昨年2020年7月からYouTube活動を始め、サイバーセキュリティをエンタメとしてわかりやすく、かつ、楽しく広めるYouTubeチャンネルとして「ハッカーかずの部屋〜日本一わかりやすいサイバーセキュリティ〜」が注目を集めています。
今まさに話題を呼んでいるYouTuberのハッカーかずさん、MCあかねさん。今回はそんな旬なお二人の独占インタビューに成功。なぜ今サイバーセキュリティ分野でYouTubeをやっているのか根掘り葉掘り聞いてみました!
【ハッカーかず】
サーバ管理2年・ サイバーセキュリティ診断5年(年間数百台)・サイバーセキュリティサービス開発8年(NTT東西系サービス)・サイバーセキュリティコンサルタント3年(20万人規模企業も)を経験。
【MCあかね】
セキュリティ経験ゼロ。アパレル販売、エステティシャン、営業職を経験し、セキュリティについては「ハッカーかずの部屋」でゼロから勉強中。
サイバーセキュリティでYouTubeを始めた理由…?
そもそもなぜサイバーセキュリティでYouTubeを始めたのでしょうか?
え、ダメですか?(笑)
あ、いやダメではないんですけど、なんかすみません(笑)
(笑)
YouTubeはこの数年でたくさんの人が利用するサービスとなり、「生活の一部」になってきています。セキュリティは常に身近なものです。コンピュータを扱うすべての人に関係しています。
確かに最近IoT機器も増えて、より身近に感じられるようになりましたね!
そうなんです!なのでサイバーセキュリティを「生活の一部」にするためにも、YouTubeは非常に良いツールだと思いました。
なるほど・・・新しい発想ですね。
YouTubeを通してなら私みたいなセキュリティに明るくない人でも身近に感じられるかなと。
視聴者層は法人ではなく個人!?
となるとターゲットは法人ではなくて個人なのでしょうか?
そうですね、法人としてはセキュリティを徹底してきている印象なのですが、個人の範囲では、まだまだセキュリティ意識が低いと感じています。
コロナによりリモートワークが増え、家庭内でも情報を扱う場面も増え、さらに、オンラインゲームやIoT機器の増加により、個人がセキュリティを意識しないといけない場面が増えてきています。
そのため、今後さらに個人のセキュリティ意識が必要になり、求められてきます。
でも個人ってなかなか苦戦してるんですよ(笑)そもそもセキュリティを検索する人って被害に遭った方がほとんどなので。
確かに個人は難しそうですね・・・
でも他にも色々SNSがある中でなぜYouTubeにこだわるのですか?
他のツールも使っています。
例えばTikTokで認知を増やしたり、Twitterで発信したりしていますが、あくまで認知止まりで理解するところまではなかなか難しいんですよね。
なるほど、勉強になります。
ブログなどもやっていたりするのですが、今のスマホネイティブ層はテキストを見ることに慣れてないんです。なので動画で5分以上とか少し長めの動画でしっかり理解してもらうのが一番良いと思っています。
個人に馴染みがあり、簡単に動画で学べるYouTubeは、ダイレクトに届けることが出来る過去にない最強ツールだと思っています。
よりリアルを届けることの大変さ。その苦労とは?
