コンビニWi-Fiのセキュリティ上の安全性

Wi-Fiスポットをサービスとして提供している場所は、飲食店や公共施設、ホテル、空港、駅だけでなく、今や一般企業がオフィス内で来客用に提供するところもあり、インターネットへの接続に困るような状況はもはやなくなったと言っても過言ではありません。
そんな中、外出先でふとWi-Fi接続しようとする際、スマートフォンやノートパソコンなどの画面上の表示される接続先一覧に「セブンイレブン」や「ローソン」、「ファミリーマート」といったコンビニのWi-Fiスポットを目にする機会が少なくないでしょう。
当コラムでは、コンビニにおいて提供されているフリーWi-Fiにフォーカスして、利用時のセキュリティ面も交えて記述していきます。

大手コンビニ3社のWi-Fサービス各種について

国内において主要コンビニと言える3社「セブンイレブン」、「ローソン」、「ファミリーマート」の日本国内の店舗数について、2019年3月時点で日本フランチャイズチェーン協会が公開したデータによるとセブンイレブンが20,904店舗、ファミリーマート15,502店舗、ローソン14,663店舗とのことです。
日本国内にはコンビニ主要3社だけで、少なくとも51,000以上の店舗が点在している状況です。
そして、これらのほぼ全店舗内において無料で利用できるフリーWi-Fiスポットが設置されております。
ここで、3社の提供しているフリーWi-Fiサービスについて、それぞれ簡単にふれていきます。

・セブンイレブン

サービス名は「7SPOT」で、セブン&アイグループ系列の百貨店やファミレス、雑貨店を含む店舗においてサービス展開。
アプリなどは必要なく、初回に「セブンスポット会員」に利用登録(メールアドレス情報を入力)することで利用でき、1日に最大3時間まで無料でWi-Fi接続ができる。

・ファミリーマート

サービス名は「Famima_Wi-Fi」で、ブラウザからの利用も可能ですが専用アプリ経由で接続すると最大3時間無料で利用できるという仕様。

・ローソン

サービス名は「LAWSON_Free_Wi-Fi」で、初回にメールアドレスを入力して会員登録が必要。
1日に最大5時間無料で利用でき、海外観光者向けのWi-Fiサービスである「Japan Connected-free WiFi」にも対応。

以上のように、各社で提供しているサービス内容に多少の違いはあれ、特別難しい操作が必要ということもなく、全国のいたるところに点在する店舗数からもよほどの郊外地域でない限りいずれかのコンビニのWi-Fiスポットが利用できるというメリットがあります。

コンビニWi-Fi利用時のセキュリティ

これまでコンビニのWi-Fiサービスのメリットの部分を主に取り上げましたが、一方で利用にあたりセキュリティ面にも気を付けるべきポイントが大きく2点あります。

・通信内容が暗号化されていない

コンビニ各社に限ったことではありませんが、現在無料として提供されているWi-Fiサービスの大半のネットワークは、「暗号化」がされておりません。
これは、インターネット利用中の閲覧中のサイトや送受信しているメール内容、通話が筒抜けになっていることを意味しております。
万が一、悪意のある利用者が近くにいた場合、これらの情報を見られてしまう可能性があります。

・偽装される接続先(SSID)に注意

これはいわゆるサイバー攻撃の手口のひとつで、Wi-Fi接続先(SSID)になりすました偽装のWi-Fiスポットを設置するというもので、正規のSSIDと思って接続した利用者の情報を窃取することを目的にしております。
難点は、偽装に使用されるSSIDが公式と全く同じもので設置されているケースが多いため、一見して見分けが難しいところにあります。

フリーWi-Fiサービスは便利さだけに目が行きがちですが、それを悪用されるリスクがあるという事実に目を向けることで、それを防ぐためにはどうすればいいのかと意識が向きます。

コンビニWi-Fiを安全に利用するために

セキュリティは、まずリスクがあることを認識することからすべてが始まります。
スポーツなどでもあらかじめ相手チームの特徴や得手不得手などを事前にチェックし、それらへの対策を練ることと同じように、フリーWi-Fi利用時においてもどのようなリスクがあるのかを事前に知ることで対策ができます。

・ネットワークを個別に暗号化する

有効な方法として「VPN(Virtual Private Network)」接続が挙げられます。
これは、文字どおりネットワークを自分だけ(Private)のために仮想化(Virtual)することで、インターネット利用中の閲覧サイトやメール内容を秘匿にします。
トレンドマイクロやノートンといった有名セキュリティベンダーが提供するセキュリティアプリケーションには、VPN機能が必ず備わっておりますので、所有するスマートフォンやパソコンに導入しておくと効果的です。

・暗号化されているwebサイトを利用する

URL欄の出だし部分が緑色で「https」で始まるWebサイトは、通信内容がすべて暗号化されている安全性の高いページになります。
こうしたwebサイトは、SSL通信という送受信する情報を暗号化する技術(SSL化)が適用されていることが証明されているため、外部から情報が見られたり逆に流出したりするリスクが低いと言えます。
ネットバンキングや通販サイトなどでは、SSL化がされているケースが多いですが、まだまだ適用されていないサイトも少なくありません。
URL部分を見れば一目瞭然なので、URLの冒頭部分が「https」ではない「http」のサイトだった場合、個人情報や機密情報の入力は控えて下さい。

・フリーWi-Fiサービスを使わない

セキュリティの観点で言えば、最も有効な方法ではありますが、どうしても利用したいケースなどにおいては取り扱うデータの重要性を意識するということです。
フリーWi-Fiでインターネットに接続しているときには、個人情報や機密情報をやり取りするような業務などでの使用は控え、情報収集や娯楽などに利用を限定するといったものです。

コンビニWi-Fiを安全に利用するためのリスクや対策方法などを紹介してきましたが、実際に被害に遭う確率は高くはないかもしれません。
重要なのは、コンビニに限らずフリーWi-Fi利用時には多少のリスクがあることを意識した利用をするということです。
自分だけで判断が難しい場合は、知り合いの有識者やセキュリティ業者に相談するなども非常に有効的です。

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