「LINEグループ作成」をうたう詐欺メールに注意!被害の仕組みと対策を徹底解説

LINEを使った業務連絡が浸透する一方で、その習慣を悪用した新たなサイバー攻撃が企業を狙っています。特に「LINEグループを作成してQRコードを送る」といった手口は、一見すると正規の依頼に見えるため、気づかずに情報を渡してしまうケースが増加しています。

このような詐欺メールは、企業の送金指示やアカウント情報を盗むBEC(ビジネスメール詐欺)の一種としても分類され、情報漏えいやマルウェア感染のリスクがあります。

そこで本記事では、LINEグループ詐欺の概要と攻撃パターン、被害の実例や注意点、さらに実際に疑わしいメールを受け取った際の初動対応のポイントについて整理して解説します。

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LINEグループ詐欺の特徴と狙い

LINEを業務連絡に利用する企業が増加する中で、LINEグループ作成を装ったなりすまし詐欺は、従来のメールを使った詐欺を発展させた攻撃の手法として確認されています。
この攻撃の本質は、メールからLINEへ通信チャネルを切り替えることによって、企業のセキュリティ統制や監視を意図的に回避する点にあります。

特に、QRコードによるグループ参加誘導や、第三者への共有を制限する指示は、ソーシャルエンジニアリング(人の心理を悪用する攻撃)を前提とした設計であり、情報窃取・マルウェア感染・BEC(ビジネスメール詐欺)へと発展する可能性があります。

LINE詐欺メールの代表的な手口

LINEグループ作成を装うQRコードの送信

攻撃者は、取引先や上司、業務委託先を装い、「業務連絡用に新しいLINEグループを作成しました」
などの自然な文面で、QRコード付きのメールを送信します。

QRコードが使われる理由は以下の通りです。

  • URLを直接記載しないことでメールセキュリティ製品の検知を回避するため
  • 利用者にリンク先を確認させないため

グループの参加者には業務を装って会話し、情報収集が行われ、必要に応じて不正リンクやマルウェアの配布も行われることがあります。

「他の人を招待しないで」と指示する

詐欺メールには、「他の人を招待しないでください」「この件は内密でお願いします
といった指示が含まれることがあります。

これはメールの内容を同僚や上司、情シス部門に確認・相談され、社内の部門をまたいだ事実確認と詐欺メール対策をさせないための口実です。

年末年始・連休を狙ったタイミングで攻撃する

LINEグループ詐欺は、年末年始・連休・決算期前後に集中する傾向があるとされます。

このような期間は「決裁者・情シス担当者が不在」「例外的な対応が通りやすい時期」「業務が大量に発生することによる確認ミスが多発しやすい時期」のため、通常なら通らない不審な指示のメールが見逃されやすい時期です。

同時に被害に遭ってももすぐ対応できる人物が不在のため、情報漏洩などの被害が拡大しやすく、対策も遅れやすいです。なにかおかしいと感じたら早めに専門家に相談することをおすすめします。

LINE詐欺メールによって発生する被害

LINEグループ詐欺は、手口自体は比較的シンプルである一方、業務コミュニケーションに深く入り込む特性を持つため、被害が顕在化した際の影響は極めて大きくなります。
特に、情報漏えい、マルウェア感染、送金指示のなりすまし(BEC)といった複合的な被害に発展するケースが多く、企業にとって重大なセキュリティリスクとなっています。

以下では、LINE詐欺メールによって発生する代表的な被害について解説します。

LINE経由でのマルウェア感染

攻撃者が取引先や上司、業務委託先などを装って送信したQRコード付きメールを受信者が読み取り、指定されたLINEグループに参加すると、グループ内で以下のような行為が行われる可能性があります。

  • 悪意あるWebサイトへのリンク送信
  • 不正アプリや業務ツールを装ったファイルの配布
  • 業務内容を装った情報ヒアリングによる端末・環境情報の収集

これらのリンクやファイルを介して、端末にマルウェアが感染した場合、認証情報の窃取、端末の遠隔操作、社内ネットワークへの侵入など、二次被害・三次被害へと連鎖的に拡大する恐れがあります。

特に、スマートフォンを起点とした感染は、EDRやウイルス対策製品の監視が不十分なケースも多く、
被害の発見が遅れる傾向があります。

社内情報や口座情報の漏えい

LINEグループ詐欺では、即座に不正行為を行うのではなく、一定期間にわたり業務上のやり取りを装った情報収集が行われることがあります。グループ内の会話を通じて、以下のような情報が徐々に引き出されます。

