アンチウィルスソフトの定番、ウィルスバスター
総合セキュリティ対策ソフトウェアである「ウイルスバスター」は、アメリカ創業ながらも現在は実質日本が主要拠点のセキュリティ企業トレンドマイクロ社により提供されております。
現在ウイルスバスターは国内シェア率が最も高いセキュリティソフトであり、NTTデータ、関西大学、富士通、パナソニック、クックパッド社などで幅広く導入されております。
ウイルスバスター自体のセキュリティツールとしての知名度はもちろん、アプリケーションの操作画面は日本ユーザーにわかりやすく、IT知識の乏しいユーザーも取り扱いやすい仕様になっていることが、人気につながっているとみられます。
2019年度以降のバージョンでは、AI技術の本格活用により、「ウイルス侵入防止、検知、データ保護」のセキュリティ上重要な工程を余すことなく従来の性能から強化されております。
また、現在ウイルスバスターの主流は「ウイルスバスター クラウド」という製品で、これはウイルススキャンの8割をクラウド上で稼働させており、端末側の処理の負担を軽減させていることで、ユーザーは使用感を損なわず快適に利用できる特徴があります。
ウィルスバスターの性能
ウイルスバスターに搭載されている多彩なセキュリティ機能を、主要なものを中心にまとめております。
ウイルス検知
ドイツのセキュリティ評価テスト「AV-Test」においては、ウイルス検知率100%という結果から、ウイルスに対して非常に高性能
ランサムウェア対策
ハッカーにより、パソコンやスマートフォン内のファイルが暗号化され、回復と引き換えに金銭を要求するランサムウェアの被害への機能で、ユーザーが事前に指定したファイルやフォルダを暗号化されない機能
フィッシング詐欺対策
最近毎日のように発生するフィッシングメールやwebページの改ざん問題に効果的な機能が備わっており、AIによるスキャンによってchromeやSafari、インターネットエクスプローラーなどのブラウザアプリ上での危険なサイトへのアクセスをブロック。
フリーWi-Fi使用時のセキュリティ
屋外などで利用できるフリーWi-Fiスポットでのインターネット接続では、通信データ内容を見られたり盗まれる危険性を防ぐため、接続時自動で危険がないかをチェック
SNSへの不正アクセスやなりすまし防止
スマートフォン用の「ウイルスバスターモバイル」にて、FacebookやTwitterなどのSNSサービスを利用した不正アクセスやなりすましの記事投稿などへのブロック機能が備わっている。また、Android版はLINEアプリにも対応。
盗難や紛失への対処
遠隔操作によりスマートフォン操作をロックや、端末内データの消去、アラート音の発信が可能
サポート体制が充実
「デジタルライフサポート プレミアム」という料金プランに加入すると24時間365日ユーザー対応を受けられるため、知識に乏しいユーザーも安心して利用できる。
ウィルスバスターの弱点
ウイルスバスターを導入して、動作や通信が遅くなるというユーザー評価や、口コミが少なからず見受けられます。しかしながら、ウイルスバスターだけに限ったことではないですが、セキュリティソフトだけが原因でパソコンやスマートフォンの動作が極端に遅くなることはありません。
たいていの場合、バックグラウンドで何かしらのプログラムが複数並行して起動しているなどの原因で、メモリに負荷がかかっているケースが原因です。
余談になりますが、セキュリティソフトの良し悪しは導入後の動作速度の点で判断するのは誤解です。アプリケーションが随時コンピュータ内外に対して監視するわけですので、当然その分メモリへ負荷がかかるからです。
ただし、あからさまな動作不良などが発生する場合は、セキュリティソフトのバグなども考えられるため、ソフトのバージョンが最新のものかどうかを確認し、必要に応じてサポートへ相談するなどの対応が確実でしょう。
セキュリティソフトの比較
ウイルスバスターにフォーカスした内容を記載してきましたが、いまやセキュリティソフト提供各メーカーの企業努力により、性能に明らかな差はなくなってきております。しかし、メーカーごとの企業ポリシーから特徴があるのも事実で、それらの違いをあらかじめ知っておくことは、より納得のいくセキュリティ対策につながるでしょう。ウイルスバスターを除く、世界的に広いシェア率を誇るセキュリティソフトを4種ピックアップし、簡単に特徴を以下にまとめております。
カスペルスキー(ロシア)の性能
スキャンエンジン、ランサムウェア対策、オンラインバンキング保護、ファイアウォール、脆弱性保護といった広域の守備範囲が強みで、純粋なセキュリティの能力においては実質トップ。細かいカスタマイズが可能なポイントが大きな特徴ながらも、ある程度知識が必要なので初心者には不向き。
ノートン(アメリカ)の性能
1982年設立以降セキュリティ業界の老舗とされる「シマンテック」社の製品であり、シェア率は世界で最上位に位置する。長い実績と膨大なサイバー攻撃データをもとに、高い防御率と信頼性から安全に利用できる製品。24時間365日のサポート体制は、ユーザーにとっては大きなメリット。
マカフィー(アメリカ)の性能
利用端末制限がないため、大家族や企業などのパソコンやスマートフォンの数が多いユーザーには大きなメリット。また、生体認証機能が備わっており、パスワードの使いまわしによる不正アクセス対策にも効果が期待できる。しかし、スキャン済みのプログラムに再度実行したり、細かなバグによる更新が頻繁に行われることから使用感に難を示すユーザーが少なくない。
ESET(スロバキア)の性能
20年の歴史を持つ「アドバンスドヒューリスティック」技術により、ウイルスの検知率を損なうことなく、利用端末の動作性も安定させることを可能にしている。低スペックのものや古いパソコンのユーザーが恩恵を感じやすい。