ITニュースを中心に取り扱う企業「Comparitech」は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場している大手企業を対象に、情報漏洩が企業にどのような影響を与えるかを調査しました。
調査概要
調査対象となった企業には、AppleやFacebook、Sony、Capital Oneといった企業をはじめとする28社が対象として行われ、過去100万件以上の情報漏洩を起こした企業や複数回にわたってサイバー攻撃の被害に遭っている企業が含まれております。
調査は、各企業の株価の変動値を参考に実施されており、その結果では企業の情報漏洩が発生した14日後には株価が全体的に7.27%下がっており、ナスダック総合指数を-4.18%下回る結果が出たとのことです。
さらに、クレジットカード情報や社会保障番号などの、被害に直結しやすい個人情報を流出させた場合はより下落幅が大きいことも判明しているとのことです。
“流出疲れ” で問題意識の希薄化
しかし、情報漏洩が企業に大きな影響を与えていることは明らかながらも、一概に悪影響だけではないことが以下の結果から分析されている。
・近年情報漏洩を起こした企業の株価は、1か月を境に回復傾向に向かい、流出前よりも高値を記録する企業もあった |
・2012年より以前に情報漏洩を起こしたT.J.マックスやSonyは、近年インシデントを起こした企業と比べて株価の下落幅が大きかった |
・業界によって影響の度合いも異なり、金融関連企業が最も大きな打撃を受けていた一方で、ヘルスケアや小売企業は影響が少ない |
以上の結果からComparitechは、近年大手企業での情報流出問題が続出した結果、“流出疲れ”と呼べる現象が起こっており、株式市場の反応が鈍くなってきているとの分析見解を述べております。
【参考URL】 ◆情報漏えいは大手企業の株価にどう影響しているか–Comparitech調査 ◆情報漏洩が株価に与える影響。短期的には下落するが一ヶ月後には反発する傾向がデータから浮かび上がった。 ◆https://www.msn.com/ja-jp/money/other/米株式市場で個人情報の「流出疲れ」、大手28社調査で判明/ar-BBWw1bl |