熊本市で、生活保護業務に関する個人情報の紛失が明らかになった。
地方自治体として行政サービスを担う熊本市は2026年4月22日、生活保護の相談記録票を紛失し、計7世帯14名分の個人情報が所在不明となっていると発表。
今回の事案は、紙文書の管理体制とインシデント対応の遅れが重なったことで発生したものであり、行政機関における個人情報保護の運用実態が改めて問われる形となった。
発表によると、紛失した記録票には氏名や住所、電話番号といった基本情報に加え、生活状況などの要配慮個人情報に該当する内容が含まれていた可能性がある。
経緯としては、2026年2月4日に担当職員が当該記録票を印刷し、課内で回覧した後、同月10日に紛失が判明。
その後、課長までは報告が行われたものの、組織上位への報告がなされない状態が続いた。
4月の人事異動後、新たに着任した部長が問題を把握。
4月13日に区長へ報告、翌14日に国へ報告が行われて22日の公表に至った。
個人情報保護法では、個人情報の流出リスクがある場合、監督機関である個人情報保護委員会への迅速な報告が求められているが、本件では約2か月間にわたり報告が遅れていたことが問題となっている。
初動段階で「課内に存在するはず」との認識が共有され、紛失を重大なインシデントとして扱う判断が遅れたことが背景にあるとされる。
現時点で第三者への情報流出や不正利用は確認されていないが、熊本市は対象となる14名に対し、対面や電話、文書で説明と謝罪。
今後は紙媒体の管理方法の見直しや、情報紛失時の報告体制の徹底など再発防止策を講じる方針を示している。
【参考】
https://www.kab.co.jp/news/article/16517822
https://kumanichi.com/articles/1983630