日常生活において、クレジットカードを使用する方は多いのではないでしょうか。
厳禁で精算する必要がないことから、精算時において非常に便利なアイテムとなっています。
しかし、クレジットカードの情報が流出することで不正に使用されてしまうかもしれませんので注意が必要です。
本記事では、スキミングの概念・スキマーの種類・スキミングに対する対策などについて詳しく解説します。
スキミングとは
スキミングとは、スキマ―と称される特殊端末を使用して、自身が使用しているクレジットカードに設置されている磁気ストライプを読み取り口として、クレジットカードに関するさまざまな情報を抜き取られてしまうことです。
スキミングで抜き取られた情報はパソコンなどに保存され、その情報を別のクレジットカードにコピーしてクレジットカードを作成することで、大元のクレジットカードが偽造されてしまいます。
スキミングでは、スキマーを使用する以外の方法で暗証番号なども確認されてしまうことから、偽造されたクレジットカードは容易に悪用することができます。
スキミングの特徴としては、クレジットカードを盗まれるわけではないので被害に遭ったことに気付きにくいことです。
そのため、翌月などでクレジットカードの請求が来た際に被害に遭ったことに気付くケースも珍しくありません。
スキマーの種類について
クレジットカードの情報を抜き取るためには、スキマーと称される特殊端末が必要となります。
ここからは、具体的なスキマーの種類について解説します。
1.ATM内蔵タイプ
ATMケーブルとスキマーを結合させ、ホストとして指定されているコンピューターに送付されているデータを搾取するタイプです。
クレジットカードを偽造して悪用するためには暗証番号も必要となることから、スキマーと同時併用して小型カメラなどを用いて暗証番号の入力動作を盗撮するケースが多くなっています。
2.CAT接続タイプ
店舗に設置されているレジ付近からは死角となる位置に設置することを前提としている、ケーブルなどを使用してCATと接続させるタイプです。
クレジットカードをCATに通すことにより、クレジットカード会社にデータを送付するだけでなくスキマーにもデータが転送されてしまいます。
なお、無線で付近に設置してあるパソコンへデータを送信するタイプもあるため、発見が困難となっています。
3.単体型の小型タイプ
大きさは、幅55mm・高さ88mm程度の非常に小さなスキミングとなっています。
数あるスキマーの中では、最も単純なタイプです。
また、費用も非常に安価となっていることも特徴的です。
4.イソギンチャクタイプ
CATリーダー部分およびATMのカード差し込み部分の上部より被せるタイプです。
CATおよびATMにカードを通すことで、同時にスキマーも通過させます。
CAT接続型と同様に、無線でデータ送信できるものも存在します。
5.非接触タイプ
非接触で決済が可能である電子マネーなどをターゲットとしたタイプです。
クレジットカードをスキマーに通すことなくスキミングができることが特徴ですが、数センチ単位の近距離まで接近する必要があることや、そもそも電子マネーのチャージが低額であることが多いため、犯罪での実用性は低いとされています。
スキミングされるタイミングについて
私たちが所持しているクレジットカードのスキミングは、どのタイミングで行われるのでしょうか。
レジ前など対面でクレジットカードを使用する地面では、私たちの目前となることからスキマーの使用は困難であると言えます。
そのため、スキミングされるタイミングは私たちの手からクレジットカードが離れるときなのです。
飲食店などにおいて、会計を座席で済ませられるケースがあります。
その際、店員に伝票とクレジットカードを渡してしまうと、自身の目が届かないところでクレジットカードが取り扱われてしまうため、スキミングの被害に遭うことが想定されます。
なお、上述したように昨今ではスキマーの種類は多種多様となっていますので、レジ前であっても使用できるものも存在しています。
そのため、対面で私たちの目前でクレジットカードが取り扱われている場面においても油断ができないことを念頭に置くようにしましょう。
また、居酒屋などでアルコールを摂取する際はより一層の注意が必要です。
酔いが回ることによって周囲への注意が散漫になっている中、上着などに入れていた財布が抜き取られてクレジットカードの情報だけが抜き取られた後に、そのまま元に戻されるケースもあります。
その場合、現金やクレジットカードはそのまま手元に戻って来るため、被害に遭ったことに気付くのは困難となっています。
このように、クレジットカードの情報がスキミングされる環境を熟知しておくことが大切です。
スキミングに対する対策について
スキミングの被害に遭わないためには、どのような対策を講じていればよいのでしょうか。
なお、具体的な対策については次のとおりです。
- 財布は肌身離さず保管する。
- クレジットカードを放置しない
- クレジットカード管理を徹底する
- 第三者にクレジットカードを預けない
- 座席で会計を済ませるケースでは、現金を使用する
- 店員の行動に不審点がないか注意する
- 暗証番号入力時は隠しカメラの存在を意識して見えないように隠す
- 暗証番号を定期的に変更する
- 設定する暗証番号は生年月日や車のナンバーなど、推測されにくい数字とする
上述したような対策を講じることで、スキミングの被害に遭う確率を減少させることができます。
まとめ
ここまで、スキミングの概念・スキマーの種類・スキミングに対する対策などについて詳しく解説しました。
クレジットカードは非常に便利なものであることから、私たちの生活になくてはならないものとなっています。
そのため、スキミングに合う被害を恐れて使用頻度を控えることは本末転倒と言えるでしょう。
大切なのは、どのような手法・タイミングでスキミングの被害に遭う可能性があるのかを正しく認識し、それらの被害に遭わないためにはどのような対策を講じていれば良いのか理解することが重要なのです。
そうすることで、自身の所有するクレジットカードがスキミングの被害に遭う可能性を減少させることができるでしょう。
本記事が、スキミングの被害について悩んでおられる方の一助となれば幸いです。
【参考記事】