「もう人間では防げない…」24時間攻撃し続けるAIボット 変化するセキュリティ責任者の役割

量子技術、サイバーセキュリティなどテクノロジー分野で展開する「タレス(Thales)」社から、2026年のサイバーセキュリティに関する予測が公式ブログやポッドキャスト「Thales Security Sessions」から公表された。
これらの予測は、人工知能(AI)の急速な進化がもたらす新たな脅威を中心に据えている。

タレスアプリケーションセキュリティ部門のグローバルバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーである「ティム・チャン」氏は、ポッドキャストで2026年の主な脅威として、AIを活用した「捕食者ボット」(predator bots、24時間稼働して攻撃を自動化するAIボット)の登場を挙げた。
これらのボットは睡眠を取らず、機械的な速度で攻撃を行い、従来の企業ネットワークの境界を守るだけのセキュリティでは対応しきれなくなると指摘した。
また、API(Application Programming Interface、異なるソフトウェア同士がデータをやり取りするための仕組み)のトラフィックが爆発的に増加し、これが新たな脆弱性を生む可能性が高いと警告。
こうした状況下で「Security Anywhere」(場所を問わずどこでもセキュリティを適用する考え方)が不可欠になると強調した。

タレスの公式ブログでは、2026年1月8日に公開された記事で、CISO(最高情報セキュリティ責任者)の役割が大きく変わると予測されている。
これまで技術的な防御管理が中心だったCISOの仕事は、サイバーリスクを金銭的な損失として定量化し、取締役会に報告する財務リスク管理へとシフトするという。
企業はサイバーリスクを経営の必須指標として扱うようになり、セキュリティを単なるコストではなくビジネス競争力の基盤と位置づける動きが強まるとの見方とされる。
また、2025年12月12日にセキュリティメディア「Cybersecurity Asia」で報じられた情報によると、アジア太平洋地域向けの予測として、サイバーセキュリティの基礎的な対策への再注目とAI活用の緊急性が強調されている。
取締役会レベルでサイバーリスクのガバナンスが義務化され、AIの導入と運用上の信頼性を両立させるバランスが課題になるという。
さらに、タレスは量子コンピュータの脅威についても触れ、従来の暗号化が破られる「量子時代」への備えとして、量子耐性を持つ新しいハードウェアの導入が2026年に本格化すると予測した。企業は今のうちに量子耐性設計を優先した暗号化対策を進める必要があるとしている。

タレスはこれらの予測を通じて、企業や一般市民がAIやAPI、量子技術の進化に伴うリスクを理解し、基本的なセキュリティ対策を強化する重要性を訴えている。

【参考記事】
https://cpl.thalesgroup.com/blog/cybersecurity/resilience-fundamentals-data-trust-enterprise-security-reset-2026
https://cpl.thalesgroup.com/podcasts/data-security-sessions/cybersecurity-predictions-2026-podcast

 

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