フォレンジック調査の費用相場は?ケース別の目安と見積もりで失敗しない選び方

  • 2023年8月21日
  • 2026年10月21日
  • コラム

フォレンジック調査の費用は、端末1台の簡易調査で数十万円前後、複数台の調査や報告書の作成を含めると数百万円になることもあります。ただし、初動対応を誤ると調査範囲が広がり、費用がさらに膨らむケースも少なくありません。

本記事では、ケース別の費用目安と内訳、費用が高額になる理由、見積もりで確認すべきポイントを解説します。

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フォレンジック調査とは?

フォレンジック調査とは、パソコンやスマートフォン、サーバーなどに残されたログやデータを解析し、「いつ・誰が・何をしたか」を証拠として明らかにする調査です。

不正アクセスや情報漏えい、社内不正などの事案で、法的な証拠能力を持つ調査結果を得ることを目的としています。調査の内容や目的によって、費用や調査範囲は大きく異なります。

>>フォレンジック調査とは?調査の流れを紹介

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フォレンジック調査にかかる費用

フォレンジック調査の費用は、デジタル機器一台につき数万円から数百万円程度と調査の台数や調査内容によって大きな幅があるとされています。

簡単な調査でも、専門技術者や専用機材が必要になるため、最低でも10万円~20万円程度からの料金設定が一般的です。正確な費用は、状況をヒアリングしたうえでの見積もりで確認しましょう。

  • フォレンジック調査会社の料金体系
  • フォレンジック調査にかかる費用の内訳

フォレンジック調査会社の料金体系

フォレンジック調査会社の料金体系は依頼する調査会社によって異なり、主に以下の2種類があります。

  • 調査内容ごとに料金が変動する:インシデントに合わせて最適な調査を提案してもらえる。マルウェア解析や不正アクセス調査など、高度な調査ほど高額になる傾向
  • 調査内容に関わらず一律料金:費用を抑えられることがある一方、決まった内容の調査しか受けられず、痕跡を残さない攻撃などを見逃す可能性がある

フォレンジック調査にかかる費用の内訳

フォレンジック調査の費用は、大きく次の3つに分かれます。

  • 保存費
  • 技術費
  • 調査費

保全費

調査を始める前に、証拠となるデータや端末を、改ざんできない形で複製する「証拠保全」にかかる費用です。デジタルデータは変更・削除されやすいため、フォレンジック調査のかなめとなる工程です。

技術費

調査に使う専用ツールやソフトウェアのライセンス料・維持管理費、調査環境の構築にかかる費用です。

調査費

調査費は、フォレンジック調査の中核となる実作業にかかる費用で、主にデータの解析、復元、証拠の収集、報告書データの解析・復元、証拠の収集、報告書の作成など、調査の中核となる実作業の費用です。技術者の作業時間に応じた人件費も含まれます。

依頼する調査会社によっても費用は大きく異なり、特に大企業向けに高度なサービスを提供している会社では、料金が高額になる傾向があります。一部の費用はサイバー保険で補償されるケースもあるため、あわせてフォレンジック費用の保険適用範囲を確認しておくと安心です。

フォレンジック料金が高額になる理由

フォレンジック調査の料金が数十万円から数百万円になる主な理由は、次の3つです。

  • フォレンジック専用ツールや解析設備の導入・維持コスト
  • 高度な専門知識・経験を持つ技術者の人件費
  • インシデントの複雑さに応じた作業工程・調査範囲の広さ

特にランサムウェア感染や大規模な不正アクセスでは、高機能な解析ツールや大規模なデータ解析用の設備が必要になり、費用が上がる傾向があります。社内不正や労務問題では、調査結果が裁判で証拠として通用するかも問われます。証拠能力の要件については、デジタルフォレンジックの証拠能力に関する解説をご覧ください。

一方で、「料金が高ければ質が高い」とは限りません。相談段階から料金が発生したり、最初に低額の見積もりを提示して後から高額なオプション料金を上乗せしたりする業者も存在します。依頼する際は複数社に相見積もりを取り、内訳の透明性や対応範囲を比較してください。

費用を抑えるためにできること

  • 初動で端末を操作しない:再起動や初期化、ファイルの削除で証拠が消えると、復元や追加の解析が必要になり、調査範囲と費用が膨らむ
  • 調査の目的と対象を整理しておく:「訴訟に使うのか、原因究明だけか」「どの端末を調べるか」を決めておくと、不要な作業を減らせる
  • サイバー保険の補償範囲を確認する:調査費用や初動対応費が補償されることがある

