突然NASが起動しない、共有フォルダにアクセスできない、RAIDエラーが表示される。そのような状況で「HDDを取り出してデータを救出すべきか」と悩んでいませんか。
判断を誤ると、RAID構成が崩れたり、データが上書きされたりして復旧難易度が一気に上がる可能性があります。本記事では、NASからHDDを取り出す必要があるケースと安全な対処法を、データ復旧の専門家の視点からわかりやすく解説します。
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NASのHDD取り出しが必要になる主な原因
NASトラブルは「本体側の故障」なのか「HDDやRAID側の障害」なのかで対応が大きく変わります。誤った操作を行うと、データ消失やRAID崩壊につながるおそれがあります。まずは原因を整理し、どの段階にあるのかを正確に把握することが重要です。
NAS本体の物理的故障
電源が入らない、筐体が破損している、電源端子が折れているなど、本体自体のハードウェア障害です。この場合、HDDは無事でもNASとしての機能が停止しているため、HDDの取り出しを検討する必要があります。放置すると通電トラブルによりHDDまで損傷する可能性があります。
NASが起動せず管理画面に入れない
電源は入るものの起動が完了しない、ネットワーク上から完全に見えない、共有フォルダへ一切アクセスできない状態です。論理的な復旧手段が取れない場合、内部ストレージ側での解析が必要になるケースがあります。
RAIDリビルド失敗や構成崩壊
ストレージプールが未割り当てになる、容量が0と表示される、複数ディスクエラーが発生するなどの症状です。この状態で不用意にリビルドや初期化を行うと、データが上書きされ復旧が極めて困難になります。
保守交換で本体初期化が前提となっている
メーカー保守で本体交換となる場合、HDDが初期化される、またはそのまま返却されないケースがあります。事前にデータを取り出さなければ完全に失われる可能性があります。
これらの症状を放置したり、自己判断で操作を続けたりすると、データ消失や復旧不能状態に陥る危険があります。特にRAID環境では、1回の操作ミスが致命的になることもあります。
ストレージ機器に物理障害が発生している状態で、むやみに通電や再起動、フリーソフトの使用、分解などを行うと、状況が悪化し、復旧の難易度が大きく上がることがあります。特にHDDやSSDは精密機器であり、ちょっとした刺激や誤操作でも内部パーツが傷ついたり、データが上書きされたりして、最終的に復旧不可能になるリスクもあります。誤った対処で大切なデータを失ってしまう前に、まずは専門業者への相談をおすすめします。
自力で修復する場合のリスク

▶ ほこりや異物が悪影響を与えてしまう
▶ 内部パーツに修復できない傷が付いてしまう
▶ 知識不足で誤った復旧作業を行ってしまう
ストレージデバイスの自力での修復は非常に難しく、誤った方法で作業を進めると、データが完全に失われるリスクがあります。安全にデータを復旧させたい場合、データ復旧業者に依頼することが確実です。編集部が厳選したおすすめ業者は下記のボタンからご参照ください。
NASからHDDを取り出す前に必ず行う対処法
いきなりHDDを抜くのは危険です。まずは筐体を開けずに確認できる項目を徹底的にチェックし、「本当に取り出しが必要か」を判断します。
電源・LAN・周辺機器の基本チェックを行う
接触不良やネットワーク機器の不具合であれば、HDDを取り出す必要はありません。外部要因を切り分けることが最初の一歩です。
電源・接続確認の手順
- NASの電源を切り、電源ケーブルとLANケーブルを一度抜きます。
- 別の電源コンセントや別のLANケーブルに交換します。
- ルータやスイッチを再起動し、ネットワーク経路をリセットします。
- 再度NASを起動し、ランプ状態やアクセス可否を確認します。
- 再起動の連続実行は避け、1回のみ実施します。
メーカー管理ツールでディスク状態を確認する
管理画面に入れる場合は、RAID状態やエラーコードを必ず確認します。ここでディスク故障が判明することもあります。
管理画面確認の手順
- NASの管理ツール(例:NAS Navigatorなど)を起動します。
- Web管理画面へログインします。
