順天堂大学において、肺がん治療のために受診した患者情報が流出する事態が発生した。
概要
情報流出は2021年1月に発生しており、肺がん治療に関する研究において研究責任者が大学院生にデータ解析を指示した際のこと。
同大学性は、独断で外部の第三者にデータ解析を依頼していたとのことで、提供されたデータは匿名措置が取られていなかったことが確認されている。
データを提供された第三者からの報告により2021年12月に発覚していたが、その後2023年6月3日に新聞紙により報道されるまで本格的な調査が行われていなかったという。
同大学は、一研究者の問題ではなく組織全体のガバナンス体制に大きな要因があったとみて対応を開始した。
影響範囲
7月14日の公表によると、提供されていたデータには2011年から2015年までの期間順天堂医院に肺がん治療のために受診した患者1,381名分の個人情報が含まれていた。
確認できた情報内容として、氏名、性別、年齢、カルテID、肺がん細胞の遺伝子情報が該当するとされている。
なお、当該事案による情報流出に関わる二次被害は確認されていないとのこと。
対応
順天堂大学は、データ解析の依頼先である第三者に当該データの削除を願い出ている。
また、今後の対応として実施中の全研究における管理体制の強化および、個人情報が匿名化されるセキュリティシステムを導入するなどして再発防止を図るとしている。
【参考URL】
順天堂大学で実施する研究で発生した個人情報漏えい及び倫理指針不適合に関する調査報告
https://www.juntendo.ac.jp/