【2025年版】遠隔操作ウイルス(RAT)とは?感染経路・リスク・対策を解説

パソコンが勝手に動いたり、カメラのランプが突然点灯したり、身に覚えのないファイルが増えている場合、単なる不具合ではなく、遠隔操作ウイルス(RAT)への感染が疑われます。

遠隔操作ウイルスは、個人や企業の端末に侵入し、攻撃者が外部から操作可能にするマルウェアです。盗撮や情報流出、さらには犯罪への加担など、深刻な事態を引き起こす可能性が高いため、注意が必要です。

パソコンの不審な動きにより遠隔操作をしてしまった場合速やかにデジタル・フォレンジック調査の専門会社に相談することが不可欠です。対応が遅れると、被害の拡大や証拠となるデータの消失につながるおそれがあります。

本記事では、RATの特徴や感染経路、被害例、基本的な予防策をわかりやすく整理しています。

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目次

遠隔操作ウイルス(RAT)とは

遠隔操作ウイルス(RAT:Remote Access Trojan)は、攻撃者が感染端末をリモートで操作できるようにするマルウェアです。キーボード入力の監視、ファイル操作、カメラやマイクの制御、システム設定の変更など、端末のほぼ全機能が乗っ取られるおそれがあります。

このマルウェアは「トロイの木馬型」に分類され、正規のソフトやファイルを装って侵入します。感染経路には、メール添付、改ざんWebページ、USBメモリなどがあり、一度入り込むとバックグラウンドで常駐し、ユーザーに気づかれず通信を続けます。

感染後は、攻撃者とC2サーバー間で命令やデータのやり取りが行われ、個人情報の窃取だけでなく、企業ネットワーク全体の侵害や他の攻撃の踏み台として悪用される危険性があります。

遠隔操作ウイルスの主な特徴

遠隔操作ウイルスには次のような特徴があります。

  • 検知を困難にする高い隠密性
  • キーロガーやカメラ制御など多機能性
  • 別のマルウェア配布に利用される踏み台機能
  • 正規ファイルを装って感染するトロイの木馬型

遠隔操作ウイルスは、個人のパソコンだけでなく、企業のネットワーク環境にも深刻なリスクを与えます。初期段階では異常に気づきにくく、被害が拡大してから感染に気づくケースが多く見受けられます。

被害の発見が遅れると、機密情報の漏洩や外部への攻撃中継といった二次被害に発展する可能性があります。パソコンやネットワークに違和感を覚えた場合、すぎに専門のフォレンジック調査会社へ相談することが重要です。

遠隔操作ウイルス(RAT)の主な感染経路

遠隔操作ウイルス(RAT:Remote Access Trojan)は、日常のごく一般的な操作を通じて感染するマルウェアです。メールの開封、Web閲覧、ソフトウェアのインストールといった行動が、攻撃の入口になる場合があります。

感染は単独の手口ではなく、複数の技術を組み合わせた「多層攻撃」によって仕掛けられることが多く、わずかな油断が被害拡大につながります。

不審なメールや添付ファイル、リンクを経由した感染

実在の社員名義や取引先を装ったメールに添付されたマクロ付きExcel、偽のクラウドリンクなどが典型的な手口です。USBメモリなど物理媒体経由の感染も確認されています。

改ざんされたWebサイトの閲覧による感染

ECサイトや求人サイトが改ざんされ、アクセスだけでウイルスが自動ダウンロードされる「ドライブバイダウンロード」型の攻撃が存在します。JavaScriptや脆弱な拡張機能の悪用による感染もあります。

VPN機器やRDPの脆弱性を悪用した侵入

初期設定のまま公開されている機器は、インターネット検索で容易に特定され、自動スキャン型の攻撃対象になります。特にテレワーク以降、この経路での被害が増加しています。

ソフトウェアやOSの脆弱性を狙った攻撃

更新が滞っているブラウザや業務ソフトは、旧バージョンに存在する脆弱性を突かれて感染するおそれがあります。Windows Updateやアプリの自動更新は確実に有効化しておくことが重要です。

