「Operation system not found」とは「OS(Windows)が見つからない」という意味です。このとき、PCはWindowsを発見できておらず、正常に起動できない状態に陥っています。
原因としてはWindowsのシステムが破損しているほか、Windowsを格納しているストレージ(HDD/SSD)が物理的に破損している可能性も考えられます。この記事では「Operation system not found」と表示される詳細な原因や、適切な対処法を解説します。
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類似するエラーメッセージ
PCのメーカーや機種によっては、「Operation system not found」と同様の意味合いを持つエラーメッセージが複数存在します。たとえば次のようなものがあります。
Invalid system disk | システムディスクが無効です。 |
---|---|
Non-System disk or disk error | システムディスクが存在しません。あるいはディスクのエラーが発生しています。 |
DISK BOOT FAILURE | パソコンの起動にかかわるディスクの動作に失敗しました。 |
Missing Operating System | OSが見つかりません。 |
「Operation system not found」が表示される原因
「Operation system not found」が表示される原因は次のとおりです。
- ストレージ(HDD/SSD)に障害が発生している
- BIOSが破損・不具合を起こしている
ストレージ(HDD/SSD)に障害が発生している
Windowsが格納されている内蔵ストレージ(HDD/SSD)が障害を起こすと「Operation system not found」と表示されることがあります。
ストレージ障害には「物理障害」と「論理障害」の2種類があります。
物理障害
「物理障害」とは、ストレージが物理的に破損することで起こる障害です。物理障害を引き起こしてしまう原因としては「物理的衝撃」と「経年劣化」が挙げられます。
物理障害の場合、主に下記のような症状が発生します。
- カチカチ・カタカタと異音がする
- 焦げたようなにおい(異臭)がする
- 頻繁に再起動・フリーズする
- OSが起動せず「Operating System Not Found」「DISK BOOT FAILURE…」などエラーメッセージが出る
物理障害の場合、修復やデータ復旧を行うには、部品交換やファームウェア(制御部品)修復を行う必要があります。ただし交換用部品は、同じメーカーから同時期に製造されたものでなければ互換性がなく、対処することは出来ません。また交換作業は手術室クラスに清浄な空間で行う必要があります。
その上、ファームウェア情報は原則非公開のため、復旧時はファームウェア情報を解析する必要が生じます。これらは個人で対応可能な範囲を超えているため、専門業者に依頼するのをおすすめします。
論理障害
「論理障害」とは、データやフォルダ構成に不具合・破損が原因で起こる障害です。論理障害を引き起こしてしまう原因としては「データ読み書き中の強制終了」「誤操作による起動ファイルの削除」「ウイルス感染」が挙げられます。
論理障害の場合、頻繁に再起動・フリーズしたり、OSが起動せず「Operating System Not Found」「DISK BOOT FAILURE…」などのエラーメッセージが表示されることがあります。なお、物理障害でも同様の症状が起こることもあるので対処には注意が必要です。
代表的な論理障害としては次のものがあります。
- システムファイルが破損している
- MBRが不具合を起こしている
システムファイルが破損・不具合を起こしている
システムファイルは、OS(Windows)の動作に必要不可欠なファイルです。もし、ここに不具合・破損が発生していると、PCはOSを見つけられず、「Operating System Not Found」といったエラーメッセージが表示されることがあります。
MBRが不具合を起こしている
PCは起動すると、まずBIOSが起動し、内蔵ストレージ(HDD/SSD)の読み込みを開始します。その際、最も先頭にある「MBR(マスターブートレコード)」という、PCの起動に関わるプログラムが格納されているセクタを読み込み、OSが起動します。
そのため、「MBR」に不具合・故障が起きていると、OSを読み込むことができず、「Operating System Not Found」などのエラーメッセージが表示されます。
BIOSが破損・不具合を起こしている
BIOSとは、PCの起動にかかわる基本的なプログラムです。PCは起動すると、まず最初にBIOSを読み込みその後「MBR」を経て、各ドライブを起動するように設定されます。
