摂南大学、9千名超える卒業生情報を誤送信 チャットシステム設定ミス

大阪府の私立大学「摂南大学」において、生徒情報の流出が発生した。

公表によると、就職部の職員が誤って学生向けチャットシステム「Microsoft Teams(マイクロソフト チームズ)」上に、卒業生の個人情報を含むファイルを送信したという。
問題の発端は、2023年7月に同大学の就職部が作成した「先輩就職先情報リスト」にある。
このリストには、2017年度から2022年度までの卒業・修了生の情報が含まれており、当初の目的は進路情報の共有だった。
しかし、個人情報が含まれたシートを削除しないままのファイルが、2023年8月から2025年5月の期間にかけて、学生122名に提供されていた。
2025年5月30日、相談を受けた学生からの指摘によって情報流出が発覚している。
誤って送信されたファイルは、学籍番号、氏名、学部・学科名、性別、生年月日、現住所、電話番号・携帯番号、メールアドレス、就職先・職種などが該当している。
対象者は、2017年度から2022年度に卒業または修了した9,213名で、ファイルの送信先は、摂南大学の在学生および卒業生あわせて122名だった。
本件の原因は、就職部職員が「Microsoft Teams」で学生にファイルを送信する際、個人情報を含むシートを削除せずに誤って共有したことにある。
業務上の確認体制や情報管理の不備が重なり、長期間にわたり問題が見過ごされていた。

情報流出が確認された翌日の2025年5月31日、問題のファイルはすべて削除され、現在は閲覧できない状態にある。
2025年6月5日時点で、流出したデータが外部で悪用されたとする事例は確認されていないとのこと。
摂南大学は以下の対応を進めている。

・被害対象となる卒業・修了生9,213名に対して、謝罪文書を順次郵送
・ファイル送信先となった在学生へは個別説明と謝罪の実施
・既卒の送信先学生へも謝罪文書を郵送
・2025年6月4日付で個人情報保護委員会(内閣府の委員会)への報告を完了

大学は本件を重く受け止め、再発防止に向けた取り組みを公表している:

・教職員への個人情報管理に関する注意喚起の実施
・メール・チャット送信時に添付ファイルの確認体制を強化
・情報セキュリティおよび個人情報保護に関する学内研修の強化
・法令遵守を徹底するための継続的な啓発

摂南大学は、「関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」とコメント。
今後の対応に誠実に取り組む姿勢を示しており、問い合わせについては専用窓口で受け付けているという。

【参考記事】
https://www.setsunan.ac.jp/

最新情報をチェックしよう!