ランサムウェアとMac

ランサムウェアとは、感染したコンピュータ上にあるファイルを暗号化するなどして、それを復元する見返りとして身代金(ランサム)を要求してくる、マルウェアの一種です。

Mac OS(以下、Macと表記)は、Windowsと比較してマルウェアなどの脅威にさらされる危険性が低いとされています。
ただ、それはMacがWindowsに比べてセキュリティ面で強固な機能を持っているということを意味するわけではありません。
現在、世界中で稼働している個人使用のコンピュータのうち90%以上がWindowsで、Macは6%程度だと言われており、攻撃者たちの標的がWindowsに集中しているのが現状です。
そのためMacがランサムウェアをはじめとするマルウェアに感染する確率は低いと言われているのですが、最近ではMacを標的としたランサムウェアの存在も報告されています。

例えば、「KeRanger」はMac OS X用のBitTorrentアプリであるTransmissionが感染することで拡散されました。
Transmissionのサイトそのものが、開発者が気づかないうちに感染したソフトウェアにリンクされていたため、感染が急激に拡大しました。

これまでWindowsは数多くの脅威にさらされ、その脆弱性が常に問題視されてきました。ただ、裏を返せばそうした環境にあったおかげでWindowsについてはセキュリティ対策ソフトをはじめとするマルウェアに対抗するツールが非常に数多く存在します。
マルウェアについてのデータベースも豊富で、新たな脅威にも対応できる体制があるとはいえ、それでも新種のマルウェアが生まれては大きな被害が報告されることもあります。

今後MacもWindowsと同様に、より多くの攻撃者から標的にされる可能性を考えると、これまでMacが脅威に感染してこなかったことを過信せず、しっかりとした安全対策を講じることが重要です。

・セキュリティ対策ソフトを導入し、パターンファイルは常に最新の状態にしておく。
・送信者不明のメールを開いたり、メールに記載されているURLをクリックしたりしない。
・メールに添付さているファイルを開く前に必ずセキュリティ対策ソフトでスキャンする。
・Webサイトからダウンロードしたファイルやプログラムも必ずセキュリティ対策ソフトでスキャンする。
・万が一ランサムウェアに感染した場合に備えて、定期的にコンピュータ内のデータのバックアップを取っておく。

上記の対策はランサムウェアに限らず、マルウェアに対する防御策として非常に有効です。常にセキュリティについては高い危機意識を持っておきましょう。

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