- ディスク状態、RAID状態、エラー表示を確認します。
- エラーコードを控え、公式サポート情報と照合します。
- バックアップの有無を同時に確認します。
バックアップから復元可能か確認する
外付けHDDやクラウドにバックアップがあれば、無理にHDDを取り出す必要はありません。
バックアップ確認の手順
- 外付けHDDや別NASの接続状況を確認します。
- クラウドストレージにログインしデータ有無を確認します。
- 最新バックアップ日時を確認します。
- 復元テストとして一部データを別環境へコピーします。
- 問題なく開けるかを確認します。
NASからHDDを取り出す場合の安全な進め方
事前確認を終え、HDD取り出しが必要と判断した場合は、以下の手順で慎重に進めます。順番や環境を誤るとRAIDが再現できなくなる可能性があります。
電源を完全に切りHDDの順番を記録する
RAID構成を維持するため、ベイ番号の記録は必須です。
HDD取り外し手順
- NASの電源を完全に切ります。
- 電源ケーブルとLANケーブルを抜きます。
- ランプが全て消灯したことを確認します。
- 各HDDにベイ番号をラベルで明記します。
- 順番を記録した上で慎重に取り外します。
クローンディスクを作成してから解析する
物理障害が疑われる場合、元ディスクへ直接負荷をかけるのは危険です。
クローン作成手順
- Linux環境を用意します。
- ddrescueなどのクローンツールを準備します。
- 同容量以上の保存先ディスクを接続します。
- 読み取り専用でクローンを作成します。
- 解析作業は必ずクローン側で実施します。
RAID構成を再現してデータを退避する
RAIDレベルやストライプサイズを合わせて仮想RAIDを構築し、データをコピーします。
RAID再構築とデータ退避手順
- mdadmなどでRAID情報を確認します。
- 正しい順番でアレイを再構築します。
- ファイルシステム(ext4やxfsなど)を読み取り専用でマウントします。
- 別途用意した保存先へデータをコピーします。
- コピー後にファイルが正常に開けるか確認します。
専門業者に相談・依頼する
複数台同時障害、異音、RAID崩壊、順番不明などのケースでは、自力作業は危険です。専門設備と解析技術が必要になります。
ここまでの対処法を試しても改善できなかった場合、機器に重大なエラーや物理的な故障が生じている可能性が高いです。この場合、続けて使用すると損傷がひどくなり、復旧できなくなる可能性があります。さらに、自力で分解したり復旧作業を行うのも状態が悪化するケースが多いです。少しでもデータを失いたくない方は速やかに専門業者に相談することをおすすめします。
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さまざまなメーカーや機種に対応できるかをチェックしましょう。
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特に物理障害の場合、クリーンルームでの対応が可能かを確認することが重要です。
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まとめ|NASのHDD取り出しは慎重な判断が重要
NASからHDDを取り出すべきかどうかは、「本体故障か」「HDD・RAID障害か」によって判断が分かれます。電源やネットワークの問題であれば、HDDを抜かずに解決できるケースも少なくありません。一方で、RAID崩壊や複数ディスク障害が疑われる場合は、誤った操作がデータ消失につながる可能性があります。
特に注意すべきポイントは次のとおりです。
・再起動や電源の入れ直しを繰り返さないこと
・HDDの順番を必ず記録すること
・Windowsに直接接続して初期化しないこと
・バックアップなしでリビルドや初期化を実行しないこと
これらを守れない場合や、すでに操作を誤ってしまった場合は、自己判断で作業を続けるのは危険です。NASのRAID構成は複雑であり、1回の操作ミスが致命的になることもあります。
NASが起動しない、RAIDエラーが出ている、HDDを取り出すべきか迷っている。そのような状況では、早期診断がデータ保全の鍵になります。まずは専門家への相談を検討しましょう。