アメリカのクラウド・サイバーセキュリティ企業「アカマイ・テクノロジーズ」は2025年12月11日、アジア太平洋地域における2026年のクラウドとセキュリティに関する予測を発表。
この予測では、AIの進化がサイバー攻撃を加速させ、デジタルインフラの構築と保護に大きな変化をもたらすと指摘されている。
セキュリティ面では、自律型AIが攻撃コードを自動生成・展開することで、データ侵害の発生から影響が出るまでの時間が数時間に短縮されると予想。
特にシンガポール、韓国、日本などのデジタル化が進んだ国でリスクが高まる見込みだとされている。
また、API(Application Programming Interface:アプリ同士がつながるための仕組み)が攻撃の主な入り口と予測されている。
アジア太平洋地域の組織の80%以上が過去1年間にAPI関連のセキュリティ問題を経験したデータから、2026年にはアプリケーション層攻撃の半数以上をAPI経由のものが占めると見込まれている。
さらに、RaaS(Ransomware as a Service:ランサムウェアをサービスとして提供する仕組み)の普及により、ランサムウェア攻撃が商品化され、金融、ヘルスケア、小売、ハイテク産業が狙われやすくなるとされている。
クラウド面では、データ主権(各国が自国データを国内で管理する考え方)の強化が進むという。
大手クラウドプロバイダーへの依存を減らすための柔軟な移行が重要になると指摘されており、インドやオーストラリアがこの動きをリードしている状況とのこと。
一方、分散型AIの採用が増え、AIの処理をネットワークの末端で行うことで遅延を減らし、モバイルサービスや公共サービス、産業自動化に影響を与えると予想されている。
また、AIデータサプライチェーン全体の保護が必要となり、AI脅威を検知・ブロックするAIファイアウォールの導入が加速する見込みだ。
【参考記事】
https://www.akamai.com/blog/security/year-review-2025-ai-apis-audacity