今やWi-Fiによるインターネットへの接続は、日々当たり前のように利用するに至っております。
スマートフォンやパソコンはもちろんのこと、タブレット、テレビ、カメラ、オーディオ機器などが次々とWi-Fi接続に対応するものが登場し、インターネットの応用がここ数年で急速に進化している状況にあります。
しかしながらそのWi-Fiの便利さを様々な形で悪用されるケースがあとを絶たないのも事実であり、利用する我々は被害者にならないよう知識を持ち、対策をしていかなければならないのです。
必要な理由
Wi-Fiを悪用されるとはどういうことなのか、どんな被害に遭う可能性があるのかを知っておく必要があるでしょう。
主に考えられる被害ケースとしては大きく2つに分類されます。
1つは、Wi-Fi通信で利用している状況を盗み見られるケースです。
Wi-Fiの特徴であるLANケーブルを必要としない無線LANでの接続方法は、電波範囲内であればだれにでも接続できる状況にあります。それを悪用すると、以下のような被害に遭う可能性があります。
・インターネットでの閲覧中のサイトを見られる |
・通販ショップで使用した会員情報(IDやパスワード)やクレジットカード番号の流出 |
・メール内容を閲覧 |
2つ目は、ネットワークに直接侵入し様々な悪影響を及ぼすケースです。
Wi-Fi接続時に暗号化されていないと、知識のある人間であればそのネットワークに侵入する、いわゆる“不正アクセス”が可能です。
これにより以下のような被害につながる可能性があります。
・ルーター情報を改ざんされ、本来の利用者がWi-Fi接続できなくなる |
・正規利用者になりすまして、インターネットを使用される |
・コンピュータ内部にまで入り込み、保存されている個人情報(メール、画像、動画など)を盗まれる |
・ウイルスを流し込まれる |
上記で取り上げたケースはあくまで一例で、場合によると盗まれた情報を足掛かりに、第二第三の被害へと拡散する可能性もあり得ます。
対策
Wi-Fi利用時、しっかりと対策を行っているだけで上述したリスクを大幅に減らすことが可能です。
ここではWi-Fiのセキュリティ対策として、利用する側とされる側とで注意する点が異なることも含めて紹介します。
Wi-Fi接続の前提として、「接続する端末」と「接続されるルーター」とが互いに認証することでネットワークが成り立ちます。
認証するためには、SSID(接続先)とパスワードの2つを正確に設定しなければ当然サービス利用できないのは言うまでもありません。
ここで、「接続する端末」と「接続されるルーター」のそれぞれで注意するポイントが少々異なることも知っておく必要があります。
接続する端末側の対策
まず「接続する端末」側は、Wi-Fi接続先の安全性確認が大切です。
カフェやホテル、飲食店、公共および娯楽施設などWi-Fiサービスを無料で提供する場所が年々増加しており、インターネットの利用に困ることは少なくなってきました。
こうした無料のWi-Fiサービスは、ネットワークが暗号化されていないことが少なくないため、通信内容が第三者に盗み見られる可能性があります。また、SSIDを既存のものに酷似させ作成したWi-Fiスポットを設置し、アクセスしてきた利用者の情報を奪うといった手口もあります。
これらの対策としては、Wi-Fi接続時に端末側で安全確保されていない旨の警告メッセージが表示された場合は接続を避けること望ましいです。
基本的には、パスワード要求されない接続先のWi-Fiは使用しないことが無難です。
また、ネットワーク利用時の暗号化されたデータを複合化する“VPN”を有効にしておくことも、情報漏洩防止には重要です。
これは使用している端末側で設定するもので、スマートフォンやタブレットは初期状態ですでに設定されていることが多いですが、念のためオプション画面での端末情報は確認するよう推奨します。
接続されるルーター側の対策
一方の「接続されるルーター」側として注意したいのは、認証させるパスワードを簡易なものにしない点です。
自宅などで利用するルーターは多くの場合、パスワードが「admin」や「user」、「root」、「password」といったものに設定されています。初期設定のまま使用していては、悪意のある第三者からは容易に推測できてしまうため、必ず再設定するようにしましょう。
もう一つ押さえておきたいポイントとして、Wi-Fiのネットワークの暗号化設定に関してです。
この暗号化には種類と強度の段階があり、WEP、WPA-TKIP、WPA2-TKIP、WPA-AES、WPA2-AESの順で高くなります。
自宅用はもちろん、特に職場などでWi-Fiルーターを設置している場合は、機密情報を扱うことも頻繁にあるため、使用しているルーターの暗号化設定はどうなっているのかチェックしておく必要があります。
少しの手間で大切な個人情報や機密が守れるならばもはやメリットしかありませんので、今後Wi-Fi利用する際は確認の意味も含めて実践してみてください。