異常に気づいた時点で専門家に相談することが、結果的に費用を抑える近道です。正しい初動については、フォレンジック初動対応マニュアルもあわせてご覧ください。

フォレンジック調査の流れと費用が発生するタイミング

フォレンジック調査は一定の手順に沿って進められ、各工程で費用と時間が発生するのが一般的です。作業の内容や範囲によっては1日~数か月かかることもあり、「いつ」「何に対して」費用が発生するのかを把握しておくことが、費用の妥当性を見極めるうえで重要です。

証拠保全作業

調査対象のパソコンやサーバー、外部ストレージなどから、データの完全な複製(ディスクイメージ)を取得する作業です。原本に手を加えずに調査でき、証拠が改ざんされていないことを証明できます。

  • ディスクイメージの取得
  • ログファイルの収集
  • メモリダンプの取得
  • ネットワークトラフィックの保存(必要に応じて)

費用はストレージ容量や機器の種類、保全対象の数によって増減します。多くの調査会社では、この工程に着手した時点でキャンセル不可とされることが多く、費用発生の起点となるフェーズです。

データ復旧・復元

削除・破損されたファイルやログを復元する工程です。攻撃者による痕跡の隠滅や、マルウェア感染によるファイル破損がある場合に実施されます。

物理障害や暗号化データへの対応が必要な場合は追加費用が発生することがあり、オプション扱いの会社も多いため、見積もりに含まれているかを確認してください。

データ解析作業

保全したデータをもとに、インシデントの原因、被害範囲、攻撃経路、内部不正の証拠などを洗い出す作業です。最も時間と技術力を要する工程で、費用は10万円から、多い場合は数百万円が見込まれます。

調査対象が複数台だったり、クラウドや仮想環境が含まれたりする場合は、さらに上乗せされます。

調査報告書の作成

保全・復旧・解析の結果を整理し、第三者が見ても調査内容と結論を理解できる形で文書化する工程です。訴訟や行政機関への提出を想定する場合は、法的証拠としての要件を満たす形式が求められます。

報告書の作成が基本料金に含まれていない会社や、「簡易報告」と「詳細報告」で費用が大きく異なる会社もあります。報告書の形式と費用の扱いは、見積もり段階で確認しておきましょう。

フォレンジック調査の費用で失敗しないための調査会社の選び方

金額の大小だけで調査会社を選ぶと、必要な証拠が取れない、余計な費用が発生するといったリスクがあります。費用の妥当性を判断するために、次の4つを確認してください。

  • 費用が発生するタイミングを明示しているか
  • キャンセル時の費用が発生するか
  • 見積もりに「内訳」が明示されているか
  • 初期費用や最低費用が明確か

費用が発生するタイミングを明示しているか

初回相談は無料でも、「証拠保全に着手した段階から費用が発生する」といったケースが一般的です。初回ヒアリング、機器の預かり、証拠保全の開始など、どの時点から有償になるのかを明示している会社は信頼性が高いといえます。

キャンセル時の費用が発生するか

多くの調査会社では、契約後に証拠保全や初動調査に着手していた場合、その工数に応じたキャンセル費用が請求されます。「どの範囲まで無料か」「着手後に中止した場合はどうなるか」を事前に確認しておくと、予期せぬ請求を避けられます。

見積もりに「内訳」が明示されているか

見積もりが「一式○○万円」と簡略な記載のみの場合は注意が必要です。

証拠保全費、解析費、報告書作成費などの内訳が分かれて記載されているかで、調査会社の透明性を判断できます。内訳が不明な見積もりは、後から費用が追加されるリスクがあります。

初期費用や最低費用が明確か

対象機器が1台のみでも、10万円~20万円程度からの最低費用が設定されていることが一般的です。この金額があらかじめ明示されているかを確認すれば、「想定より高かった」というトラブルを防げます。初動調査のみのプランなど、予算に応じて依頼範囲を調整できる会社であれば、より安心です。

なお、サイバー保険によって調査費用が補償されるケースもあるため、申請条件や補償対象の費用項目も確認しておきましょう。

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まとめ

フォレンジック調査の費用は、端末1台の簡易調査で数十万円前後、複数台や報告書込みでは数百万円になることもあります。費用を比較する際は、金額だけでなく「費用発生のタイミング」「内訳の明示」「キャンセル時の条件」を事前に確認することが、失敗しないためのポイントです。

また、初動の対応によって費用総額は大きく変わります。サイバー攻撃や社内不正が疑われたら、端末を操作する前に専門家へ相談することが、証拠を守り、費用を抑える第一歩です。

フォレンジック調査にかかる費用・相場とメリットを解説
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