CODE BLUE 2026 CFP開始:日本最大級の国際サイバーセキュリティ会議が求める「実務に効く知見」と次世代人材

日本最大級のサイバーセキュリティ国際会議「CODE BLUE 2026」が、講演者募集(CFP:Call for Proposals)を開始しました。加えて、コンテストやワークショップの主催団体募集も同時に始まり、コミュニティ主導で知見を持ち寄る“場”としての色合いをより強めています。優れた若手発表者に対して研究奨励金が用意される点も注目され、研究者・実務家・学生が一体となって学術と現場の距離を縮める機会になりそうです。

CODE BLUEとは何か:国際会議としての位置付け

CODE BLUEは、日本のセキュリティコミュニティにおいて国際カンファレンスとして確固たる存在感を持つイベントです。攻撃者視点の技術(脆弱性、エクスプロイト、マルウェア解析)から、防御・運用(検知、インシデント対応、リスク管理、セキュア開発)まで、幅広いテーマが同じ舞台で議論されます。近年はクラウド、サプライチェーン、OT/IoT、AIなど領域が急拡大し、「専門分化」と「横断」の両方が強く求められています。その接点として、実装・運用に落ちる知見を共有できる場の価値が高まっています。

CFP開始の意味:発表テーマは“流行”より“再現性と示唆”が鍵

CFPの開始は、単なる登壇募集にとどまりません。コミュニティとして「いま何を重要課題とみなすか」を言語化し、議論の優先順位を作る行為でもあります。セキュリティはトレンドが速い一方、現場が本当に必要としているのは“翌日から改善できる示唆”です。たとえば以下のような観点が、採択の場面で評価されやすいと考えられます。

  • 再現性:データや検証手順、評価方法が明確で、他者が追試・適用できる
  • 現実性:制約(コスト、運用負荷、組織事情)を踏まえた提案になっている
  • 新規性:新たな攻撃手法・分析手法・防御設計、または既存手法の有効な組み合わせ
  • 影響範囲:特定製品に閉じず、設計原則や運用モデルとして一般化できる

近年のインシデントを踏まえると、話題性の高いテーマとしては、クラウド侵害の横展開(権限管理・ID基盤)、ソフトウェアサプライチェーン(SBOM、署名、ビルドプロセス保護)、EDR回避と検知の攻防、生成AIを用いた攻撃・防御の実践、ランサムウェアの交渉・復旧・法的論点、OT環境の可視化とセグメンテーションなどが挙げられます。とはいえ重要なのは流行への追随ではなく、「何が難しかったのか」「どんな判断基準が有効だったのか」を具体的に示すことです。

若手発表者への研究奨励金:人材投資としてのインパクト

本件で特に意義深いのが、優れた若手発表者に研究奨励金が用意される点です。セキュリティ研究や技術検証は、機材・クラウド費用・学習コストがかかりやすく、継続性が課題になりがちです。奨励金は、研究の継続や追加検証、国際発信の準備に直結する“追い風”になります。

また、若手の登壇が増えるほど、コミュニティは健全に循環します。ベテランの知見に若手の新しい視点が加わることで、特定領域の常識がアップデートされ、結果として企業や社会の防御力が底上げされます。採択されるためには、研究の凄さだけでなく、背景・前提・限界・今後の課題を丁寧に提示し、聴衆が持ち帰れる“学びの構造”を作ることが重要です。

コンテスト・ワークショップ募集:実践型学習の裾野を広げる

講演に加えて、コンテストやワークショップの主催団体募集が始まった点は、参加者体験を大きく左右します。セキュリティは座学だけでは身に付きにくく、手を動かして初めて「攻撃の成立条件」や「防御の落とし穴」が理解できます。特に次のような形式は、現場への波及効果が高い傾向があります。

  • ハンズオン:ログ分析、クラウド設定監査、フォレンジック、検知ルール開発などを実データで学ぶ
  • CTF/競技:脆弱性発見から攻略、リバース、OSINTまでを段階的に体験する
  • テーブルトップ演習:ランサムウェアや情報漏えいを想定し、意思決定・広報・法務連携を訓練する

企業にとっては、こうした場に社員を参加させることで、教育投資の効果を測りやすくなります。個人にとっても、成果物(検知ルール、分析レポート、ツール、手順書)として残せるため、キャリア形成に直結します。

専門家としての提言:CFPに通る提案、組織が得るべき学び

登壇提案(CFP)を検討する人は、内容を「成果」だけでなく「意思決定のプロセス」まで含めて構成するのが有効です。たとえば、どの脅威モデルを置いたか、なぜその評価指標を選んだか、運用コストをどう見積もったか、といった点は、聴衆が自組織へ移植する際の重要情報になります。

一方、参加を検討する企業・組織側は、イベントを単発の学習で終わらせない工夫が必要です。カンファレンスで得た知見を、次のように社内施策へ落とし込むと投資対効果が高まります。

  • セキュア開発やクラウド運用のチェックリスト更新(現場で使う形に翻訳する)
  • 検知・監視のギャップ整理(MITRE ATT&CK等へのマッピングと優先順位付け)
  • インシデント対応計画の見直し(連絡網、初動手順、復旧基準、外部委託範囲)
  • 人材育成ロードマップの更新(役割別に必要スキルを定義し、演習と紐付ける)

セキュリティは「導入したら終わり」ではなく、脅威と事業の変化に合わせて設計と運用を更新し続ける活動です。CODE BLUE 2026のCFP開始は、そうした継続的改善のための知識流通を加速させる契機になるでしょう。

まとめ:知見の共有が防御力を底上げする

CODE BLUE 2026は、登壇者・主催者・参加者がそれぞれの立場で貢献し、学び合うことで価値が最大化する国際会議です。若手向け研究奨励金は次世代への投資として重要であり、コンテスト・ワークショップ募集は実践的スキルの裾野を広げます。登壇を目指す人は再現性と示唆を重視し、参加する組織は得た知見を運用と教育に落とし込む——その循環が、日本全体のサイバー防御力を押し上げます。

参照リンク:日本最大級のサイバーセキュリティ国際会議「CODE BLUE 2026」講演者募集(CFP)を開始(チバテレ+プラス)

CODE BLUE 2026 CFP開始:日本最大級の国際サイバーセキュリティ会議が求める「実務に効く知見」と次世代人材
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