モバイルフォレンジックとは?調査対象・復元できる情報を徹底解説

スマートフォンが個人情報の塊である現代、情報漏えいや不正の証拠が「スマホの中にしか残っていない」ケースが増加しています。特に、LINEやSNS、クラウドアプリなどを利用した不正行為は、PCや社内ログだけでは追えません。そこで活用されるのがモバイルフォレンジックです。

この記事では、モバイルフォレンジックの基本知識から実際の調査手順、対応方法、専門会社の活用法まで、初心者にもわかりやすく解説します。

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目次

モバイルフォレンジックの基本と必要性

スマートフォンやタブレットに対して行われるデジタル調査が「モバイルフォレンジック」です。パスコードでロックされた端末や削除されたデータでも、専門ツールであれば解析が可能な場合があります。

  • モバイルフォレンジックとは何か?
  • スマホ調査が必要になるシーン
  • 復元できるデータの種類
  • フォレンジック調査で得られる証拠とは
  • スマホ特有のリスクと調査上の注意点
  • 社内や個人での対応が危険な理由

モバイルフォレンジックとは何か?

モバイルフォレンジックとは、スマートフォンやタブレットから通話履歴やSNSメッセージ、位置情報、画像・動画、削除データなどを科学的に抽出・解析し、不正の証拠や行動履歴を明らかにする技術です。

スマホ調査が必要になるシーン

以下のようなシーンでは、モバイルフォレンジックの実施が有効です。

  • 社員が業務用スマホで機密情報を持ち出した
  • LINEやSMSを使って不正指示を行っていた可能性がある
  • 浮気・ハラスメント等の証拠がスマホにある
  • クラウド連携を通じた情報漏えいが疑われる

復元できるデータの種類

  • 通話履歴:発着信日時・相手先番号
  • メッセージ:SMS、LINE、WhatsApp等の内容
  • 写真・動画:削除されたものも含めて取得可能
  • 位置情報:GPS、地図アプリ、Wi-Fi接続記録
  • ブラウザ履歴:検索ワード、閲覧ページ

フォレンジック調査で得られる証拠とは

削除されたメッセージの復元や、証拠となるファイルの取得が可能です。また、アプリの利用履歴やクラウドとの通信履歴も抽出可能です。これにより、「何を」「いつ」「誰と」行っていたかが明らかになります。

スマホ特有のリスクと調査上の注意点

スマホは個人のプライバシーと直結しているため、調査時は法的配慮が不可欠です。また、OSのバージョンや暗号化の状態により、解析可能なデータは変動します。

社内や個人での対応が危険な理由

証拠の改ざんリスクが非常に高いため、専門家の介入が必須です。誤った手順でデータを抽出しようとすると、データが上書きされたり、法的証拠としての信頼性を失ってしまう恐れがあります。

そのため、法的証拠として提出できる調査結果が必要の場合はフォレンジック専門会社へ調査を依頼することをおすすめします。

モバイルフォレンジックの対処法と調査手順

スマートフォンから証拠を抽出するには、専門ツールと正確な手順に基づく対応が必要です。以下に代表的な手順を示します。

  • 対象端末の確保する
  • データ保全とクローン作成を行う
  • ツールによるデータ解析を行う
  • 削除データの復元と時系列の整理を行う
  • 証拠データの整理と報告書作成を行う
  • フォレンジック専門会社への依頼する

対象端末の確保する

対象端末の確保の手順は下記の通りです。

  1. 端末の電源が入っている場合、画面操作を行わず静置する。
  2. 可能であれば電波遮断(フライトモードまたはSIM抜き)を行う。
  3. 電源が切れている場合は、そのままの状態で調査会社に引き渡す。

データ保全とクローン作成を行う

データ保全とクローン作成の手順は下記の通りです。

  1. 専用ハードウェア(Cellebrite、GrayKeyなど)でデータを複製。
  2. オリジナルは封印し、クローン端末で解析を行う。
  3. 取得時にハッシュ値を算出して、証拠性を記録する。

