【QNAP】故障・エラー時のデータ復旧・復元|症状や原因、業者の選び方を解説

QNAP製NASを使用していた際、「電源がつかない」「アクセスできない」「ビープ音が鳴っている」といったトラブルが発生し、正常に動作しなくなることがあります。特に、QNAP製品はマルウェア(不正なソフトウェア)の被害に遭いやすく、セキュリティ面での対応も必要不可欠です。

この記事では、QNAP製NASでトラブルが起きた際の、具体的な症状や原因、復旧方法を紹介します。

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QNAP製NASが正常に動作しないときの症状

QNAP製NASでは、異常発生時、次のような症状が発生します。

電源が入らない・起動しない

QNAP製NASを使おうとした際、「まったく電源が入らない」「正常に起動しない」といった障害が発生することがあります。このようなトラブルが発生している場合、ケーブルの断線などで電源が正常に供給されていない可能性があります。まずは電源周りを確かめておきましょう。

ステータスランプが点灯・点滅している

QNAP製NASは、トラブルや故障の際にステータスランプの点灯・点滅で、症状・原因を特定することができます。

原則として赤色のランプでは深刻なエラーが起きている可能性が高く、一方で緑色のランプはNAS上の設定に問題があり、スタンバイ状態(または更新中)となっている可能性が高いです。

ステータスランプの色症状
赤に点灯・HDDが無効となっている(HDDに障害が起きて認識しない)
・HDDの容量がなくなった
・システムファンが故障している
・アクセス中(読み取り/書き込み)にエラーが発生している
・不良セクタ(使用不可能のデータ領域)が検出された
緑に点灯・全てのHDDがスタンバイモードになっている
0.5秒ごとに赤く点滅・一部のHDDが破損しており、機能低下モード(読み取り専用のモード)に入っている
0.5秒ごとに緑に点滅・NASが起動しています
・NASが構成されていない
・HDDがフォーマットされていない
2秒ごとに緑に点滅・スリープモード
0.5秒ごとにに交互に点滅・HDDのフォーマット・初期化中
・ファームウェアの更新中
・再構築(リビルド)が進行中
なし・NASの電源が入っておらず、すべてのHDDで電源が入っていない。

ビープ音が鳴っている

ランプの点灯や点滅と伴に、QNAPはトラブルの際、ビープ音が鳴る場合もあります。

ビープ音回数症状
短いビープ音(0.5秒1回・NASがシャットダウンしています
・ユーザーにより、NASをリセットするリセットボタンが押された。
・ファームウェアが更新された
短いビープ音(0.5秒3回・外部ストレージデバイスへNASのデータをコピーできない
短いビープ音(0.5秒)長いビープ音(1.5秒3回5分ごと・システムファンが故障している
長いビープ音(1.5秒2回・HDDの容量がなくなった
・NASのHDDが低下モードに入っている
・再構築(リビルド)が開始された
長いビープ音(1.5秒1回・NASが強制終了でオフになった
・NASの電源がオンになり、準備ができた

エラーメッセージが表示される

QNAPでは、エラー時、本体のディスプレイに、故障内容のメッセージを表示する機能があります。例えば、次のようなメッセージが表示されます。

  • SYSTEM BOOTING」:内蔵HDDに障害が発生している可能性がある
  • File system is not clean」:ファイルシステムに問題が発生している

エラーメッセージは、他にもいくつかあります。公式サイトや取扱説明書から、エラーメッセージの意味を確認して、適切な対処を行いましょう

QNAP製NASが故障してしまう原因

QNAP製NASの故障原因を紹介します。大きく分けて、NAS内部のHDDの故障とNAS自体の筐体故障が原因の2パターンがあります。

  • 論理障害(内蔵HDDの障害)
  • 物理障害(内蔵HDDの障害)
  • 筐体故障(HDD以外の故障)
  • アクセス不良(ネットワーク上の問題)

論理障害(内蔵HDDの障害)

QNAP製NASの故障で一番多いのは、内部HDDの論理障害です。

論理障害は「データの誤削除」「読み書き中の強制シャットダウン」など人為的ミスにより引き起こされることが多く、データの整合性が取れなくなると、共有フォルダへのアクセスも難しくなります。

またQNAP製NASは、身代金要求型のマルウェアである「ランサムウェア」に感染するケースが多数報告されており、OSの不具合や設計上のミスを狙ったものが多いです。データが暗号化された場合、同時にデータが盗み取られている恐れもあるため、顧客情報を取り扱う企業は、必ずインシデント調査を行わなければなりません。

物理障害(内蔵HDDの障害)

物理障害とは、HDDが物理的なトラブルを起こした状態です。QNAP製NASの内蔵HDDから、「カチカチ」や「カタカタ」という異音が聞こえたり、焦げ臭いなどの異臭が発生しているときには、物理障害が考えられます。

このような状態で使用を続けると内部パーツに大きな負荷がかかって状態が悪化し、データ復旧が困難になってしまうことがあります。

物理障害が発生している場合、個人での修復作業は困難です。HDD内部の部品が物理的に破損している場合、精密な作業を必要とするため、HDDを開封するために必要なクリーンルームを所有している業者にデータ復旧を依頼しましょう。

物理障害が起こる主な原因

1. 経年劣化

HDDの寿命は平均3年~4年程度(時間換算で約26,000~35,000時間)と言われています。HDDは常時、データの読み書きをおこなうため、使用頻度がとても高く、経年劣化を起こしやすいとされています。そのため、QNAPの運用では、HDDの交換といった定期的なメンテナンスが必要不可欠となります。

2.物理的衝撃

HDDの構造はレコーダーと同じような構造をしており、わずかな振動・衝撃でも故障につながるリスクがあります。読み書き中には、振動や衝撃を与えないよう、HDDまわりに細心の注意を払いましょう。

3.

