把握することが極めて重要です。また、調査会社は必要に応じて、法執行機関との連携・報告書の作成・再発防止策の策定支援などにも対応しており、内部リソースではカバーしきれない範囲を担ってくれます。
>>【解説】フォレンジック調査とは?調査の流れや専門会社を紹介
このような高度なサイバー攻撃には、社内リソースだけでは限界があります。 被害を最小限に抑えるためにも、信頼できる外部フォレンジック調査会社との連携を進めましょう。
>>フォレンジック調査会社の選び方|費用・期間・おすすめ企業を解説
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|---|---|
| 調査対象 | PC、スマートフォン、サーバ、外付けHDD、USBメモリ、SDカード、タブレット など |
| サービス | マルウェア・ランサムウェア感染調査、情報漏洩調査、ハッキング・不正アクセス調査、サイバー攻撃被害調査、退職者調査、労働問題調査、社内不正調査、情報持出し調査、横領着服調査、パスワード解除、データ改ざん調査、データ復元、デジタル遺品、離婚問題・浮気調査 など |
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Sinobiランサムウェアの予防策
ランサムウェアの多くは、セキュリティのスキを狙って組織に侵入し、情報を暗号化・漏えいさせることで大きな被害をもたらします。
被害を防ぐには「入口の対策」と「被害時に備えた体制の整備」の両方が重要です。以下のような技術的・運用的な対策を複合的に組み合わせることが、最も効果的です。
- OS・アプリ・VPN機器・RDPのパッチを迅速に適用
- 不要なRDP/VPNは停止、使用時はMFA+接続元制限を設定
- EDRやウイルス対策ソフトを全端末に導入し、常に最新化
- 管理者権限の利用制限とアクセス権の最小化を徹底
- 社内の重要サーバはネットワーク的に隔離
上記の対策は、Sinobiだけでなく他のさまざまなランサムウェアにも効果的です。被害の予防と拡大防止のために、今からでも取り組みを始めましょう。
対策をしていても、すべての攻撃を防ぐことは難しく、被害が起きたときには冷静な初動と正確な調査が求められます。とくにログの消失や二次被害を防ぐには、感染が疑われた段階での対応がとても大切です。また、万が一感染した場合でも、適切な初動対応と専門家の調査支援によって、被害を最小限に抑えることが可能です。