通常、PCは内蔵ストレージ(HDD/SSD)からOSを起動するように設定されていますが、何らかの理由で、マウスやキーボード、USBメモリなどから起動するように設定が変更されてしまうと「MBR」を読み込めず、「Operating System Not Found」というエラーメッセージが表示されることがあります。
「Operation system not found」が表示されるときの注意点
・通電を続ける
・電源のON・OFFや再起動を繰り返す
・自力で修理しようと試みる(分解する)
・衝撃を与える
これらは内蔵ストレージ(HDD)に負荷を与えやすく、データ破損につながる恐れがあります。ストレージはとてもデリケートなため、ノウハウや専門設備なしに対処すると状態を悪化させてしまいます。
「Operation system not found」に自力で対処する方法
「Operation system not found」が表示されたとき、自力で可能な対処法としては次のものがあります。
- Windowsのトラブルシューティングツールを使う
- BIOSを初期化する
- USBメモリを使用する
Windowsのトラブルシューティングツールを使う
Windowsには、トラブルシューティングという対処法があります。トラブルシューティングは、論理障害の場合の対処法として有効です。
下記を実行することによって、以前の正常な状態に戻すことが出来る可能性があります。
- スタートアップ修復
- セーフモード起動
- システムの復元
- 初期状態に戻す
トラブルシューティングの開き方は以下の通りです。
- Windows回復環境を起動させる。
- オプションの選択画面から、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」を開く。
スタートアップ修復
スタートアップ修復とは、Windowsが正常に起動できない際、自動修復する機能で、PCが2回続けて正常に起動しなかった時に表示されます。
ただし、スタートアップ修復で対応できるものは「MBR(マスターブートレコード)」や「起動時に必要なシステムファイル」などのソフトウェアに起因するトラブルのうち軽度症状のみです。ハードウェアのトラブルに対応することはできません。
コマンド プロンプト
Windows内にある「MBR」やブートを構成しているデータが破損していることが原因で、「Operating system not found」のエラーが発生している場合、コマンドプロントを使用することで、システムファイルを修復することができます。
コマンドプロンプトの実行方法は次のとおりです。
- Windows回復環境を起動させる。
- オプションの選択画面から、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンド プロンプト」を開く
- bootrec.exe /fixmbr
- bootrec.exe /fixboot
- bootrec.exe /rebuildbcd
- 上記3つのコードを順に入力して、Enterキーを押す
- 全てのプロセスが終わったら、コマンド プロンプトを閉じ、PCの電源を消す
システム復元
「システムの復元」とは、PCのシステムを以前保存した復元ポイントにまで戻す仕組みです。ただし「システムの復元」を実行すると、復元ポイント(バックアップを作成した時点)以降に保存したデータは、すべて削除される恐れがあります。
システムの復元の起動方法は次のとおりです。
- Windows回復環境を起動させる。
- オプションの選択画面から、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「システムの復元」の順に選択する。
ただし、システム復元では、データを復元することは出来ません。あくまでもシステムを復元し、変更された設定などを差し戻すための機能です。
セーフモード
「セーフモード」では、必要最低限のシステム環境で起動するモードです。
セーフモードは、スタートアップ復旧が失敗してしまったときの臨時的な手法であり、セーフモードで起動できたとしても、パソコンに問題があることは変わりません。この際、ドライバ設定の更新など起動できない原因を少しでもなくすことで、通常どおり起動することがあります。
セーフモードの開き方は次のとおりです。
- 「詳細オプション」内の「スタートアップ設定」を選択
- 「スタートアップ設定」内の「4)セーフモードを有効にする」または「5)セーフモードとネットワークを有効にする」を選択
セーフモードで開けなかった場合
起動に時間が異常にかかったり、正常に起動しない場合は、Windowsそのものに問題があると考えられます。この場合、内蔵HDD/SSDに異常をきたしている恐れがあります。
原因が深刻な場合、修復・データ復旧ともに個人での対処は困難です。もし「機器を元通りに使用する」または「データ復旧」を行いたい場合は、専門業者まで対応を依頼することをおすすめします。