サプライチェーン攻撃による感染

正規のアップデートやインストーラーにマルウェアが混入する手法です。2020年のSolarWinds事件では、政府機関を含む約18,000社が被害を受けました。利用者側では防ぎきれないため、組織単位でのセキュリティ対策が求められます。

出典:ITmedia ビジネスオンライン「SolarWinds事件の影響とその本質」

一見すると関係ないように思われる経路でも、油断が感染を招く引き金となります。

不審な挙動を確認した時点で、個人情報や金融関連データ、マイクやカメラを通じた映像や音声がすでに漏えいしているおそれがあります。感染が疑われる場合には、速やかにフォレンジック調査会社へ相談することが被害の最小化につながります。

遠隔操作ウイルス(RAT)に感染した場合のリスク

遠隔操作ウイルス(RAT)に感染すると、攻撃者は端末を完全に遠隔操作できるようになり、業務妨害や個人情報の流出だけでなく、企業全体のシステム停止に発展する危険もあります。

>>パソコンが遠隔操作される原因と対処法について解説

>>「スマホが遠隔操作されているかも?」と感じた時の対処法と予防策

以下は、感染時に実行される主な操作と、それによって発生するリスクの一覧です。

ファイルの閲覧・削除・書き換え

攻撃者は業務ファイルや個人データに自由にアクセスし、意図的な改ざん・削除・コピーを行います。重要な契約書や設計図、顧客名簿などが消失または流出する可能性があり、業務継続に深刻な支障をきたします。クラウドストレージと同期されている場合、他の端末や共有先にも被害が拡大します。

キーボード入力の記録(パスワードの窃取)

入力中の情報を監視されることで、ID、パスワード、クレジットカード番号、社内システムの認証情報などが盗まれます。不正ログインやネットバンキングの被害、SNS・業務アカウントの乗っ取りなどに悪用され、個人・組織ともに金銭的損害を被るリスクがあります。

画面のスクリーンショット取得・監視

操作中の画面が定期的にキャプチャされ、顧客データベース、業務アプリ、メール文面などの機密情報が漏えいする恐れがあります。画面の内容を可視化されることで、セキュリティ設定や業務フローの情報も取得され、さらなる攻撃の足がかりにされます。

カメラやマイクの遠隔操作(盗撮・盗聴)

端末のカメラやマイクが外部から起動され、室内の映像や会話内容が密かに記録されます。自宅や会議室の様子が盗撮・盗聴されると、プライバシー侵害だけでなく、社内会議の情報漏えいや脅迫の材料として使われる危険性もあります。

追加マルウェアのインストール

遠隔操作ウイルス(RAT)は、他のマルウェアを侵入させる「入口」としても機能します。感染後、攻撃者はランサムウェアやスパイウェア、バックドア型ウイルスなどを追加で送り込み、被害が連鎖的に拡大します。ファイルの暗号化、情報窃取、再感染の仕掛けなどが組み合わさり、システム全体の制御を奪われるリスクが高まります。

システム情報や通信履歴の収集

システム構成、通信履歴、ログデータなどが外部に送信されると、攻撃者は内部環境を正確に把握できるようになります。収集された情報は、標的型攻撃の計画やフィッシング詐欺、社内関係者になりすました攻撃(BEC)などに悪用される可能性があります。結果として、単なる情報漏えいにとどまらず、より精度の高い二次攻撃の土台として使われます。

ネットワーク内の他端末への感染(横展開)

一台の感染端末を足がかりに、社内ネットワーク全体へ感染が広がる「横展開」が発生します。特権ユーザーの資格情報が奪取されると、ファイルサーバーや基幹システムにも影響が及び、業務停止や大規模な情報漏えいの原因となります。

遠隔操作ウイルスは単なるスパイツールではなく、組織全体を危機に陥れるサイバー攻撃の一手です。被害を最小限に抑えるためには、感染が疑われる場合には、すぐデジタルデータフォレンジック調査会社に相談し、専門的な調査と証拠となるデータ保全を行うことが最も重要です。

遠隔操作ウイルス(RAT)に感染した場合の対処法

遠隔操作ウイルスを感染した場合、被害の拡大を防ぐためにも、すぐに以下の対処を行ってください。特に、どのような操作が行われたのか、何が盗まれたのかを正確に把握するためには、デジタル・フォレンジック調査の専門機関への相談が重要です。

