退職者の不正は、企業にとって大きな損害を与える可能性があります。そのため、退職者の不正が発覚した際は、不正行為を明らかにし、迅速かつ適切に対応することが重要です。
法的責任を追及する場合「調査」がマストですが、自力で対応すると調査結果や法的手続きに支障が生じる場合があります。
そこでこの記事では、退職者による社内不正の適切な調査手法、対処方法をご説明します。退職者の不正が発覚した際は、ぜひ参考にしてください。
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退職者の不正調査を実施すべきケースとは
退職者による不正行為の疑いが浮上した場合、企業は背後にある問題を明らかにする必要があります。
退職者の不正調査を実施すべきケースとしては、主に次のようなケースがあります。
企業資産の損失させた可能性がある場合
退職者が企業の財産や、機密情報を不正に取得、ないし損失させた可能性がある場合、調査が必要です。これには例えば「知的財産の盗難」「顧客データの不正利用」「競合他社への情報漏えい」などが該当します。
法律や規制違反の可能性がある場合
退職者が法律・社内規則に違反する行為を行った場合、調査が必要となります。
特に下記の行為が疑われる場合、法的に責任を追及されることも珍しくなく、企業は専門家から法的アドバイスを受けながら、適切な法的手続きや調査を行うことが重要となってきます。
・会社財産の横領行為
・知的財産権(特許、商標など)に違反する行為
・企業秘密の漏えいや競合他社への情報提供などの行為(競業禁止契約や機密保持契約違反)
ただし不正行為の調査が必要となった場合、法的な手続きで調査を実施しなければ、適切に対応できないことがあります。正確に調査を行う場合は、専門業者まで対応を依頼することをおすすめします。
退職者の社内不正調査の必要性
退職者が不正行為を行った場合、調査を行う必要性は次のとおりです。
・企業の損失を把握する必要性
・情報漏えいリスクを把握する必要性
企業の損失を把握する必要性
資金の横領や横領行為、不正な経費請求、顧客情報の悪用など、不正行為が行われた場合、企業は損失を被る可能性があります。
このような場合、適切な調査手続きを行うことで、不正行為の証拠を収集し、被害の範囲や原因、被害額などを特定することができます。
情報漏えいリスクを把握する必要性
退職者が機密情報を不正に利用したり、競合他社に提供したりする行為がある場合、今度想定される被害を最小限に抑えるために、調査を行って全容を把握すべきです。また場合によっては法的紛争で問題を解決し、今後同様のインシデントが発生しないためにも、適切な対策を講じる必要性もあります。
退職者による社内不正調査・証拠収集方法とその手順
退職者による社内不正が発生した場合、フォレンジック調査が有効です。
フォレンジック調査とは、デジタル機器からインシデントの証拠を収集・分析する調査手法です。たとえばコンピューター、携帯電話、USBメモリなどのデジタルデバイスから削除されたデータや改ざんされたデータを復元し、そこから得られた解析データは不正行為の証拠として利用することができます。
フォレンジック調査で不正の事実を特定し、具体的な被害を把握できれば、企業は発生した損害を法的手続きを用いて回収することが可能で、さらには不正を再発させない対策を立てることができます。
フォレンジック調査の手順は、以下のとおりです。
- 調査の目的を明確にする
- 調査の範囲を決定する
- データ収集を行う
- データの分析を行う
- 調査結果を報告する
仮に調査を行う場合、上記フローで専門家と提携し、抜け漏れない対応を行うことが推奨されます。
フォレンジック調査サービスについては、下記の記事で詳しく解説しています。
退職者の不正が起きた際、企業がやるべきこと
退職者の不正が起きた際、企業は以下の4点を行わなければなりません。
①調査範囲や目的を明確化
②調査の実施
③収集した証拠の分析
④調査結果のレポート作成
①調査範囲や目的を明確化
まず、調査の範囲と目的を明確にし、調査プロセスを確保する必要があります。
やみくもに調査すると、効果的な証拠収集や分析が困難になる可能性がありますが、一方で調査範囲と目的を明確にしておけば、特定の行為に焦点を絞りやすく、重要な証拠を見逃さずに収集することができます。
②調査の実施
調査では、不正行為に関与した人物の特定、不正行為の詳細、不正行為による損害の算定などを行います。なお、調査は内部のチームだけでなく、外部の調査会社にも証拠収集や分析を依頼するべきです。
