マルウェアに感染すると、ご自身のコンピュータだけでなく、職場であれば会社中、さらにはインターネットを通じて世界中の不特定多数のコンピュータにまで脅威が及ぶ可能性があります。
対策にはセキュリティ対策ソフトウェアなどを利用したシステム的なものと、コンピュータの使用者の危機意識によるものとがあります。まずは、システム的な対策ですが、以下の点に注意が必要です。
セキュリティ対策ソフトの機能を確認する
マルウェアの感染を防ぐために必要な機能が少なくとも3つあります。
・マルウェアを検知・駆除する機能
・ダウンロードされたファイルや添付ファイルをスキャンする機能
・マルウェアがコンピュータに侵入した際、その活動を停止させる機能
プログラムは最新の状態に保つ
マルウェアはWindowsなどのOSやGoogle Chromeなどのブラウザが持つ脆弱性を突いて攻撃を仕掛けてきます。OSやブラウザは脆弱性が見つかると更新プログラムを配布しますので、必ずそれらを適用しましょう。
また、セキュリティ対策ソフトウェアも、新種のマルウェアが発見されれば、それを駆除するプログラムを配布します。通常は自動で適用されるのですが、必ず最新かどうかの確認をしておきましょう。
次に、コンピュータの使用者の危機意識によるものですが、最も重要なことは使用者が「知る」ことです。特にマルウェアの感染経路について知れば、使用者が危険な行為を避けることができます。
主な感染経路は次の3つです。
・メール
・Webサイト
・ファイル共有ソフト
それぞれについて感染を防ぐための対策を見ておきましょう。
メールへの対策
・送信者不明のメールを安易に開かない。メールに記載されているURLもクリックしない。
・添付ファイルは必ずセキュリティ対策ソフトウェアでスキャンしてから開く。
・HTML形式のメールはプレビューするだけで感染するマルウェアが埋め込まれている可能性があるので、プレビュー機能をオフにしておく。
Webサイトへの対策
・画像や音楽ファイルなどをダウンロードする際には、そのファイルを必ずスキャンする。
・ブラウザにも脆弱性があるので、ブラウザの更新プログラムを必ず適用する。
ファイル共有ソフト対策
Winnyなどのファイル共有ソフトによってやり取りされるファイルはその全てがマルウェアに感染していると考えていただいて結構です。絶対に使用しないようにしましょう。
マルウェアによってもたらされる脅威と、その想定される被害の大きさを考えると、厳重かつ強固なセキュリティ対策が必要なのは当然です。
しかし、いかに高額で最先端のセキュリティ対策を講じたとしても、コンピュータの使用者がマルウェアの脅威に飛び込んでしまっては意味がありません。マルウェアに対する危機意識を高く保っておくことも非常に重要です。