MandiantとSentinelOneが戦略的パートナー Mandiant AdvantageにSingularity XDR

 脅威インテリジェンスのMandiant(米ヴァージニア州)がAIによる自律型XDR(Extended Detection and Response)プラットフォームを提供している新興のサイバーセキュリティ企業SentinelOne(米カリフォルニア州)と戦略的提携を結ぶことを発表しました。この提携によりMandiantのインシデントレスポンスにおいてSentinelOneのSingularity XDRプラットフォームを活用することが可能になるということです。

分離したFireEyeはMcAfeeと統合してTrellixに

 Mandiantは、2004年にRed Cliff Consultingとして設立され、2006年にMandiantに商標が変更されました。持続的標的型攻撃(APT)に対する先駆的な調査・分析で知られ、2013年2月に同社が発表したAPT1に関するレポートはサイバースパイ活動における中国の国家的な関与を初めて具体的に指摘し大きな反響を呼びました。同年10月には独自のサンドボックス技術をもつサイバーセキュリティ企業のFireEyeによって約10億ドルで買収され、以降はFireEyeの脅威インテリジェンス部門として活動が展開されてきました。

 しかし、昨年6月、FireEyeは、FireEyeの名称を含む同社の製品事業をSymphony Technology Group(STG)が率いるコンソーシアムに約12億ドルで売却する契約を締結したことを発表、これに伴いFireEyeのネットワーク、Eメール、エンドポイント、クラウド・セキュリティ製品と、関連するセキュリティ管理およびオーケストレーション・プラットフォームが、Mandiantのサービスから分離され、Mandiantは再び独立した企業としてMandiant Advantageプラットフォームによる脅威インテリジェンスの分析、専門知識の提供を手がけるようになりました。一方のFireEyeはサイバーセキュリティ企業のMcAfeeと統合されて新会社となり、先月、新会社名がTrellix(トレリックス)と発表されました。

「SentinelOneはインシデントレスポンス技術の標準」

 目まぐるしく変化しているサイバーセキュリティ業界にあって、Mandiantに関してはマイクロソフトが買収を検討しているとの報道もありますが、サイバー脅威の分析を長年手がけてきたMandiantが新たな戦略パートナーに選んだのは新興のサイバーセキュリティ企業のSentinelOneでした。SentinelOneは2013年にともにイスラエル出身で同社CEOの TomerWeingarten氏と共同創設者のAlmogCohen氏によって設立されました。独自のAIテクノロジーを活用して、エンドポイント、コンテナ、クラウドワークロード、IoTデバイス全体の防御、脅威検知、インシデント対応、および脅威ハンティングを提供し昨年、ニューヨーク証券取引所への上場を果たしました。

 SentinelOneのCOOであるNicholas Warner氏はMandiantとの提携について「Singularity XDRプラットフォームは、攻撃を迅速かつ自律的に防止、検出、対応するように構築されており、インシデントレスポンスを迅速化します。SentinelOneは、大手サイバーセキュリティサービスプロバイダーに支持され、急速にインシデントレスポンス技術の標準になりつつあります。Mandiantとの提携は当社の能力と市場での地位を立証するものです」と話しているということです。

 またMandiantのEVP兼グローバルCTOのMarshall Heilman氏は「SentinelOneと提携することで、比類のない脅威検知と対応能力を通じて、顧客の環境を保護し、将来のリスクを軽減するための支援をさらに強化することができます。Mandiant Advantageは、このような戦略的パートナーシップをサポートするために設計されたもので、今後も継続的に機能を拡張していくことで、すべての組織をサイバー脅威から守ることを目指します」などと話しているということです。

 Mandiant Advantage XDRプラットフォームは、インテリジェンス主導の技術によって企業がセキュリティコントロールを強化し、攻撃者に先んじて対策を行えるよう支援するもので、SentinelOneのSingularity XDRプラットフォームをMandiant Advantageと統合することで、可視性、自動化、アラートの優先順位付けが強化され、顧客がより迅速かつ正確に脅威を診断・修正することができるようになるということです。

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