「不正アクセス」とは、他人のアカウントやシステムに無断で侵入し、情報を盗んだり改ざんしたりする行為を指します。SNSやネットバンキング、業務用クラウドサービスなど、私たちの日常に欠かせないIT環境が増える中、不正アクセスによる被害は年々増加しています。
本記事では、不正アクセスの定義や手口、発生原因、実際の被害事例、そして企業・個人が取るべき対策まで、わかりやすく解説します。
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不正アクセスとは?
不正アクセスとは、許可されていない者が、他人のIDやパスワードを使ってコンピュータやネットワークに侵入する行為です。日本では「不正アクセス禁止法(正式名称:不正アクセス行為の禁止等に関する法律)」により処罰の対象となっており、第三者のログイン情報を無断で利用すること自体が違法です。攻撃者は、SNS・メール・業務システムなどに侵入し、情報窃取・なりすまし・データ改ざんなどの行為を行います。
不正アクセスの主な手口と攻撃例
不正アクセスの手口には以下の物があります。
- パスワードを利用した攻撃
- フィッシング攻撃
- ゼロデイ攻撃
- SQLインジェクション
パスワードを利用した攻撃
不正アクセスの多くは、パスワードを突破することでアカウントやシステムへ侵入する手法です。代表的なのが「パスワードリスト型攻撃」と「ブルートフォース攻撃」です。
パスワードリスト型攻撃は、過去に流出したID・パスワードのリストを使って他のサービスへ不正ログインを試みる手口で、同じパスワードを使い回しているユーザーが狙われやすくなります。
一方、ブルートフォース攻撃は、短く単純なパスワードを総当たりで何千・何万通りも試して突破を狙う方法です。
これらは自動化ツールを使って一斉に実行されるため、わずか数分でログインされてしまうリスクがあります。
フィッシング攻撃
不正アクセスの入り口として特に多いのが、「フィッシング攻撃」です。これは、攻撃者が銀行・企業・行政機関などを装い、メールやSMSで偽のログインページへ誘導し、ID・パスワードなどの認証情報を盗み出す手口です。一般的なフィッシングは大量送信され、不特定多数の被害者を狙います。
一方で、より巧妙なのが「標的型攻撃(スピアフィッシング)」です。これは特定の個人や部署に絞って行われる攻撃で、実在する上司や取引先を装ったメールが送られ、内容も業務に即しているため、被害者は不審に思わず情報を入力してしまいがちです。
このように、どちらも正規の手段を装って認証情報を抜き取り、不正アクセスにつなげる非常に危険な手法です。
ゼロデイ攻撃
ゼロデイ攻撃とは、OSやソフトウェアに存在する未修正の脆弱性を突いて行われる攻撃です。脆弱性に対する「パッチや対策がまだ存在しない状態」で攻撃されることを意味します。攻撃者は、脆弱性の存在を一般公開前にいち早く把握し、脆弱なソフトウェアに対してマルウェアを仕掛けたり、管理者権限を奪取したりします。
ゼロデイ攻撃は検知が極めて困難であり、従来のウイルス対策ソフトでは防げないケースも多いため、EDR・脆弱性診断・仮想パッチの導入など、多層防御が求められます。また、ソフトウェアや機器の迅速なアップデートも重要です。
SQLインジェクション
SQLインジェクションは、Webサイトの入力フォームなどに不正なSQL文(データベース操作命令)を埋め込むことで、情報を不正に取得・改ざん・削除する攻撃手法です。
例えば、ログイン画面や検索フォームに「’ OR ‘1’=’1」などの文字列を入力することで、認証をバイパスし管理画面に侵入されることがあります。これにより、顧客情報やID・パスワードなど機密データが外部に流出するリスクがあります。
入力値の検証不足やSQL文の動的生成が主な原因となります。
不正アクセスによる主な被害
不正アクセスによる主な被害は以下の通りです。
- 個人情報の流出のリスク
- 業務停止・営業損失のリスク
- 社会的信用の低下のリスク
個人情報の流出のリスク
不正アクセスの被害は、個人・法人問わず多岐にわたります。代表的なものが「個人情報の流出」です。氏名・住所・電話番号・クレジットカード番号などが漏洩し、なりすましや詐欺に悪用されるリスクが生じます。また、企業では顧客データや取引先情報、営業機密の漏洩が重大な信用失墜につながり、損害賠償や訴訟のリスクも伴います。
SNSやメールアカウントの乗っ取りによる「なりすまし被害」も深刻で、関係者への詐欺メール送信や評判の失墜など二次被害も拡大しやすい特徴があります。このように、不正アクセスは一度発生すると想定以上の損害に発展するため、日頃からの予防と万が一の初動体制が重要です。