セキュリティを面白くって、結構難しそうなイメージですが・・・
まずはどの層に見てもらうかをすごく話合いましたね。
セキュリティ業界では「鎖はいちばん弱い輪以上に強くなれない。」という言葉があります。
セキュリティは一番弱い部分で強度が決まります。
そのため、セキュリティ初心者の方にもわかる、「日本一わかりやすい」をテーマにコンテンツを作りました。このわかりやすさを実現するためには、知識も必要ですが、「初心者目線」になれるあかねさんの存在が鍵を握っています。
かずさん、わかってますね(笑)
動画内でのあかねさんのセキュリティ知識がないからこその素朴な質問も非常に大事で、視聴者と共通言語を持って動画を届けることが出来るのが、視聴者が面白いと思ってくれるポイントの一つだと考えています。
あかねさんが大事な役割をしているんですね。
そうなんです!!キラーン☆
ちなみに有名になるとアンチとか出てきそうですが(笑)
はい、いますね(笑)
そこが難しいでところで、コメントで「ハッカーを語るな!」とか時々言われるんですけど、世間からしてハッカーブランドって結構あって、何かを疎かにしたり、簡単なことをしたり、ツールを使ってのハッキングをしたりすると、ハッカー警察みたいな方が現れて、警告をして去っていくんです。
確かにいそうですね・・・
どうしても専門分野になればなるほど、動画を配信するには十分な知識が視聴者に求められ、知識勝負になってしまうことがよくあります。
知識勝負をしてしまうと数少ない知識のある人のためのコンテンツになってしまうので、いかに知識勝負をしないで当初決めたターゲットに合わせてやり続けられるかが、今後も大切だと思います。
なんかコンテンツ作成大変そうですね。
視聴者に自分事として捉えてもらうためには、「実際の画面・手口」を見てもらうのが効果的だと考えています。
「実際に引っかかってみた」系の動画作成では、リアルの攻撃者のサーバを利用するため、昨日はアクセスできたのに撮影当日にはすでにテイクダウンさせられていてアクセスできないといったことが起きます。
そのため、リアルタイムで稼働している攻撃サーバを探し直すといった苦労もありますね。
うわー、またネタを1から考えるってことですよね・・・
はい、そういうこともあります(涙)また、攻撃サイトの作りによっては、一度引っかかると、二度目からは攻撃画面を表示しない設定になっていたりします。
そのため、撮影時に意図した画面が表示されず、アクセス元IPアドレスを変えて撮影し直したりと工夫が必要なんです。
あとは、カメラがうまく回っておらず最初から撮り直す、といったことも多々あります(笑)
本当にそれ勘弁してほしい(笑)
すんません(笑)
セキュリティ業界でも唯一無二の「ハッカーかずの部屋」?
実は最近、有名な企業が法人向けのサービスを終了させて、個人向けのサービスだけで勝負をするという流れがありました。
え、そうなんですね!知らなかったです。
ですよね!これは今後個人のセキュリティ市場が大きくなっていくという表れですし、私たちもそう考えています。
では今後個人をターゲットにしていくセキュリティ会社が増えるのでしょうか?
そうだと思います。
ただ法人企業が個人に対してセキュリティコンテンツを当てていくのが結構大変なんです。企業としてYouTubeアカウントを作って、セキュリティドラマのコンテンツを作ったり、アバターTwitterアカウントを使ってリーチしたりなど工夫して提供しても、消費者って企業アカウントと分かってしまうと興味を示さなくなる傾向があります。
その点で私たちは、会社発信ではなく、個人のインフルエンサーとして発信しているので消費者は抵抗なく受け入れてもらえるというメリットはあると思っています。
個人として発信することで視聴者の声を聴けるし、声を拾ってコンテンツに活かせたり、企業イメージも気にしないで自由に発信できるので、セキュリティ業界でこれまでなかった唯一無二の存在になっていけるんじゃないかと思っています。
目標は「オンラインのマスク」の常識化!!!
最後に今後のかずさんやあかねさんの「ハッカーかずの部屋」の目標やゴールを教えてほしいです!
サイバーセキュリティの知識を得ることは、「オンラインのマスク」なんです。オフラインのコロナに相当するコンピュータウイルスが、今後いつオンライン上で起こるかわからないです。
なるほど!「マスクでのコロナ対策=セキュリティ被害対策」ということですね!面白い発想!
はい。そうなった時に助けられるのは医者ではなくて僕たちセキュリティに携わる人達だと思っています。
「かずさんの動画を見て被害に遭わなくて済んだ」ってコメントもめちゃくちゃ貰うよね!?
そうそう!嬉しいですね。
YouTubeはそういう被害を無くすための手段であって目的ではないんですが、影響力は必要なので・・・
目標はYouTubeの登録者数100万人です!!!!!!
最高ですね!本当に応援してます!
セキュリティは被害者が加害者になってしまうことが多々あります。自分の端末がウイルスに感染すると、連絡帳を悪用され、自分の知っている身近な人たちへさらなる被害拡大を招きます。
サイバー犯罪者はセキュリティのいちばん弱いところを狙って、そこから芋づる式に情報を奪っていきます。その点で「すべての人」が他人事では済まされません。
1人1人がセキュリティ意識を上げ、実践し、その行動が習慣化されることで、全体強度を底上げしていくことが大事です。自分が被害に遭わないように、加害者にならないように「セキュリティがモラル・常識」になる社会を作るため、今後も活動していきます。
コンピュータを扱う一個人として「セキュリティは一番弱い部分で強度が決まります」という言葉にハッとさせられました。私もハッカーかずの部屋のYouTubeで学び、セキュリティ意識を向上していきたいと思います。
ハッカーかずの部屋
ハッカーかずの部屋のYouTubeチャンネルは以下からご覧になれます。