社内のPCやサーバが突然操作不能となり、「.locked」などの見慣れないファイル拡張子の付いたファイルが大量に作成され始め、画面には「身代金を支払わなければデータは戻らない」といったメモが残された場合、ランサムウェアに感染した可能性が極めて高いです。
データにアクセスできなくなるといったトラブルに直面する企業が、いま急増しています。
この記事では、ランサムウェアに感染した際に本当にデータ復旧が可能なのか、そして復旧の可否を左右する要因や、企業が知っておくべき対応策について徹底的に解説していきます。
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ランサムウェアに感染したらデータ復旧は可能か?
ランサムウェアによって暗号化されたデータは、できる限り早急に復旧したいものです。しかし、復旧の成否は感染の状況や対応の初動、バックアップの有無など、さまざまな要素によって大きく左右されます。ここでは、企業で実際に多発している被害の現状と、復旧を阻む主な要因について詳しく解説します。
企業で多発するランサムウェア被害と復旧の現実
近年、企業を狙ったランサムウェア攻撃が激増しています。攻撃者は業種・規模を問わず、医療機関や製造業、教育機関などあらゆる組織を標的にし、データを人質に身代金を要求します。
実際に被害に遭った企業では、以下のような事例が発生しています。
- 社員PCのファイルがすべて暗号化され、業務停止に追い込まれた
- バックアップも感染しており、復元できなかった
- 復号ツールが見つからず、身代金を支払ったが復旧できなかった
このように、ランサムウェア感染によるデータ消失は、企業の信頼や事業継続に重大な影響を及ぼします。だからこそ、正しい知識と備えが必要なのです。
データ復旧を困難にする主な要因とは
ランサムウェアによる被害からデータを復旧できるかどうかは、いくつかの要因に左右されます。特に注意すべきなのは、次のようなケースです。
- 新型のランサムウェアに感染した
- 暗号化方式が高度で、既存のツールが効かない
- バックアップが破壊・暗号化されている
- 感染後に誤った初動対応を行ったことで証拠が破壊された
これらの要因によって、ランサムウェア感染後の復旧の可能性は大きく低下します。特に、感染直後に自力で復号を試みた結果、証拠が破壊されてしまう恐れもあります。
ランサムウェアに感染したらどうなる?対処法とやってはいけないことを解説>
このようなリスクを放置すれば、次のような深刻な事態を招く可能性もあります。
- 機密情報の流出
- サプライチェーンへの波及
- 取引先・顧客からの損害賠償請求
- 業務停止による莫大な損失
そうならないためには、感染の初期段階で正確な状況把握と、専門的な対応が不可欠です。
自力での対応に限界を感じている場合や、どこまで被害が及んでいるのか判断できない場合は、迷わず専門家に相談すべきです。万が一の時に備え、まずは現在のリスク状況を把握することから始めましょう。
ランサムウェア感染からのデータ復旧手順とポイント
感染が発覚した場合、焦って操作を行うのは禁物です。データ復旧の可能性を最大限に高めるためには、適切な初動対応と慎重な処理が必要です。この章では、感染直後から行うべき手順や復旧手段について、具体的かつ実践的に解説します。
ネットワーク遮断と初動対応の流れ
感染の拡大を防ぎ、証拠を保全するためには、まずネットワークからの遮断と初動対応が不可欠です。適切な初動によって、復旧可能性を大きく左右します。
ネットワーク遮断と初動対応の具体的手順
- 社内ネットワークから該当端末を即座に切り離す
- 無線LANやLANケーブルの接続も外す
- 端末の電源は切らず、状態を維持する
- 管理部門やセキュリティ担当へ早急に連絡する
- 感染状況を整理し、被害範囲の初期把握を行う
ランサムウェア感染の証拠保全を行う
感染端末の証拠を確保することは、原因究明や将来的な法的対処の観点からも重要です。証拠保全は、データ復旧と同時に進めるべき基本対応です。
証拠保全の具体的手順
- 端末の現状を写真・動画で記録する
- 不審なメッセージやファイル名、拡張子を控える
- 可能であれば、外部メディアにディスクイメージの取得を行う
- ログファイルやシステムイベントログをコピーする
- 外部のフォレンジック業者に調査依頼の準備を進める
バックアップから安全にデータを復元する
安全なバックアップが残っている場合は、それを活用して業務データを復元することが可能です。ただし、感染源が混入していないかの確認を徹底する必要があります。
バックアップからの復元手順
- 最新のクリーンなバックアップを選定する
- ウイルススキャンを実施し、バックアップの安全性を確認
- ネットワークから隔離された環境で復元作業を行う
- 復元後の端末・データの再スキャンを実施する
- 復元後も引き続きログ監視を強化する
復号ツールを使用して復旧する
一部のランサムウェアは、既知の暗号アルゴリズムを使用しているため、セキュリティベンダーが無償で提供する復号ツールによって復旧できる可能性があります。
復号ツールの使用手順
- 感染したランサムウェアの種類を特定する
- 復号ツールが提供されているかどうかを公式サイト等で確認
- 信頼性の高いセキュリティベンダーからツールを入手
- 隔離環境でテスト復号を実施し、安全性を確認
- 本番データの復号作業を慎重に実行する
復号ツール利用時に注意すべきリスク
復号ツールの使用には注意が必要です。ツールの誤使用によりデータが破損する恐れがあり、また偽のツールをダウンロードしてしまうと二次感染のリスクもあります。使用前には必ず、信頼できる出所を確認し、事前にバックアップを取得してから実行するようにしましょう。