ツールによるデータ解析を行う

代表的な解析ツールは下記の通りです。

  • Cellebrite UFED:業界標準のモバイル解析ツール
  • Magnet AXIOM:アプリデータやクラウド同期にも対応
  • Oxygen Forensic Detective:広範なスマホ機種に対応

削除データの復元と時系列の整理を行う

削除されたSMS、通話履歴、SNSメッセージ、写真などを復元し、時系列順に並べることで不正行為の流れを可視化します。

証拠データの整理と報告書作成を行う

証拠データの整理と報告書作成の手順は下記の通りです。

  1. 取得したデータを種類別に分類(通話・LINE・画像など)。
  2. タイムスタンプや通信相手ごとに整理。
  3. レポート形式で証拠価値の高い順にまとめる。

フォレンジック専門会社への依頼する

情報漏えい・不正アクセス・横領などが疑われる場合、社内での調査には限界があります。

証拠の改ざんリスクや証拠性を維持する観点から、必ず専門会社への相談を推奨します。

信頼できるフォレンジック調査会社を選ぶ重要ポイント4選

信頼できるフォレンジック調査会社を選ぶポイントは以下の4つです。

  • 調査実績が豊富
  • セキュリティ認証を取得している
  • 調査完了までのスピードが速い
  • 無料相談や見積りに対応している

これらの特徴を持つ調査会社に依頼することで、効果的な調査と適切な対策が期待できます。

調査実績が豊富

調査実績が豊富な調査会社は、さまざまな種類のサイバーやリーガルインシデントに対応した経験とノウハウを持っています。そのため、状況や問題に応じた適切な方法やツールを駆使し、被害の状況や原因をより正確に特定することで、適切な対策を講じることができます。

セキュリティ認証を取得している

セキュリティ認証を取得している企業は、情報セキュリティに対する取り組みが評価されており、信頼性が高いです。

具体例として、ISO/IEC 27001などの国際的な認証が挙げられます。これらの認証は、企業が情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を適切に運用し、機密情報の保護に努めていることを示します。

こうした認証を取得している企業は、データ漏えいリスクを最小限に抑えるための対策を講じており、顧客のデータを安全に扱うことができます。このため、セキュリティ認証を取得している企業を利用することがおすすめです。

調査完了までのスピードが速い

問題が発生した際、調査完了までのスピードが速いほど、被害を最小限に抑えることができます。調査スピードが速い理由としては、専門知識や経験を持ったスタッフが多数在籍していることや、最新の技術やシステムを導入して効率的な業務を行っていることが挙げられます。

無料相談や見積りに対応している

問題が発生した際、無料相談や見積りに対応している企業であれば、相談のうえ、見積りを取得することで、サービスの費用を事前に把握し、予算に合ったプランを選ぶことができます。

無料相談や見積りに対応している企業は、顧客ニーズに応じたサービスを提供できる体制が整えられており、信頼性が高いと言えます。ぜひ、お問い合わせや見積りの依頼を通じて、最適なサービスを見つけてください。

>>【2024.11最新】フォレンジック調査会社一覧|選び方・依頼の流れを解説

編集部おすすめ調査会社:デジタルデータフォレンジック(おすすめ度)

サイバー攻撃社内不正といった、幅広いインシデントに対してフォレンジック調査を行っている専門会社をご紹介します。

こちらの業者は、相談件数が39,000件を超え、民間の調査会社でありながら官公庁や大手企業との取引実績も多く信頼できるため、幅広い調査に対応していておすすめです。もちろん法人だけでなく、個人のハッキングやサポート詐欺調査などの相談も受け付けています。

まずは無料で相談・見積りまで行ってくれるようなので、不安な方は一度相談してみるとよいでしょう。

デジタルデータフォレンジック

費用★見積り無料 まずはご相談ください
調査対象PC、スマートフォン、サーバ、外付けHDD、USBメモリ、SDカード、タブレット など
サービスハッキング・不正アクセス調査、マルウェア・ランサムウェア感染調査、サイバー攻撃被害調査、退職者調査、労働問題調査、社内不正調査、情報持出し調査、横領着服調査、パスワード解除、データ改ざん調査、データ復元、デジタル遺品、離婚問題・浮気調査 など
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デジタルデータフォレンジックは、国内トップクラスの調査力を有しており、累計3万9千件以上の豊富な実績があります。