退職者の活動ログやメールアクセス履歴を調査する
退職者の活動ログを調査はマストです。なぜならログは時間や日付、アクセス履歴、操作の内容などの情報を含んでいることが多いからです。実際、ログを調査することで不正行為の手法や経緯を把握でき、さらには社内に在籍している関与者なども特定することができます。
ただ、不用意に操作するとデータが上書きされる恐れがあるため、作業を進める際は、デジタル端末の証拠保全を行なう 「フォレンジック調査」 の専門家と提携することを強くおすすめします。
③収集した証拠の分析
調査の結果、不正行為が認められた場合は、収集した証拠を分析します。証拠の分析では、不正行為の原因を特定し、再発を防止するための対策を検討します。
④調査結果のレポート作成
調査が完了したら、調査結果のレポートを作成します。レポートには、不正行為の概要、不正行為の原因、再発防止のための対策などを記載します。
退職者の不正行為がもたらす影響
退職者の不正行為がもたらす影響は多岐にわたります。以下に示すのは一般的な影響の例です。
・知的財産の流出による企業の信用低下
・競合他社や転職先での情報流用
・経営状態の悪化・倒産
これらの影響は企業にとって重大な問題であり、信頼性や競争力を損なうだけでなく、経済的な損失や継続性の問題を引き起こす可能性があります。そのため、不正行為が疑われる場合は、迅速かつ適切に対応し、事態の収拾や再発防止策の実施に努める必要があります。
知的財産の流出による企業の信用低下
不正行為によって機密情報や知的財産が流出すると、企業の信用が損なわれる可能性があります。仮に競合他社や悪意のある第三者に情報が漏れれば、競争力や市場シェアの低下、ブランドイメージの悪化などが生じる可能性があります。
競合他社や転職先での情報流用
不正行為を行った退職者が競合他社や転職先で企業の機密情報を利用することがあれば、競争上の不利やビジネスモデルの模倣、商品やサービスの不正競争などが生じる可能性があります。
これにより、企業の市場ポジションや業績に影響が出る可能性があります。
経営状態の悪化・倒産
退職者の不正行為によって企業が被る損失や法的な問題が深刻化すれば、経営状態が悪化し、最悪の場合は倒産に至る可能性があります。また資金の流出や損失が生じると、企業の経済的な持続性が損なわれることが考えられます。
退職者の不正調査における注意点
退職者の不正調査における注意点は次のとおりです。
・プライバシー保護への配慮
・法的規制への対応
・調査にかかるコストとリソースの見積もり
これらの注意点を踏まえながら、退職者の不正調査を適切に実施することで、公正性と透明性を確保し、企業の利益と関係者の権益を適切に保護することができます。
プライバシー保護への配慮
調査においては、被調査者のプライバシー保護に最大限の配慮が求められます。個人情報の取り扱いやプライバシー侵害のリスクを最小限に抑えるために、調査範囲を適切に限定し、法的な要件や倫理規定に準拠する必要があります。適切なプライバシーポリシーや規定を策定し、それに基づいて調査を実施することが重要です。
法的規制への対応
不正調査は法的な側面がありますので、関連する法律や規制に適合する必要があります。たとえば個人情報保護法や、証拠収集の手続きなどに留意し、法的要件を遵守することが重要です。
この際、必要に応じて専門家から法的なアドバイスなどの助言を求めることも検討してください。
調査にかかるコストとリソースの見積もり
不正調査は時間と費用がかかる場合があります。そのため、調査範囲、チーム編成、フォレンジック調査サービスの利用などを考慮し、調査にかかるコストとリソースを事前に見積もる必要があります。リソースの適切な配分と予算の確保は、調査の円滑な実施と結果の信頼性を確保する上で重要です。
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まとめ
今回は、退職者による社内不正について解説しました。退職者による社内不正が発覚した場合、大切なデータが流出している恐れがあるだけでなく、金銭的な被害につながることもあります。また顧客情報が盗まれると、訴訟問題に発生する恐れもあります。
退職者の社内不正調査は、企業のセキュリティ対策の一環としても重要です。退職者の社内不正調査を行うことで、企業の機密情報や顧客情報を保護し、不正を未然に防ぐことができます。
不安に思ったときは、高い技術と実績がある専門家に相談することで被害の有無の把握や原因究明を行いましょう。