ニチレイへの不正アクセスに起因するシステム障害の影響で、持ち帰り弁当チェーン「ほっともっと」や定食チェーン「やよい軒」を展開するプレナスでも、食材の納品に遅れが生じている。プレナスは、食材の供給遅延に伴い一部店舗で一部メニューの提供を一時休止しているとし、影響は当面続く見込みだと説明している。
事案の詳細
今回の影響は、食品大手ニチレイグループで発生した不正アクセスに伴うシステム障害に端を発している。不正アクセスはサイバー攻撃によるものとニチレイが公表しており、このシステム障害により、ニチレイロジグループ各社の冷蔵倉庫における入出庫業務や、ニチレイフーズの冷凍食品の出荷業務などに支障が生じている。
ニチレイは、国内グループ各社で利用しているシステムに不具合が発生し、冷凍食品などの出荷や冷蔵倉庫の入出庫が滞っていると説明している。障害の範囲は日本国内に限定されており、現時点では個人情報や顧客データが社外へ流出した事実は確認されていないが、原因や影響範囲の調査は継続中とされている。
こうした出荷・物流面の混乱が外食・中食分野にも波及し、ニチレイロジグループに食材配送を委託している企業の一つであるプレナスのブランド「ほっともっと」「やよい軒」でも、食材納品の遅延が確認されている。プレナスは、食材の供給状況に応じて、一部店舗で提供メニューを絞り込んだり、一部商品の提供を一時休止する対応を取っている。
影響は全店一律ではなく「一部店舗」にとどまるとされており、店舗ごとに納品状況や在庫状況が異なるため、対応内容も店舗によって違いが出ている。納品遅れの状態は短期で完全に解消できる見通しは立っておらず、「当面続く見込み」と説明されている。現時点で、どの食材がどの程度不足しているか、あるいは具体的にどの地域・どの店舗で影響が強いかといった詳細は、公開情報からは確認できないため、詳細は現時点で不明である。
影響と背景
今回の不正アクセスは、単なる情報システム上の技術的障害にとどまらず、物流や供給体制を通じて実店舗の営業にも影響を及ぼしている。ニチレイグループの冷蔵倉庫入出庫業務や冷凍食品出荷業務に支障が生じたことで、同社に物流や食材供給を依存している外食チェーンや小売各社に、欠品や納品遅延が連鎖的に発生している。
プレナスの「ほっともっと」「やよい軒」では、食材納品の遅れが続けば、メニュー構成や販売可能な商品に制約が生じる可能性があり、実際に一部メニューの提供休止という形で影響が顕在化している。ただし、現時点でプレナス側から、全店舗での大規模な販売停止や長期的な営業縮小といった措置が講じられているとの情報は公表されておらず、影響の範囲は限定的とみられる。
一方で、ニチレイのシステム障害による影響は、外食チェーンにとどまらず、コンビニやスーパーなど小売業、宅配・生協などにも波及しているとの報道もあり、食品のサプライチェーン全体に対する依存度の高さが改めて浮き彫りになっている。今回の事案は、サイバー攻撃が食品物流や店舗運営にまで波及し得ることを示す象徴的なケースとなっている。
対策・今後の展望
ニチレイは、不正アクセスがサイバー攻撃によるものであることを認めた上で、システムを遮断するなどの緊急対応を行い、出荷や入出庫業務の復旧に向けた作業を進めている。業務の再開については、冷蔵倉庫の入出庫や冷凍食品の出荷を含む各業務を順次再開していく方針が示されているものの、現時点で全体の完全復旧時期は明確になっていない。
プレナスを含む関係各社においては、ニチレイ側の復旧状況を注視しつつ、代替供給ルートの確保やメニュー構成の見直しなどによって、できる限り安定した商品提供を維持することが求められている。店舗運営側としては、納品状況を踏まえた在庫管理と販売計画の調整に加え、提供休止や販売制限が生じる場合には、店頭や公式サイト等を通じて利用者へ適切に周知し、混乱を抑える対応が重要になる。
なお、ニチレイグループでは、原因究明と再発防止策の検討を継続しており、個人情報や顧客データの流出の有無についても調査中である。今後の公表内容によっては、サイバー攻撃への防御体制や、食品業界全体のサプライチェーンリスク対策のあり方が見直される可能性があるが、具体的な再発防止策や業界横断的な対策についての詳細は現時点で不明である。