規模が大きな調査会社でありながら、個人端末のハッキング調査不正アクセス調査などの実績もあるようですし、24時間365日の相談体制、ニーズに合わせたプランのカスタマイズなど、サービスの利用しやすさも嬉しいポイントです。

ハッキング調査以外にも幅広い調査に対応しているだけでなく、ケースごとに専門チームが調査対応を行っているとのことで、高品質な調査が期待できます。さらに、警察への捜査協力も行っているなど、信頼がおける専門業者です

相談・見積りを無料で行っているので、まずは電話かメールで問合せをしてみることをおすすめします。

フォレンジック調査会社を利用するときの注意点

フォレンジック調査会社を利用するときの注意点は次のとおりです。

  • 不用意に操作しない
  • 興信所や探偵は基本的に専門外
  • サポート詐欺に要注意
  • 市販の調査ソフトを使用しない

不用意に操作しない

サイバーやリーガルインシデント被害を受けた場合、不用意にシステムや機器を操作すると、証拠が消失したり、状況が悪化したりする可能性があります。そのため、フォレンジック調査会社に依頼する前に、不用意な操作は避けましょう。

興信所や探偵は基本的に専門外

フォレンジック調査は、専門的な知識や技術が必要となる調査です。そのため、主に浮気調査や家出人捜索などの調査を行っている興信所や探偵に依頼しても、十分な調査が期待できない可能性があります。

市販の調査ソフトを使用しない

市販のフォレンジック調査ソフトは多数存在しますが、そのどれもが万能なものではなく、フォレンジック調査サービスと比較して調査の正確性が劣ります。セキュリティ対策やログの監視ツールとして利用する分には問題ないですが、インシデント発生時の調査で利用する時は目的に合わせて利用すべきか判断が必要になります。

調査結果を報告資料の作成や裁判などでの証拠として活用したい場合は、フォレンジック調査ツールで抽出した結果を使用できないため、証拠保全が可能な調査会社に相談して調査するようにしましょう。

よくある質問と再発防止策

LINEやSNSのやり取りは見られる?

はい。特にLINEやFacebook Messenger、WhatsAppは対応ツールによって、トーク履歴・スタンプ・画像などを抽出可能です(端末や暗号化状況によります)。

削除されたデータは100%復元できる?

100%ではありません。上書きされたデータは復元が困難ですが、迅速な対応によって高確率で復旧できます。

調査を本人に知られずに行える?

法的な条件を満たしていれば可能です。ただし、私物端末に対して無断で解析を行うと、違法行為になる場合があります。

スマホ管理で企業ができるセキュリティ対策は?

  • MDM(モバイルデバイス管理)の導入
  • 社用スマホの持ち出し制限
  • アクセスログの取得と保存
  • VPNと併用したリモート制御
    ※VPNの運用を誤ると逆に脆弱性にもなりかねないので注意が必要です。

まとめとアドバイス

モバイルフォレンジックは、現代のスマホ社会において、不正調査・訴訟対応・トラブル解決において非常に有効な手段です。

  • 初動対応(電源を切らない・触らない)を徹底する
  • 証拠を失わないためにも、専門家へ早期相談を行う
  • MDMやVPN、セキュリティルールの整備により再発防止を強化

もしスマホに不正や疑いがある場合、一人で解決しようとせず、証拠性を損なう前に専門調査機関へご相談ください。

デジタルデータフォレンジック

今この瞬間から、「調査できる体制」を整えることが、あなたの組織と情報を守る最初の一歩です。

■警視庁からの捜査協力依頼実績が多数あり
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■ 14年連続国内売上No.1のデータ復旧サービス

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