2億9000万名規模のフランス大手通信業者、サイバー攻撃被害 中国ハッカー関与か

2025年7月25日、フランスの大手通信事業者である「Orange」が、情報システムに対するサイバー攻撃を検知したと発表。
この攻撃により、フランスを中心とする一部の顧客向けサービスに障害が発生したとみられている。
Orangeは、ヨーロッパやアフリカなどで2億9000万名以上の顧客を抱えている。

攻撃の概要とOrangeの対応

7月25日、同社は内部システムへの不正アクセスを検知。
即座に「Orange Cyberdefense(オレンジのサイバーセキュリティ部門)」が対応を開始した。
影響を受けたシステムを隔離することで、さらなる被害の拡大を防ぐも、この措置により、個人顧客や法人向けサービスの一部に影響が発生している。
現時点で、顧客情報や機密データの流出は確認されておらず、Orangeはフランスのサイバーセキュリティ機関「ANSSI(国家情報システムセキュリティ庁)」と連携して調査を進めているとのこと。

業界への影響と背景

専門家によると、今回の攻撃は通信業界を標的とした一連のサイバー攻撃の一部である可能性が指摘されており、特に、欧州の重要インフラに対する国家支援の攻撃が増加しているとの警告がANSSIから出されている。
通信事業者が高度なセキュリティ対策を講じる必要性が改めて浮き彫りになった。
また一部の報道では、攻撃の背後に特定のハッカー集団(中国のSalt Typhoonグループなど)が関与している可能性が取り沙汰されているが、Orangeは攻撃者の詳細について公表していない。
過去には、2025年2月にOrangeのルーマニア支社がHellCatランサムウェアグループによる攻撃を受けた事例もあり、通信業界全体がサイバー攻撃の標的となりやすい状況が続いている。

【参考記事】
https://www.bleepingcomputer.com/news/security/french-telecommunications-giant-orange-discloses-cyberattack/
https://therecord.media/orange-telecom-france-cyberattack
https://cyberpress.org/orange-telecom-faces-cyberattack/

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