大阪商工会議所が中小企業のセキュリティを支援
7月3日、大阪商工会議所は、中小企業向けのセキュリティ対策事業を展開することを発表。経済産業省の予算で新設された「サイバーセキュリティお助け隊」に関して、全国8カ所のエリアのうち、大阪府、京都府、兵庫県の3エリアを、大阪商工会議所が請負っていました。
「サイバーセキュリティお助け隊」は、具体的には、京阪神3府県で、100社の中小企業向けに無料でUTM(統合脅威管理)を設置し、保守運営、および駆けつけサポートまでを無料で提供します(経産省からの予算で賄われる)。
本事業の対象企業は、7月から本格的に募集を開始するが、すでに50社程度の応募が来ているとのこと。応募は原則、応募順に審査されるが、規模などの面で、全ての企業が対象となるわけではなく、応募済みの企業のなかに対象外の企業があり、引き続き募集を続けている。8月中旬中下旬までに100社集め終わる計画とのことです。
また、本事業の、駆けつけサポートの面を担当する、地域のITベンダーに関しても各エリアごとに募集中です。
東京海上日動や、NEC、キューアンドエーなども協力
今回の記者会見に参加したのは次の5名。
・大阪商工会議所 企業成長支援委員会 廣瀨 恭子 氏
・東京海上日動火災保険株式会社 常務執行役員 平松 均 氏
・日本電気株式会社 執行役員 橋谷 直樹 氏
・キューアンドエー株式会社 取締役副社長 曽我 健史郎 氏
・サイバーセキュリティお助け隊アドバイザー 森井 昌克 氏(神戸大学大学院教授)
※会見時の紹介順
大阪商工会議所は、本事業において、NEC、東京海上日動火災保険、キューアンドエー、および地域のITベンダーと協力して展開を予定しています。
実証実験の結果 中小企業のセキュリティ対策はまだまだ不十分
本事業は、これまで大阪商工会議所が実施した中小企業のセキュリティに関する実証事業の結果を受け、今回の展開となりました。
大阪商工会議所は、平成29年3月~6月に、「中小企業におけるサイバー攻撃対策に関するアンケート調査」を実施。標的型攻撃メールの受信が18%、ランサムウェアによる被害が7%という回答だった一方で、約7割の企業が、サイバー攻撃を受けているか分からない、といった回答だった。
また、平成30年9月~平成31年1月までの期間に、中小企業30社の協力のもと、ネットワーク上の通信データを収集し、調査分析しました。その結果、30社中30社に、何らかの不正アクセスの見地がありました。さらに、一部の企業では、攻撃が成功していて実害を受けていた企業もあったとのことです。
こうした、数年にわたる大阪商工会議所の実証事業の末に、今回、関係各社との協力のもと、「サイバーセキュリティお助け隊」に繋がっています。
半年間、専用の機器だけでなく、サポートも利用できるので、UTMの導入を検討中の企業にとっては、試しに利用してみる良い機会かもしれません。ぜひ一度、大阪商工会議所にお問合せしてみてはいかがでしょうか?