Google「日本をサイバーセキュリティの拠点にしてアジアを強化」

 Google Japanの最近のブログ「日本におけるGoogleのサイバーセキュリティへの取り組み」によると、Googleは日本をサイバーセキュリティの研究拠点(Cybersecurity Center of Excellence)にして、アジア太平洋地域のサイバーセキュリティの強化を目指すということです。

人材育成プログラムの提供開始

 Google Japanのブログによると、日本をサイバーセキュリティの研究拠点とすることで、アジア太平洋地域の政府や企業等との連携を強化し、デジタルを安心安全に利用することができる取り組みを推進していくということです。また、アジア太平洋地域全体のサイバーセキュリティの向上と持続可能な成長に貢献することを目的に日本をはじめアジア太平洋地域の教育機関と連携した研究支援やトレーニングプログラムの提供を目指すとしており、すでに昨年からGoogleの資格認定プログラムであるデータアナリティクスのプログラムのコースが日本でスタートしています。そして今月、サイバーセキュリティに関する日本語プログラムもスタートしました。

 このコースでは、サイバーセキュリティにおける一般的なリスクや脅威、脆弱性を特定する方法やそれらを軽減するテクニックなどサイバーセキュリティ分野で即戦力として活躍できるスキルを習得することができるということです。サイバーセキュリティの重要性と組織への影響について理解し、SIEMツールを使ってネットワークやデバイス、データをサイバー攻撃から守ることを学び、実際にPython、Linux、SQL を活用して実践的な経験を積むことまで盛り込まれているコースになるようです。

 さらにGoogleの慈善事業部門Google.orgがアジア財団に1500万ドルを拠出してCyber Peace Institute、Global Cyber Allianceと協力してAPAC Cybersecurity Fundを創設するということです。この基金を活用することで日本をはじめバングラデシュ、香港、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、パキスタン、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイ、ベトナムの中小企業、非営利団体等のサイバーセキュリティの強化を支援するとしています。

政府クラウド事業との関連は?!

 総務省の今年度版の情報通信白書によれば、情報通信研究機構(NICT)が運用している大規模サイバー攻撃観測網(NICTER)が昨年観測したサイバー攻撃関連の通信は約5226億パケットで2015年の約632億パケットから8.3倍増えているということです。近年のサイバー攻撃関連の情勢は2020年に2019年の3756億パケットから5705億パケットへと大幅に増え、その後は5000億パケット台で推移している状況です。また、同白書によると、昨年のサイバー攻撃関連の通信の約3割はIoT機器を狙った通信が占めたということです。

 日本を取り巻くサイバー環境のリスクが高まっている一方、国内ではサイバー人材の不足が叫ばれています。「制御系システムのセキュリティ対策を理解.している人材は圧倒的に不足している」(経産省)、「サイバーセキュリティ人材が複数の企業等を移りながら専門性を高めてキャリアアップする諸外国との違いが、セキュリティ人材不足の要因の一つとなっていることがうかがい知れる」(令和元年版情報通信白書)などセキュリティ人材をどのように育て、確保するかはここ数年の間、喫緊を要する課題となっています。

 こうした中、Googleが日本のサイバーセキュリティ向上に乗り出し、さらに日本を拠点にアジアのサイバーセキュリティ環境を強化するということですから、これはサイバーセキュリティをめぐる大きな取り組みといっていいと思います。Googleは政府が進めているガバメントクラウドを担う事業者に選定されており、そうしたこともGoogleが日本でサイバーセキュリティ強化の取り組みを進めることの背景にあるように思います。

■出典

https://japan.googleblog.com/?m=1

https://www.coursera.org/professional-certificates/google-cybersecurity-jp

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/html/nd24a210.html#f00266

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA267H40W1A021C2000000/

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