退職者によるUSBを使用した情報持ち出しは、企業の機密データ流出に繋がる重大なリスクです。本記事では、USBを使用した持ち出しの実態や調査方法、さらに防止策について詳しく解説します。対応を間違えると法的問題に発展する可能性もあるため、適切な対処法を理解しておきましょう。
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退職者のUSBを用いた持ち出しの概要と影響
退職者がUSBデバイスを使用して会社のデータを持ち出す行為は、企業のセキュリティを脅かす深刻な問題です。以下では、その実態と影響を説明します。
- 退職者によるUSB持ち出しの実態
- 情報漏洩によるリスク
- 調査の必要性と法的配慮
退職者によるUSB持ち出しの実態
USBデバイスを用いた情報持ち出しは、以下のような方法で行われることが多いです。
- 業務用PCから直接私用のUSBメモリにデータをコピーする。
- USB接続型のスマートフォンを外部ストレージとしてデータを移動する。
- 一時的にUSBデバイスを接続し、短時間で大量のデータを転送する。
特に、退職前に意図的に機密情報を収集するケースでは、計画的な情報漏洩が疑われます。
このような行為は、企業機密の漏洩として刑事・民事の両面での責任追及が可能となるケースがあります。
情報漏洩によるリスク
USBを介した情報漏洩には以下のようなリスクがあります。
- 競合他社への情報流出:機密情報が競合他社に渡り、企業の競争力が低下する。
- 法的トラブル:データ漏洩により顧客や取引先から訴訟リスクが発生する。
- ブランドイメージの毀損:企業への信頼が失われ、顧客離れが加速する。
調査の必要性と法的配慮
退職者による情報持ち出しが疑われる場合、速やかに調査を開始する必要があります。ただし、以下の点に注意してください。
- 証拠を改ざんしないために、デバイスを適切に保全する。
- 個人情報保護法やプライバシー規制に違反しない調査手法を採用する。
- 必要に応じてフォレンジック調査の専門家に相談する。
特にUSBメモリを接続したパソコンを調べる場合、デジタルフォレンジックと呼ばれる、専門知識やツールが必要になることがあります。
しかし、データの上書きなど誤った対応により、情報持ち出しの証拠の改ざんや証拠隠滅が行われてしまう恐れがあります。
社内だけでの対応が難しいと感じた場合は、情報漏洩調査や証拠保全に実績のある専門業者へ早期に相談することをおすすめします。
USB持ち出しの調査方法
退職者がUSBを用いてデータを持ち出した場合、迅速な対応が求められます。以下に具体的な調査方法を示します。
USB接続履歴の確認
退職者が使用していたPCにUSBデバイスが接続されていた履歴を確認することで、情報持ち出しの証拠を見つけることが可能です。
確認手順
- 管理者権限で対象PCにログインする
- Windowsキー + Rを押して「ファイル名を指定して実行」を表示させる
- 入力欄に「regedit」と入力してレジストリエディタを起動する。
- 以下のキーを参照し、接続されたUSBデバイスの情報を確認する:
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\USBSTOR
- 展開すると、過去に接続されたUSBデバイスの一覧とそのシリアル番号が表示される
この情報から退職者のパソコンにどんなUSBデバイスが接続されたか(メーカー名・型番・シリアル番号など)を特定することができるので、会社で管理しているUSBメモリと照合し、私用のUSBメモリが持ち出しに使われた痕跡はないか確認できます。
ログ解析
システムログやUSB関連イベントを分析することで、USBデバイスの接続履歴や不審なファイル操作の痕跡を確認できます。また、ネットワークログからは、クラウドストレージなどを経由した不正なデータ転送を検出できます。
主なログ解析ツール
以下のようなツールを活用すると効果的です。
- Windows Event Viewer:USB接続イベントやログオン履歴などWindowsのイベントログを閲覧できるツール
- Splunk:USB関連イベントやファイル操作ログを横断的に検索・可視化できる、大規模環境向けのログ統合分析プラットフォーム。
- Wireshark:ネットワーク経由での情報持ち出しを検出する際に有効
デジタルフォレンジック調査
デジタルフォレンジック調査は、パソコンやスマホなどのデジタル機器から証拠データを収集・解析する技術です。
削除されたファイルの復元や、操作履歴・接続履歴の調査などを通じて、退職者による情報持ち出しなど不正行為の証拠を明確にします。主に情報漏洩や不正アクセスなどのインシデント調査や、裁判で使える証拠の確保に使われます。
手順
- 退職者が使用していたデバイスを確保する。
- 専門ツールでデバイスの複製を作成し、オリジナルデータの保全を行う。
- ファイル操作ログや削除データを分析し、不正なデータ転送を特定する。
デジタルフォレンジックは高度な専門知識と正確な手順が求められるため、自己流での対応は証拠の改ざんや喪失につながるリスクがあります。
調査が必要な場合は、必ずフォレンジック調査会社や技術者に相談することを強くおすすめします。
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調査対象 | PC、スマートフォン、サーバ、外付けHDD、USBメモリ、SDカード、タブレット など |
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USB持ち出しを防ぐための対策
情報漏洩を未然に防ぐためには、技術的および組織的な対策が必要です。
物理的な制御
USBポートの使用を物理的に制限することで、情報持ち出しを防ぐことができます。
具体策
- USBポートを封鎖するデバイスを取り付ける。
- 機密情報を取り扱うPCを隔離環境で運用する。
システムのセキュリティ強化
ITシステム全体のセキュリティを強化することで、情報漏洩のリスクを低減します。
実施例
- USBデバイスの接続を禁止するポリシーを設定する。
- エンドポイントセキュリティツールを導入し、リアルタイム監視を行う。
社員教育の実施
社員への教育は、情報漏洩を防ぐ上で非常に重要です。
研修内容の例
- 情報セキュリティの基礎知識を学ぶ研修を実施する。
- 機密情報の取り扱いに関するルールを周知徹底する。
まとめ
退職者によるUSBを用いた情報持ち出しは、企業にとって深刻なリスクです。調査や防止策を迅速に実施することで、情報漏洩の被害を最小限に抑えることができます。特に、フォレンジック調査や技術的対策の導入は効果的です。不正が疑われる場合は、速やかに専門家に相談し、適切な対応を行いましょう。