少しの遅れが、重大な損失につながるおそれがあります。迅速かつ冷静に行動することが、被害を最小限に抑えるカギとなります。

インターネット接続を即座に切断する

LANケーブルを抜く、Wi-Fiルーターの電源を切るなどして、端末をネットワークから隔離してください。これにより、攻撃者との通信やデータの外部送信を停止できます。

ウイルススキャンを実施する

信頼できるセキュリティソフトを用いて、フルスキャンを実行し、RATを含むマルウェアを検出・削除します。市販ソフトで駆除できない場合や動作に不安が残る場合は、専用の駆除ツールの使用や端末の初期化も検討してください。

パスワードの変更と二要素認証の設定

メール、銀行、クラウド、SNSなどの重要なアカウントについて、安全な別端末からパスワードを変更します。可能であれば、二要素認証(2FA)の設定も実施し、乗っ取り被害を防止します。

感染経路となったソフトやファイルの削除

端末に不審なプログラムが存在しないか確認します。遠隔操作ソフト(例:TeamViewer、AnyDeskなど)が意図せずインストールされていた場合は、即座にアンインストールします。

金融機関や関係先への連絡

クレジットカードや銀行口座が不正に利用された可能性がある場合は、金融機関に連絡し、利用状況の確認とカード停止を行ってください。また、業務上のやり取りがある関係先にも連絡し、二次被害の予防を図ります。

フォレンジック調査会社への相談

自力での判断が難しい場合や、被害の範囲が不明な場合は、警察やサイバーセキュリティ専門機関に加え、フォレンジック調査会社へ相談することが有効です。デジタル証拠の保全や感染経路の特定により、再発防止や法的対応の準備が整います。

端末が遠隔操作ウイルスに感染した疑いがある場合、フォレンジック調査会社に相談

遠隔操作ウイルスに感染したおそれがある場合、すでに情報漏えいや外部からの不正アクセスが発生している可能性があります。セキュリティソフトによるスキャンだけでは、攻撃の全体像や被害範囲を正確に把握することは困難なので、専門知識と技術を有するフォレンジック調査会社への相談が非常に有効です。

フォレンジック調査とは、電子機器やネットワーク上に残された操作記録・ログ・痕跡を収集・解析し、事実関係を客観的に明らかにする調査手法です。

フォレンジック調査を行うことで以下のことが可能になります。

  • 攻撃経路の特定:どこから、どのように侵入されたのかを解明し、再発防止につなげます。
  • 被害範囲の確認:漏洩したデータや影響を受けたシステムの範囲を特定します。
  • 法的証拠の保全:警察への通報や訴訟に対応するため、証拠となる操作ログや通信記録を保存します。

感染が疑われる段階で専門家に相談することが、被害拡大を防ぎ、正確な対応を可能にする第一歩です。

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遠隔操作ウイルス(RAT)への対策

遠隔操作ウイルス(RAT)による被害を防ぐためには、日常的なセキュリティ対策を継続的に実施することが非常に重要です。

  • 不審なメールや添付ファイルを開かない
  • 信頼できないWebサイトやアプリを利用しない
  • システムやソフトウェアを常に最新状態に保つ
  • セキュリティ対策ソフトやEDRを導入する
  • 不審な挙動を継続的に監視する仕組みを構築する

遠隔操作ウイルスは、ユーザーが異常に気づきにくいまま動作し続ける性質を持っています。感染が確認される頃には、すでに重要なデータが流出している可能性もあるため、未然に防ぐ対策が欠かせません。

日頃から注意を払い、セキュリティ意識を高めることで、多くのサイバーリスクを回避することが可能です。

まとめ

遠隔操作ウイルスへの感染が疑われる段階で、個人や組織が独自に対応を進めると、証拠となるデータが消失したり対応の遅れによって被害が拡大する可能性があります。

適切な初動対応を行うためには、ネットワークの切断やログの保全を行い、デジタル・フォレンジック調査に対応した専門会社への相談が有効です。感染の確証がない段階であっても、専門家の判断によって迅速かつ的確な対応が可能になります。

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