フォレンジック調査会社に相談する
ランサムウェアに感染した際、復旧を急ぐあまり、誤った操作や中途半端な対応をしてしまうと、データが完全に失われたり、再感染のリスクを高める危険があります。そこで重要になるのが、フォレンジック調査です。
ランサムウェアに感染した時に実施するフォレンジック調査では、感染した端末やサーバのログ、ストレージ、ネットワークの通信履歴などを専門的に解析し、以下のような情報を明らかにします。
- ランサムウェアの侵入経路と感染タイミングの特定
- どの端末・ファイルが暗号化されたか被害範囲の可視化
- 証拠保全や法的対応に必要なデータの取得
- 復旧可能なデータの抽出と安全な復元作業の実施
特に法人では、顧客情報や業務データの流出が企業全体に与える影響が甚大であるため、専門性の高い調査と再発防止策の策定が欠かせません。
感染原因の特定から、安全な復旧手段の選定、そして再発防止策の立案まで、すべてを確実に進めるには、フォレンジック専門会社への相談が最も効果的な選択です。
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調査対象 | PC、スマートフォン、サーバ、外付けHDD、USBメモリ、SDカード、タブレット など |
サービス | ハッキング・不正アクセス調査、マルウェア・ランサムウェア感染調査、サイバー攻撃被害調査、退職者調査、労働問題調査、社内不正調査、情報持出し調査、横領着服調査、パスワード解除、データ改ざん調査、データ復元、デジタル遺品、離婚問題・浮気調査 など |
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ランサムウェアデータ復旧にかかる費用・時間の目安
ランサムウェア感染後のデータ復旧には、想定外のコストと時間がかかることがあります。事前に相場や作業の流れを理解しておくことで、企業としての判断や社内調整をスムーズに進めることができます。
事例からみる復旧費用の相場とコスト管理
データ復旧にかかる費用は、被害の規模や暗号化レベル、復旧方法によって大きく異なります。以下は一般的な相場感です。
- 軽度の感染:10万円〜30万円(ファイル数が少ない・復号ツールあり)
- 中度の感染:30万円〜100万円(一部暗号化・バックアップあり)
- 重度の感染:100万円〜300万円以上(全面暗号化・復号困難)
また、コストを抑えるためには以下の対策が有効です。
- 感染初期に専門業者へ相談し、無駄な作業を防ぐ
- 自力での復旧を控え、二次被害を回避
- バックアップ体制を見直し、将来のコスト発生を予防
金額面だけで判断せず、「確実に復旧できるか」という視点で費用対効果を考えることが重要です。
復旧完了までの期間と押さえておきたい社内体制
復旧にかかる時間も状況により大きく異なりますが、初期調査から復旧完了までには数日〜数週間を要するケースが一般的です。
- 初動対応・ヒアリング:即日〜1日
- 証拠保全・解析調査:1〜3日
- データ復旧作業:3日〜2週間以上(状況による)
この間、社内では以下の体制整備が求められます。
- 意思決定者による判断体制の確立
- 広報・顧客対応の想定(情報漏洩リスク)
- 業務継続のための暫定措置(代替PCの用意など)
「すぐに復旧できる」と過信せず、現実的なスケジュールをもとに関係各所と連携しながら冷静に対応することが、混乱の最小化につながります。
身代金支払いのリスクと法的・社会的な影響
ランサムウェアに感染し、業務データが利用できない状況に陥ると、身代金を支払ってでも早期復旧を試みたいと考える企業も少なくありません。しかし、身代金の支払いは大きなリスクを伴い、必ずしも期待通りの結果が得られるとは限りません。
身代金を支払ってもデータが復旧しないケース
ランサムウェアの犯人が提示する復号キーが必ずしも機能するとは限りません。実際、以下のようなトラブルも多数報告されています。
- 支払い後も復号ツールが提供されなかった
- ツールが不完全で、すべてのファイルを復号できなかった
- 別のマルウェアが仕込まれていた
つまり、金銭を支払っても確実に復旧できる保証はなく、むしろ再被害のリスクを抱えることになります。さらに、「身代金を支払う企業」という情報がダークウェブ上で流通すれば、次なる標的となる可能性も否定できません。
経営判断として知るべき法的・社会的リスク
ランサムウェア被害への対応は、単なる技術的な問題にとどまらず、企業の社会的責任や法的リスクに直結する重大な経営判断となります。とくに以下のような観点から慎重な検討が求められます。
- 不正送金はテロ資金供与・制裁違反となる可能性がある
- 株主や取引先からの説明責任が問われる
- 報道やSNSによるレピュテーションリスクの増大
このような影響を未然に防ぐためにも、身代金支払い以外の方法による復旧手段の確保や、専門的な第三者機関との連携が不可欠です。
まとめ
ランサムウェア感染は、企業にとって業務停止や信用失墜、法的リスクを伴う深刻なサイバーインシデントです。感染後に復旧を成功させるには、誤った初動対応を避け、証拠保全と専門的な調査が欠かせません。
この記事で解説した通り、ランサムウェア感染時に取るべき対策は多岐にわたります。しかし、被害の規模や状況によっては、自力での対応が困難となるケースも少なくありません。
特に、暗号化が複雑なケースや証拠が破壊された状況では、フォレンジック専門業者の力が不可欠です。「ランサムウェアに感染したかもしれない」「復旧が不安」「情報漏洩が気になる」といったお悩みをお持ちの方は、まずはお気軽にご相談ください。