初期状態に戻す
上記の3つの対処をしても修復できない場合、最終手段として「初期化」があります。これを実行すると、データは全て消えてしまいますが、論理障害だと解消することがあります(物理障害は対応できません)。
バックアップをすでに取っており、「データは不要で、パソコンが使えるようになれば問題ない」という方は初期化を試してみてもよいでしょう。
BIOSを初期化する
BIOSに異常があるとwindowsは正常に起動しません。BIOSに異常があり、PCが起動しない場合は、初期化することで、OSが正常に起動するようになることがあります。
BIOS初期化の手順は、基本的に以下の通りです。
- 起動後、「F2キー」を押し、BIOSを呼び出す
- BIOS セットアップ ユーティリティを起動
- 「ファイル」→「デフォルト値に設定して終了」 を選択し、「Enterキー」を押す
- 「デフォルト値に設定して終了」が表示されるので、「F10 キー」(はい)を押す。
USBメモリを使用する
Windowsが正しく機能しないなど、パソコンに問題が発生した場合、他のPCにUSBメモリを挿し込み、「USB回復ドライブ」を使用することで、Windowsの初期化・再インストールを行うことが可能です。
あらかじめ回復ドライブを作成しておけば、起動できなくなった場合、パソコンを購入時に近い状態に戻すことができます。ただし、これを実行するとデータは消えてしまうため、注意してください。
自力で対応できない場合、専門業者に相談する
不確実な方法でデータの救出や修復作業を行おうとすると、復旧の難易度を上げてしまったり、最悪の場合、復旧不可能になる場合があります。適切な復旧・修復を行うには専門の業者に相談しましょう。
(1) データが不要な場合
データ不要で、パソコンを使用できる状態に戻したい方は、パソコンメーカーの修理サービスへ依頼しましょう。保証期間内であれば無料もしくは格安で部品交換を行うことが出来ます。
ただし、修理を行うと、新しい部品に交換されるため、データの初期化や削除が行われる場合があります。保存データを取り戻したい場合、メーカーや修理業者に依頼することは避けましょう。
(2) データが必要な場合
内部に保存されているデータを取り出したい場合は、データ復旧サービスに相談しましょう。
ただし、データ復元業者は国内で100社以上もあり、技術力や設備にも大きな差があります。復旧業者を選ぶ際は、技術力と対応実績を基準にしてください。
技術力の高いデータ復旧業者では、Windows10の復旧ツールでは対応できない物理障害にも対応しており、高い復旧率でデータを取り出すことができます。しかし、技術力の乏しい業者に依頼すると、復旧に失敗するリスクが高く、他の業者に依頼した時には手遅れとなってしまう場合があります。
また、対応実績が多ければ多いほど、データ復旧にまつわる知見やノウハウが膨大に蓄積されているため、安心して復旧作業を任せられるといえるでしょう。
データ復旧サービスと業者選定の基準については、詳しく解説している以下の記事をご覧ください。
【厳選】おすすめデータ復旧業者|HDD・PC・SSD・SDカード・スマホ・カメラ・レコーダー・NAS[2023年最新版]
おすすめの専門業者
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復旧率は95.2%とかなり高い技術力を有しており、RAID復旧のノウハウを持ったエンジニアが複数名チームとなって対応することで、早期に破損個所のすべての特定ができ、修復を行うことができます。
また2021年には、HDDの最難関障害である「スクラッチ障害」の復旧技術や、SSDやSDカードのような「メモリ媒体」の復旧技術が評価され、東京都の経営革新優秀賞を受賞しました。その復旧技術・設備が詰まっている復旧ラボは見学が可能です。
また、累積の相談件数は41万件を超え、官公庁や大手企業との取引実績も豊富です。さらに、依頼されたものの8割を48時間以内に復旧するスピードも優秀です。
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持ち込み拠点 | 東京/六本木(本社)、神奈川、愛知、大阪、福岡 | 取り引き実績 | 官公庁や大手企業を含めた累積41万件の相談実績 |
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まとめ
この記事では、「Operation system not found」というエラーメッセージが表示された場合の原因や対処法について紹介しました。
Windowsのシステム破損やストレージ(HDD・SSD)の物理的破損など、原因によって対処法が異なるため注意しましょう。もし自分での対処が難しいと感じたら、無理せずデータ復旧業者に相談することをおすすめします。