業務停止・営業損失のリスク
不正アクセスにより業務システムやクラウドサービスが停止すると、企業活動は一時的に麻痺し、深刻な営業損失を招きます。特にECサイトや予約システムを運用している企業では、Webサイトのダウンにより販売や集客が完全に止まり、1日あたり数百万円~数千万円規模の損害が発生するケースもあります。
また、社内のメールやファイルサーバにアクセスできなくなると、顧客対応や業務報告が滞り、業務全体の生産性が著しく低下します。加えて、データの暗号化や消失が発生した場合、復旧に時間と費用がかかり、通常業務への復帰までに数週間を要することもあります。このように、不正アクセスは企業の事業継続性そのものに大きな打撃を与える重大なリスクです。
社会的信用の低下
不正アクセスによって個人情報や社内データが漏洩した場合、最も深刻なのは社会的信用の喪失です。特に医療・金融・教育機関など、信頼性が重視される業種では、情報漏洩の事実が公になった時点で利用者や取引先からの信頼が揺らぎます。
また、SNSやニュースで報道されることで風評被害が広がり、新規顧客の獲得や採用活動にも悪影響を及ぼします。企業が「セキュリティ対策を怠っていた」と見なされれば、行政指導や監査の対象となり、社会的立場が弱体化することもあります。たとえ技術的な被害が小さくても、信用の失墜が長期的な損害となるため、情報セキュリティは経営課題の一つとして捉える必要があります。
不正アクセスが発生した場合の対応フロー
不正アクセスが発生した場合の対応フローは以下の通りです。
- 即時のログイン停止・パスワード変更
- 関係者・顧客への通知
- 関係機関への報告
- フォレンジック調査の実施
即時のログイン停止・パスワード変更
不正アクセスの兆候やアカウント乗っ取りの疑いが確認された場合は、ただちに該当アカウントのログインを停止し、パスワードを変更することが最優先です。被害拡大を防ぐためには、該当ユーザーのすべての関連サービスにおける認証情報も同時に見直す必要があります。
特に、同じID・パスワードを他のシステムで使い回している場合、連鎖的な侵害が発生するリスクがあるため、総点検が重要です。また、管理者権限のアカウントが狙われた場合は、即時にアクセス制限をかけ、システムへの影響を最小化する必要があります。
関係者・顧客への通知
不正アクセスによって個人情報や業務データが漏洩していた場合、影響を受けた可能性のある顧客や取引先に対し、速やかに事実を伝え、説明が求められます。通知が遅れると、利用者からの信頼が失われ、被害が拡大する可能性もあります。
通知内容には、漏洩した可能性のある情報の種類、漏洩が発生した日時、今後の対策、問い合わせ窓口などを明記し、誠意ある対応が必要です。また、二次被害を防ぐために、パスワード変更や不審メールへの注意喚起も併せて行うと効果的です。
関係機関への報告
被害が一定の規模や深刻度に達している場合は、所轄の警察署への被害届の提出や、個人情報保護委員会への法的報告が必要になります。特に、要配慮個人情報(医療・健康情報、金融情報など)が含まれていた場合には、報告義務が課されます。
報告には、発生経緯や被害範囲、初動対応の内容、今後の再発防止策などの詳細を含める必要があり、社内での迅速な情報整理と連携が重要です。また、業界団体や監督官庁がある場合は、ガイドラインに沿った報告対応も求められます。
フォレンジック調査の実施
不正アクセスの真の原因や被害の全体像を把握するには、デジタルフォレンジックの専門調査が不可欠です。
フォレンジック調査では、サーバーや端末のログデータを解析し、侵入経路・不審な操作履歴・情報漏洩の有無などの実態を明らかにします。
また、調査結果は社内報告書だけでなく、外部への説明資料や保険会社への提出資料、訴訟対応にも活用されることがあります。自社で対応が難しい場合は、早期に専門の調査会社へ依頼するのが最善策です。
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まとめ
不正アクセスとは、他人のIDやパスワード、システムの脆弱性を悪用して無断でネットワークやアカウントに侵入する行為です。代表的な手口には、パスワードリスト型攻撃、フィッシング、SQLインジェクションなどがあります。情報の窃取や業務妨害、金銭詐取などの被害が発生し、企業や医療機関では信用失墜や損害賠償にもつながります。技術的対策と併せて、従業員教育や多要素認証の導入が重要です。