【保存版】SSDの寿命が縮まる原因と長持ちさせる対策を解説

「SSDはHDDより長寿命」と聞いたことがあるかもしれませんが、使い方次第では意外と早く寿命を迎えることもあります。SSDは内部にNANDフラッシュメモリを使用しており、特定の条件下で書き換え上限に達しやすくなります。本記事では、SSDの寿命を縮めてしまう原因と、それを回避するための具体的な対処法を解説します。

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※この記事は2024年8月に更新されています 「外付けHDD(ハードディスク)が突然壊れてしまった！」「PC(パソコン)を落としてしまい画面が付かなくなった…

サイバーセキュリティ総研

SSDの寿命に影響する原因

SSDの寿命を短くする要因は、物理的損傷よりも使用方法に起因するものが多くを占めます。以下に主な要因を解説します。

データ書き込み回数の増加

SSDに使用されているNANDフラッシュメモリは、書き込みと削除を繰り返すたびに劣化します。頻繁なアクセスはセル寿命を大幅に縮めます。

書き込み増幅率（WAF）の高さ

WAF（Write Amplification Factor）が高いSSDでは、少量のデータ操作でも内部的に大量の書き込みが発生し、寿命が縮まります。

空き容量不足

SSD内部では、空き領域が多いほど効率的にデータを再配置できます。容量が常にいっぱいだと書き込み負荷が偏り、特定セルの劣化が早まります。

使用環境の不適切さ

高温多湿・低温・ホコリの多い環境では、SSDの動作安定性が損なわれやすく、寿命にも影響を及ぼします。

高負荷・長時間使用

動画編集やゲームなど、高速な読み書きが連続する用途ではSSDに高い負荷がかかり、温度上昇による劣化も進行します。

使用上の経年劣化

SSDの主な物理的障害の原因は経年劣化です。SSDの内部パーツが長期間の使用や繰り返し書き込みで劣化することが原因です。劣化が進むと、フォーマット後や通常使用中でもデータ消失のリスクが高まり、早期のバックアップや専門業者による対応が必要です。SSDの内部修理には専用の機器やクリーンルームが必要で、精密な構造のため一般的な方法では修理できません。

自力でストレージデバイスを分解し修復しようとすると、内部パーツを誤って傷つけ物理的な損傷が悪化し、復旧が不可能になる可能性もあります。特にHDDやSSDは内部構造が複雑で、分解後、元通りに組み立てることが難しいです。正しく組み立てられなければ、動作しなくなることがあります。専門知識が不足していると、適切な手順を踏めず、データ損失が拡大する恐れもあります。

自力で修復する場合のリスク

▶ ほこりや異物が悪影響を与えてしまう

▶ 内部パーツに修復できない傷が付いてしまう

▶ 知識不足で誤った復旧を行ってしまう

ストレージデバイスの自力での修復は非常に難しく、誤った方法で作業を進めると、データが完全に失われるリスクがあります。安全にデータを復旧させたい場合、データ復旧業者に依頼することが確実です。編集部が厳選したおすすめ業者は下記のボタンからご参照ください。

SSD寿命を延ばすための対処法

日常的な使い方やPCの設定を見直すことで、SSDをより長く安全に使用できます。

書き込み回数を減らす工夫

不要な書き込みを避けることは、SSDの劣化速度を抑える最も効果的な方法のひとつです。

書き込み回数削減の手順

1. 不要なアプリケーションや一時ファイルを定期的に削除する
2. ブラウザのキャッシュ保存先をHDDなど別ドライブに変更
3. 休止状態（ハイバネーション）機能を無効化する
   → powercfg -h off をコマンドプロンプトで実行
4. 仮想メモリ（ページファイル）をHDD側に移動

空き容量を確保する

SSDの容量を常に80％以内に保つことで、データの再配置やガーベージコレクションが効率化され、寿命延長に貢献します。

空き容量を確保する手順

1. 大容量の動画・写真・音楽ファイルは外付けHDDに移動
2. 使用頻度の低いソフトウェアをアンインストール
3. 「ディスククリーンアップ」機能で一時ファイルを削除

適切な温度管理

SSDの推奨動作温度は0～70℃程度です。高温が続くと寿命を著しく縮める原因になります。

温度管理の手順

1. 定期的にPC内部のホコリをエアダスター等で清掃
2. 吸気・排気口の周辺に障害物を置かない
3. 室温が高くなる夏季は、PCに冷却ファンを追加

TRIM機能を有効にする

TRIM機能は、削除されたファイル領域をSSDが把握し、次回の書き込み効率を上げる機能です。Windowsでは標準で有効化されていますが、念のため確認しましょう。

TRIM確認と有効化手順（Windows）

1. コマンドプロンプトを管理者で起動
2. fsutil behavior query DisableDeleteNotify を入力
3. 結果が「DisableDeleteNotify = 0」なら有効、「1」の場合は以下を実行
4. fsutil behavior set DisableDeleteNotify 0 を入力してEnter

HDDとの併用で負荷分散する

SSDに全データを保存すると負荷が集中します。特に、頻繁に更新するファイルはHDDへ保存するのがベストです。

書き込み負荷分散の工夫

1. OSやアプリケーションはSSDにインストール
2. 動画編集・写真編集などの作業データはHDD側に保存
3. ダウンロードフォルダやデスクトップ保存先をHDDに変更

専門業者に相談・依頼する

ここまでの対処法を試しても改善できなかった場合、機器に重大なエラーや物理的な故障が生じている可能性が高いです。この場合、続けて使用すると損傷がひどくなり、復旧できなくなる可能性があります。さらに、自力で分解したり復旧作業を行うのも状態が悪化するケースが多いです。少しでもデータを失いたくない方は速やかに専門業者に相談することをおすすめします。

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