3月12日、ポーランドの核科学研究所「国立原子力研究センター(NCBJ)」で使用されているITシステムで不正アクセスによるサイバー攻撃が検知された。
研究所側は即座に攻撃を検知し、封じ込めに成功。
システムの破壊やデータの流出は一切なく、研究所の日常業務や研究活動に乱れは生じていない。
NCBJの公式発表によると、セキュリティチームと事前に整備された防御手順が迅速に機能し、攻撃の侵入を未然に防いだという。
研究所長のヤクブ・クペツキ教授は「生産、運用、研究のどのプロセスも中断されず、MARIA研究炉は安全にフルパワーで稼働を続けている」と強調。
MARIA炉はポーランド唯一の稼働中の研究用原子炉で、科学実験や医療用同位体の生産に欠かせない施設だ。
デジタル大臣を兼務する副首相のクシシュトフ・ガフコフスキ氏は、事件直後のテレビインタビューで「ここ数日以内に攻撃の試みがあり、突破は阻止された。センターは安全だ」と語っている。
同時に、攻撃の入り口となる痕跡の一部がイランに関連する可能性を指摘。
ただし、「最終的な結論を出すにはさらなる検証が必要で、意図的に他国を装う偽装工作の線も捨てきれない」と慎重な姿勢を示した。
政府は対応として、国家サイバーセキュリティ機関やエネルギー省と連携し、詳細な調査を進めている。
事件から約10日以上が経過した現在も、追加の攻撃や被害拡大の報告はなく、研究所は通常通り稼働を維持しつつ関係省庁とともに監視態勢を続けている。
ポーランド政府は「国家の重要インフラを守るための連携をさらに強化する」との立場を示している。
一方で「こうした攻撃が単発で終わる保証はない」とする専門家からの指摘も上がっており、攻撃者の動機や真の背後関係に注目されている。
【参考記事】
https://www.securityweek.com/hack-attempt-reported-at-polands-nuclear-research-center/
https://www.ncbj.gov.pl/aktualnosci/udaremnienie-cyberataku-na-narodowe-centrum-badan-jadrowych
https://www.bleepingcomputer.com/news/security/polands-nuclear-research-centre-targeted-by-cyberattack/