韓国のサイバーセキュリティ企業S2Wが日本法人「株式会社S2W」を設立した。あわせて同社は、韓国で注視している北朝鮮、中国、ロシアなどの国家支援型ハッカーグループによる脅威対象は日本の脅威対象と重複しており、「先行指標」になり得るとの見方を示している。
事案の詳細
報道によると、S2Wは2026年4月3日付で日本法人「株式会社S2W」を設立し、6月23日に東京都内で記者会見して発表した。日本法人は東京都港区内幸町2-1-6 WeWork 日比谷Park Front 19階に置かれ、代表取締役は三好平太氏が務める。
同社は、ダークウェブ上の脅威情報を分析して見えにくいリスクを可視化し、日本市場における営業・サポート体制を本格的に整備するとしている。日本市場向けには、S2Wのソリューション提供、導入支援、運用支援、関連コンサルティングを行う方針だ。
脅威に関する論点としては、日本と韓国を取り巻くサイバー脅威環境に共通点があることが挙げられた。三好氏は、S2Wが韓国で注視している北朝鮮、中国、ロシアなどの国家支援型ハッカーグループによる脅威対象が日本の脅威対象と大きく重複していると説明し、韓国で観測・蓄積してきた脅威アクターのプロファイルや攻撃手法(TTPs)、暗号資産の資金フローなどの知見が、日本にとって重要な脅威の先行指標になり得ると述べた。
S2Wは2018年9月に韓国・城南市で創業した企業で、インターネット上の秘匿性の高い領域やダークウェブなどから情報を収集し、サイバー攻撃を含む世界の脅威情報を分析している。
影響と背景
海外のセキュリティ企業が日本法人を設立することは、日本での顧客対応や事業活動を強化する動きとして受け止められる。S2Wは、近年日本市場でサイバー攻撃の高度化・巧妙化が進み、被害発生前にリスクを把握・低減する「プロアクティブなインテリジェンス」への需要が高まっていると説明している。
また、韓国で観測される国家支援型の脅威や攻撃手法を日本側の前兆として捉える視点は、国内の政府機関や企業にとって、脅威情報の収集範囲や優先順位を見直す材料になり得る。S2Wは海外売上が全体の21%で、日本を海外で最重要の市場と位置付けているという。
対策・今後の展望
本件で具体的な攻撃被害は示されていないが、地域をまたいで脅威が移行・重複し得るとの見方が示されたことを踏まえると、企業・組織には継続的な脅威情報の収集と警戒水準の見直しが求められる。S2Wは今後、日本での営業・サポート体制を本格化させ、3年目以降の中長期戦略として国内にトップレベルのアナリストを採用した独自の脅威分析拠点を構築する計画を掲げている。
- 脅威情報の継続的な収集:国内外の動向を把握し、想定するリスクを定期的に見直す。
- 社内の警戒範囲の再点検:自社の事業・取引・利用環境に照らし、警戒すべき脅威の範囲を整理する。
- 体制整備の検討:外部知見の活用も含め、必要な対応力を確保できる体制を検討する。
参照: 韓国サイバーセキュリティ企業S2W、日本法人を設立…「韓国型脅威、日本にも時差で到来」 – BigGo ファイナンス