REXTへのランサムウェア攻撃でJEANS MATE店舗の支払いが制限、原則現金のみの対応に

2026年8月、REXT社のネットワークに対するランサムウェアによる不正アクセスが原因でシステム障害が発生し、その影響により同社が展開する「JEANS MATE」店舗において支払い方法が制限され、一部店舗を除き支払いは原則として現金のみとする暫定対応が取られている。

事案の詳細

公表された情報によると、REXT社の一部社内ネットワークシステムに対してランサムウェアによる不正アクセス被害が発生した。ランサムウェアは、企業内のシステムやデータを暗号化するなどして利用を妨げ、復旧や情報公開の抑止を条件に金銭を要求する攻撃として知られている。本件では、REXT Holdings株式会社が2026年8月10日に、子会社REXT株式会社の一部社内ネットワークシステムでランサムウェアによる不正アクセスを確認したことを公表し、その後、REXT株式会社ジーンズメイト事業部が2026年8月11日に自社ネットワークへの不正アクセスによるシステム障害について告知している。

どのシステムが具体的に影響を受けたか、攻撃の侵入経路、暗号化がどの範囲まで行われたかといった技術的詳細は公表情報では明らかにされていない。一方で、REXT社が運営する店舗群(WonderGOO、WonderREX、新星堂、HAPiNS、JEANS MATEなど)や関連サービスで、一部休業やサービス制限が発生したことが示されており、JEANS MATE店舗についてはレジ・決済関連システムの障害が支払い方法の制限として顕在化した形になっている。

影響として、JEANS MATEの店舗における支払い方法が制限され、多くの店舗で支払いは原則として現金のみとされている。店舗ではシステム障害に伴い、レジ業務の一部を手作業で行う会計対応が実施されており、そのため会計処理に通常より時間がかかる場合があると案内されている。また、一部のショッピングセンター内店舗では、施設側のシステムを利用するなどの事情により、例外的にキャッシュレス決済が利用可能な場合があることも公表されている。

なお、「JEANS MATE公式オンラインショップ」については、システム障害の影響を受けず、通常どおり営業・利用可能とされている。一方で、今回の攻撃に伴い、顧客情報や従業員情報などの情報資産がどのように扱われたか、具体的な情報流出の有無や被害の範囲、完全な復旧時期の見通しについては、現時点では詳細が公表されていない。REXT側の発表では、顧客の個人情報や取引先情報等の外部漏えいの可能性は極めて低いと推定しているものの、その可能性を完全には否定できない状況にあるとされており、詳細は現時点で不明な部分も残されている。

影響と背景

今回の事案は、サイバー攻撃がIT部門内部の技術的問題にとどまらず、店舗のレジ前という顧客接点にまで直接的な影響を及ぼし得ることを具体的に示した。決済は日々の店舗運営における中核業務であり、その手段が制限されると、来店客の利便性低下や待ち時間の増加、店舗オペレーションの負荷増大という形で直ちに現場へ影響する。

REXT社のネットワークに対するランサムウェア攻撃は、同社が運営する複数ブランドの店舗に一部休業やサービス制限をもたらし、JEANS MATE店舗においては「支払いは原則現金のみ」「ポイントサービスの休止」「一部手作業による会計」といった暫定運用を必要とする事態となった。これは、ランサムウェアが企業活動の継続性を脅かす攻撃として広く認識されていることを裏付ける具体例であり、決済・売上管理といった基幹業務が停止・制限されることで、顧客体験と収益管理の双方に影響が波及する。

対策・今後の展望

本件で明らかになったのは、サイバー攻撃によりシステム障害が発生した際、店舗レベルでの暫定運用や代替手段の整備が不可欠になるという現実である。事業者側には、ランサムウェアなどの攻撃の発生を前提に、決済や売上管理を含む重要業務が制限された場合に備えた事業継続計画(BCP)や代替プロセスをあらかじめ用意しておくことが求められる。

現金対応のような暫定措置を円滑に実行するには、現場の従業員が迷わず運用できるルールの整備、顧客への店頭・ウェブサイトを通じた周知、問い合わせ対応窓口の明示などが重要となる。また、決済端末や売上管理システムに依存しないバックアップ手続き(手書き伝票や手作業でのレジ締めなど)を事前に訓練しておくことで、システム障害時の混乱を抑えられる。

CSRIからの現場アドバイス

【現場で何が起きているか】CSRIが支援する中小企業のMDR(Managed Detection and Response)運用では、サーバや端末上で不審な暗号化処理が連続して発生したり、管理者権限による一斉ログインが検知されるといったアラートが目立つ。診断の現場では、リモート接続の入口となる機器の設定や、多重バックアップ・オフサイトバックアップなどバックアップの分離が十分に整備されていないまま運用されている例が多く確認される。

【平易な解説】ランサムウェアは、例えるなら事務所の鍵穴に接着剤を流し込み、中の書類棚も開かなくして「元に戻すなら金銭を」と迫るようなものだ。つまり、データそのものは存在していても、暗号化などにより利用できなくなり、会計や在庫管理など日常業務が止まる危険があるということだ。

【今週中にできること】まず、決済や売上管理に関わるPC・サーバのバックアップが「別の場所」に保管されているかを確認する。次に、現場向けに「障害時は現金対応」「連絡先」「判断権限」を1枚のドキュメントにまとめて共有し、障害発生時の手順をあらかじめ明確化する。最後に、管理者パスワードの使い回しがないか、複数システムで共通のパスワードを利用していないかについて担当者と点検し、必要に応じて変更・強化を行う。

参照: REXTへのランサムウェア攻撃、JEANS MATE店舗での支払いは原則として現金のみに

REXTへのランサムウェア攻撃でJEANS MATE店舗の支払いが制限、原則現金のみの対応に
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