みなさんは、情報セキュリティに対して万全の対策を講じているでしょうか。
直近では、ロシアを支持するサイバー犯罪集団である「KILLNET」が、日本政府や日本の大企業のWebサイトにサイバー攻撃を行ったと表明し、各企業団体が対応に追われたことも記憶に新しいのではないでしょうか。
本記事では、情報に対するセキュリティの観点より、セキュリティインシデントについて詳しく解説します。
近年の状況
近年では快適なインターネット環境が構築されており、大容量および高速通信などが可能となっていることから、企業においても業務を行うにあたってインターネットを活用しているところが大部分となっています。
一方、個人情報保護などあらゆる情報は適切に扱わなければならず、それらの重要情報が流出しないように個人および企業問わず求められているところです。
これらの背景から、情報に対するセキュリティは確実なものとすることが強く求められているのです。
セキュリティインシデントとは
セキュリティインシデントとは、マルウェアの感染・不正アクセス・機密情報の流出など情報管理の観点からセキュリティにおいて非常に大きく影響を及ぼす事象のことです。
また、ITサービスマネジメントの業界において「インシデント」が指すところは、オンライン提供中のサービスが一時的停止に追い込まれたり、機能不全に陥ってしまう事象です。
セキュリティインシデントが発生するケースは、外部からのサイバー攻撃や内部からの悪意ある攻撃および不正な手段を用いた被害などが想定されます。
また、近年では大型台風や大型地震など大規模な自然災害が発生することが多くなっています。
それらの発災に伴って、セキュリティインシデントが発生するケースがあるのです。
このように、セキュリティインシデントが発生するケースは多種多様となっています。
セキュリティインシデントが発生した際の対応について
上述したように、セキュリティインシデントは外部および内部からのサイバー攻撃や自然災害によって発生するケースなどさまざまです。
これらの事象が発生した場合は、個人および企業を問わず迅速な対応が求められます。
情報収集および分析・被害拡大を軽減させるための実効性ある対策案構築・再発防止対策の検討などが必要となります。
また、大きな組織であれば報道発表などを行うことで、世間に対する迅速な情報伝達および透明性の確保も求められるでしょう。
このように、セキュリティインシデントを起因としてさまざまな対応を迫られることが想定されます。
そのため、これらの業務を専門的に取り扱う「CSIRT」と呼ばれる部門を自社内において構築している企業も多くなっているのです。
セキュリティインシデントの発生原因について
一昔前では、セキュリティインシデントが発生する可能性は極めて低かったと言えるでしょう。
それでは、近年においてどうしてセキュリティインシデントが多発する事態となったのでしょうか。
その理由は、時代の変遷にあります。
近年では、快適なインターネット環境が構築されてことや日本政府においてデジタル庁が発足されるなど、IT技術が目覚ましく発展している背景があります。
IT技術が発展することで、これまではアナログ対応していたものがデジタル対応へと切り替わっていきました。
結果的に、情報のデータ化・電子化・ペーパーレス化が拡大することとなり、私たちの日常生活にも多大な恩恵を与えています。
一方、紙ベースだったものが電子ベースとなることで、インターネット環境を活用してやりとりをする機会が増加しました。
デジタル化された情報は、紙などのアナログ化されていた情報と異なり、外部からの不正アクセスを容易にする側面を持ち合わせていたのです。
そのため、情報セキュリティに対する意識が希薄な状態であることがセキュリティインシデントを助長してしまう結果となってしまったのです。
また、さまざまなデジタル情報を取り扱うにあたって、セキュリティ部門の人材が雇用されていない企業もあります。
また、セキュリティ部門が組織内にあったとしても、配置されている人材が育成されていない状況も想定できます。
近年では、IT化を進めるにあたって日本政府が補助金および助成金を支給する制度が拡充されています。
そのため、積極的にIT技術を導入する企業が多くなっています。
IT技術導入のスピードにセキュリティの側面が追い付いていないことが、セキュリティインシデントの大きな発生原因となっているのです。
セキュリティインシデントの具体的な対応策について
上述したように、セキュリティインシデントは規模によって社会的にも大きな影響を及ぼすリスクがあります。
そのため、デジタル情報を扱うものにとってセキュリティインシデントが発生しないように対策を講じることは必要不可欠であるといえます。
個々から、具体的なセキュリティインシデントを発生させないための対応策について詳しく解説します。
1.端末管理
業務執行にあたって、パソコンなどの端末を使用する機会が多くなっています。
そのため、デジタル情報を扱う端末は限定的にすべきなのです。
社員の私物端末を業務に使用せず、企業においてセキュリティ対策が講じられている端末だけを使用するだけで情報漏えいのリスクを低減することができます。
2.セキュリティ対策
業務において、パソコンなどを活用するにはOSが必要不可欠です。
また、パソコンには各種ソフトもインストールされており、それらを使用する機械も多いことが想定されます。
そのため、OSやソフトのアップデートやセキュリティパッチを適用させるなど、セキュリティに対する対策を講じる必要があります。
また、重要情報に関してはアクセス権限を限定することやネットワークのログイン制御を行うことも重要です。
3.パスワード管理
パソコンなどにアクセスする際にパスワードを使用することは必須です。
パスワードの設定は推測されにくいものとし、定期的に更新することでセキュリティの精度を向上させることができます。
4.ファイアウォールの構築
業務上、インターネットにアクセスできるパソコンを使用する機会が多くなっています。
そのため、インターネット経由で外部からの不正アクセスが発生してセキュリティイシデントが発生してしまうケースも珍しくありません。
そのため、不正アクセスなどを防止する観点からファイアウォールを構築する必要があります。
まとめ
ここまで、情報に対するセキュリティの観点より、セキュリティインシデントについて詳しく解説しました。
セキュリティインシデントが発生した場合、影響度が大きければ経済活動にも大きな影響を与えることから企業に対する信用は失墜します。
そのため、セキュリティインシデトが発生しないように対策を講じることが極めて重要であると言えるのです。
本記事が、セキュリティインシデントの発生抑制の一助となれば幸いです。
【参考記事】