HDDの駆動部分(モーター)は熱に弱く、機器内部の温度が上がるほど寿命が短くなります。特に夏場はNASを構成するHDDの故障リスクが高くなります。冷却装置をきちんと設けておきましょう。

筐体破損(HDD以外の故障)

「筐体」はHDD以外のパーツを指します。たとえばケーブルやNASの起動にかかわるパーツが破損していると、NASは正常に動作しなくなります。NASは、外的要因に弱いため、衝撃や熱などの高負荷をかけてしまうと故障してしまうことがあります。この場合は、筐体の修理を行うとで対処することができます。

アクセス不良(ネットワーク上の問題)

NASでは、許容量を超えるアクセスを受けると、アクセス遅延を起こすことがあります。また、故意にアクセス負荷をかけてサーバーを強制的にダウンさせるDDos攻撃を受けている可能性もありますので、場合によってはNASをネットワークから切り離すか、セキュリティを強化しましょう。

故障したQNAPでやってはいけない注意点

QNAPが故障している際に、やってはいけない注意点を紹介します。

  • 通電をしない
  • フォーマットしない
  • 「メーカー修理」はデータを失う可能性がある

通電しない

QNAPに何らかの障害の疑いがある場合、通電しないようにしましょう。もしHDDに「物理障害」が発生している場合、HDDに通電するだけでも状態が悪化してしまい、最悪の場合、データが完全に消失するリスクがあります。

またデータの削除後、通電を続けると、データが完全に上書きされるため、通電や操作はできるだけ控えましょう。

フォーマットしない

QNAPで使用しているHDDを単体でパソコンにつなげると「フォーマットする必要があります」というメッセージが出ることがありますが、仮に選択してしまうと、データが消えてしまいます。NAS/RAIDの崩壊にも繋がるため、内蔵されたHDDを単体でパソコンにつなげてはいけません。

「メーカー修理」はデータを失う可能性がある

レコーダーの修理を、メーカーや修理業者に依頼した場合、HDDごと部品交換されてしまうことが多く、HDDに保存されているデータが消えてしまうことがあります。メーカー側もデータ復元の保証は設けていないことが多いため、保証内容も確認しておきましょう。

QNAP製NASのデータ復旧・復元方法

QNAP製NASが故障した際のデータ復旧・復元方法を紹介しています。

公式サイトでエラーメッセージやランプの色を確認し対処する

QNAP製NASでは、故障に関する症状を「エラーメッセージ」「エラーランプ」「ビープ音」で症状を確認できる場合があります。

これらの情報がNASから出ていた場合には、どのような症状なのかを公式サイトから確認して、適切な対処、データ復旧を行うようにしましょう。

一度再起動する

エラーランプやエラーメッセージ、ビープ音などが発生している場合、一時的な不具合が発生している可能性があります。この際、再起動もしくはシャットダウンが有効な対処法です。

ただし、この作業は一度だけにしましょう。故障原因が物理障害だった場合、再起動やシャットダウンを行うと、内部パーツに大きな負荷がかかってしまい、更なる悪化に繋がります。

専門業者に依頼する

QNAP製NASの障害や故障が起きた際のデータ復旧として、最も確実かつ成功率が高い方法が、データの復元・復旧を専門とするデータ復元業者に依頼することです。絶対になくなっては困るという大切なデータの場合は、業者に相談するようにしましょう。

特に技術力のある業者では、経験を積んだ専門のエンジニアが、故障原因を正確に診断できることから、データ復旧の成功率が高く、復元ソフトでは対応できない物理障害からの復旧も可能です。

一部の業者では、機器の破損箇所を判断する「初期診断」や「見積もり」まで無料で受けることができるため、確実にデータを取り戻したいという方は、一度データ復旧の専門業者に相談することをおすすめします。

マルウェア・ランサムウェア感染時

個人で行うウイルス駆除は、インシデントの根本的な解決になりません。

不適切な手順を踏むと、被害を拡大させるだけでなく、侵入経路などの被害実態が解明できなくなる恐れがあります。重要なのはウイルスの侵入経路や感染状況を解明し、セキュリティの脆弱性を発見、再発を防止することです。

安全かつ適切な調査を行いたい場合は「フォレンジック業者」に依頼するのも一つの方法といえます。

「フォレンジック業者」では、高度なIT知識と技術を持った専門家が多数在籍しており、ランサムウェアによって生じた被害状況を正確に把握でき「被害拡大防止」と「再発防止」の手助けとなります。

フォレンジック調査サービスについては下記の記事で詳しく解説しています。

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まとめ

今回は、QNAP製NASの故障やエラーの際の、データ復旧・復元方法についての記事でした。

QNAP製NASの故障の際、個人での作業にはリスクが伴います。中身に重要なデータが入っている場合には、データ復旧専門業者に相談・依頼することをおすすめします。

この記事で紹介しているデータ復旧業者は相談・初期診断・見積りは全て無料のため、データ復旧を希望される場合は、一度問い合わせてみることをおすすめします。

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