  • 法人の振込先口座情報
  • 経理・決裁フローの詳細
  • 取引先や担当者の個人情報

これらの情報は、後続の送金詐欺やなりすまし攻撃に利用される重要な材料となります。

攻撃者は関係者を装ってメッセージを送るため、関係者であってもなりすましに気づきにくく、発覚時にはすでに情報を聞き出されてしまい、被害が進行しているケースが少なくありません。

送金指示のなりすまし(BEC攻撃)

LINEグループ詐欺の最終段階として多く確認されているのが、送金指示のなりすましによるBEC(ビジネスメール詐欺)被害です。「本日中に処理をお願いします」「決裁済みなので進めてください」といった形で関係者になりすまし、送金やアカウント情報の共有を指示します。

担当者がこれを正規の業務指示と誤認し送金を実行した場合、高額な金銭被害が即時に発生する可能性が極めて高いです。
また、海外口座への送金が行われるケースも多く、一度実行された取引を取り消すことは極めて困難です。

LINEというチャットツール上で指示が行われることで、従来のメール監視や承認フローをすり抜けやすくなる点も、被害を拡大させる要因となっています。

なりすましメールの添付ファイルに要注意!目的・リスク・対処法を解説>

疑わしいメールを見分けるポイントと初動対応

LINEグループ詐欺の被害を防止するためには、不審なメールの特徴を平時から理解しておくことと、
受信時に適切な初動対応を取ることが不可欠です。特に、初期対応を誤ると、被害の拡大や調査の困難化につながるため注意が必要です。

本章では、LINEグループ詐欺に共通する典型的なメールの特徴と、受信後に取るべき初動対応について解説します。

詐欺メールの典型文面に注意する

今後のためのグループを作成しました」「他の人には知らせないでください」「このQRを必ず返信してください」などの文言が含まれるメールは詐欺の可能性が極めて高いです。このようなメールに返信する前に以下の確認を必ず実施しましょう。

  1. 差出人メールアドレスと署名情報に不整合がないか
  2. 文面に過度な緊急性や秘密保持の指示が含まれていないか
  3. 業務連絡として不自然な手段(QRコード誘導等)が使われていないか

一つでも当てはまった場合は送信されたメールに返信せず、送り主に電話や対面などで確認を取ることを推奨します。

社内の正規連絡ルートで真偽確認

メールの内容に少しでも疑念がある場合は、メール本文内の指示には従わず、必ず別の方法で事実確認を行ってください。

特に、LINEを業務連絡に正式採用していない企業においては、LINEグループへの参加指示自体が不自然であるケースも多く見られます。

  1. LINEでの業務連絡が社内規程で許可されているか確認
  2. 差出人とされる相手に直接電話や内線で確認
  3. グループへの参加・クリックは保留する

このように同一チャネルで確認しないことが、なりすまし被害を防ぐ上で極めて重要です。

返信・クリックはせず証拠保全を行う

不審なメールを受信した場合、返信・QRコードの読み取り・リンクのクリックは行わず、証拠保全を最優先としてください。誤って操作を行うと、マルウェア感染やログ改ざんにより、後続の調査が困難になる恐れがあります。

初動対応として実施すべき手順は以下の通りです。

  1. メールの画面をスクリーンショットで保存
  2. .eml形式でメールをエクスポートして保管
  3. 受信日時、件名、差出人、添付有無を記録
  4. 社内のCSIRTまたは情報システム部門へ速やかに通報

操作前の状態を保持することが、正確な被害分析につながります。

フォレンジック調査会社に相談する

疑わしいメールを受信した後や、すでにQRコードを読み取ってしまった場合には、
専門業者によるフォレンジック調査を早期に実施することが有効です。

フォレンジック調査とは、端末・ネットワーク・ログなどに残されたデジタル痕跡を保全・解析し、事実関係を時系列で明らかにする調査手法を指します。
単なるウイルススキャンや設定確認とは異なり、「何が起きたのか」「どこまで侵害されたのか」「被害は継続しているのか」を客観的証拠に基づいて判断することが目的です。

フォレンジック調査では、以下のような技術的事項を詳細に確認することが可能です。

  • なりすましやヘッダ改ざんの有無
  • マルウェアによる不正通信、外部サーバとの通信履歴
  • 操作ログ、プロセス生成履歴
  • 不正ファイルの痕跡
  • 認証情報が窃取されたかどうか

デジタル痕跡は「端末の再起動や初期化」「セキュリティソフトによる自動駆除」「自己判断によるアプリなどの削除」「ログの保存期間の超過」などによって容易に失われるため、早めに専門の調査会社へ相談しましょう。

  • どの業務フローが悪用されたのか
  • どのセキュリティ対策が機能しなかったのか
  • どのようなセキュリティ対策が有効か

このような具体的な被害内容が判明し、再発防止策につなげることもできます。

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